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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

○○○○になっちゃった!どうすんのコレ!

作者: しづ

「好きだ。」

ぶっきらぼうに、視線をわずかにはずし頬を染めながら言われても困ります。

男のくせにサラサラな黒髪に、きめ細かな白い肌。何も塗っていないのにぷっくりときれいな唇。

きれいに整った美しい顔。推定身長185㎝の王子様。

細身で華奢なイメージがあるが、脱ぐと素敵な腹筋の割れ目があることを知っている。(昔たまたま夏の海でバッチィングしたのさ♪)

・・・・あぁ!見ているだけで食べてしまいたい・・・ではなく、どこか別のとこ行って貰えないだろうかコ・イ・ツ。


この告白は私に対してではない。

べ・つ・の人に告白している。

私は第三者です。ってか、本人たちは私がここにいるのを気づいていない。

何故かって?

聞いて驚け。見て驚け!

何を隠そう私は(たぶん)幽霊!

しかも死んだ記憶がない(キッパリ)

じゃあ、幽霊じゃないんじゃない?って思うでしょ。

でもね、壁抜けできますよぉ~。人も通り抜けできま~す♪

足が床につかなくでも移動できるし、極めつけが、誰も私に気付いてくれない。


私もね、はじめは驚きました。

だって普通に会社来て、知り合いに『おはよ~。』って挨拶して通り過ぎて、女子更衣室にて会社の事務服に着替えようとドアを握って開けようとしたら、スカッと空振り。

『あっれぇぇ?』って声出しながら再チャレンジするも、空振り三振ですよ。

再度、思いっきりドアノブに手をのばしたら、伸ばしすぎてドアの中へ手が消えちゃいました。

『あははは』ってな感じで冷たい汗が流れましたよ。

でもって『なんじゃこりゃぁぁっぁ!』って乙女にあるまじき声で力の限り叫んじゃいました。

もう、ここってば会社なのに、私ってば何してるんでしょうね。

”てへぺろ”状態でごまかそうかと周りをキョロキョロと見てみれば・・・私の叫びが聞こえなかったみたいに皆さん普通でした。

誰も私に注目していないし、普通に私の横を人が通り過ぎていきます。

私の叫びがなかったかのような感じです。

注目されるのもイヤですけど、スルーもイヤなものですよ。

この状態にうすら寒いものを感じます。

そんな呆然とした状態の私の後ろから、”にゅっ”っと出てきた手!

びっくりしすぎて『ふごぉぉぉ!』と、またまた乙女にあるまじき声をあげちゃいました。

次に私の体から女性が出て来て、ドアを開け更衣室の中へ入っていきます。

びっくりしすぎて動けない私の目の前で、無情にも閉まった更衣室のドア。

”パタリ”と閉まる音が怖かったです。

そして、恐るおそるドアノブに手をのばせばスカッと空振り。

意を決してドアに手を伸ばせば通り抜ける私の手。

そのまま体をかたむければ、通り抜けちゃう私の体。

そんな異常なことしてるのに誰も驚かない。

まさかと思って、そのまま近くにいた人に『おはよう』と言いながら肩に手を置くしぐさをしながら、少し力を入れてみれば、体の中に手が入っちゃいました。

こんな状態なのに、相手の人はもちろん他の人も私を見てない。

なにこのホラー。泣きはいって良いでしょうか?


その後、色々な実験をして出た結論。

私って幽霊じゃないの?

だって誰も私に気付かないし、見えてない!しかも私のお腹が空かない状態。

さらに会社から出れないでやんの。

もしかして地縛霊ってやつかな?

不安でたまんないけど、会社の中を自由に動き回り、今では色々な人の秘密も知ってしまいました。

いまも秘密を知った瞬間です。

思わず棚の陰に隠れて見守っちゃいました。

でも、イケメン男の告白と言う美味しい場面だが、知りたくもなかった。

だからだろうか、どっか行けよとやさぐれちゃいます。


「好きだ。」

イケメン男、告白中。

「冗談・・・だよね?」

チワワ男、上目で目をうるうるさせて告白受け中。

推定身長175㎝の優しげイケメンチワワ。

ってか、あれ弟だわ。

おかしいな?私とは違う会社入ったはずだぞ?

なんでここにいる?

うちの会社と取引でもあったかな?仕事でここに来たんだよね?

「本気。」

そう言いながらそらせていた視線を正面にし、まっすぐ目を見つめ壁ドン。

キャー!奥様、壁ドン来ましたぁぁ!

美味しい場面到来です。

でも私、自分の弟ではさすがに腐女子になれません。

全国の腐女子&腐男子のみなさま申し訳ありません。

イケメン男からの告白は美女が良いと思ってしましましたぁ!ごめんなさい。

「うそだろ・・・冗談だよな?」

弟、信じられないと言う顔してます。顔色がどんどん悪くなっていきますね。

よかった弟よ。見た目がチワワ男だから姉さんは家に彼氏をいつ連れてくるかヒヤヒヤものでした。

その様子だと普通に女が好きなんだね。

「冗談でこんなことはできない。」

イケメン男、無駄に声をかすれさせイロッペー・・・コホン・・・もとい、無駄に色気を振りまきながら我が弟に顔を近づけていく。

何かに気付いたらしい弟が突然暴れだし、壁ドンから抜け出そうと頑張っております。

やっべーですぞ。

私は気づいたら、『やめろー!我が弟が穢れるぅぅ!』と叫びながらイケメン男に体当たりしに行ってました。

そのまま通り抜けたけど・・・悲しい。

でも、あきらめずにイケメン男の背後から掴みかかる・・・やっぱり通り抜けて、イケメン男の体から私が突き抜けちゃいました。

そのまま弟の顔が拝めちゃったよ。

でも、弟なんか変?抵抗してたのに、ビシリと固まってこれでもかって感じに目を見開いて驚いております。

まさに”驚愕”って顔ですね?恐怖で顔面蒼白です。

まるで幽霊に会ったかのようだ。

余程イケメン男が怖いんですね。

しかも、かすれた声で『姉さん』って言ってます。

って、ちょっとまて。私が見えるのか!?

まじでぇぇぇ!

イケメン男も、様子のおかしい弟に気付き行動を止めております。

でも、そんなことに気づきもしない弟はその場で固まって動かない。

動け弟よ。逃げないと君の貞操が危ういぞ。

色々と弟に確認&聞きたいことがあったが、そんなことより今は一言だけ。

『今のうちに逃げろ!』

私は人をつかめないことをも忘れ、弟の体をひっぱて逃げるために手をのばし引きずって逃げようとした。

が、が、が、ですよ。

掴もうとした手は、弟の体に入り(ここまでは他の人とも結果は同じだね)・・・掃除機に吸われたかのような感覚が襲ってきた。

気づけば、イケメン男の正面を見ております。

あれ?弟と対面してたよね?

何故に対面人物が変わったの??

しかもイケメン男、心配そうに顔を覗き込んできています。

「大丈夫か?」

腰砕けになりそうな低音ボイスがたまらんぜ。

しかも私の顎を優しく持ち上げて、ぺろりとそっと唇をなめる。

なにそれ状態で頭が真っ白ですよ私は。

私ってばさわれないよね?存在感知されてなかったよね。

じゃあ、なんなのこの状況?弟はどこに行った?

私の混乱をよそに、なめても動かない私を見て何を思ったのかもう一度ぺろりとなめ、本格的にやわらかいものが私の口をふさぐ。

はじめは優しくふさいでいたものが、徐々に激しくなっていくさまは、混乱に拍車をかけるが・・・・。

『うぉー!キスうめぇー!腰ぬけるぅー!しかもイケメン男のキスだよ。みんなに自慢できるね♪』

ってな感じで、喜んじゃいました。

その喜びに水を差す声が頭の中に響いてきます。

『姉さん。そんな場合じゃないと思う。俺の体が男に穢されているんだぞ。・・・キスは女としたい。』

泣きが入っている弟の声がします。

『唇をなめらてから、動いて逃げようとしたんだけど、俺の体なのに動かせないんだよ。お願いだから姉さん動いて逃げて。』

男に穢される?俺の体なのに動かせない?

何言ってるんでしょうね我が弟は・・・って、あの掃除機に吸われたような感覚は、まさか、まさかの弟の中に入ってしまった感覚!?

『弟よ。私が弟の中に入ってしまったの?』

弟に問いかけてみる。

そしたら、あ~ら不思議。返答が頭の中に響いたじゃありませんか。

『その通り。怖くて動けないでいたら、そのまま姉さんが体の中に入ってきた。で、俺の体なのに主導権ないみたいだから、姉さん動かして逃げてくれ。これ以上男に迫られたら俺は素で死ねそうだ。』

本気で悲壮感だだよわせて言われたわ。

女好きのノーマルに育ったんだね。

では、弟の期待に応えるために動きましょうかね。

未だに気持ちがいいキスが続いておりますが、弟のためにまずは手を動かしイケメン男を退けようかと男の胸板に手を置き私との距離を作るため力を入れようとたら、腕を捕まれちゃいました。

で、何を思ったのか更にキスが激しくなり服の中にも手が忍び込んで・・・ノォー!

ここ会社だから!

コレ弟のからだだから!

弟の騒がしいく意味不明な声が激しく頭の中で響きながら思う。

どうしてこうなった。

私ってば幽霊になって、弟になって・・・行きつく未来さきはどこだ!

どうすんのコレ!



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