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今日も家に引きこもってゲームが出来て飯が美味い

作者: ドルジ

午前9時半、大学生ぐらいの青年が、ベッドから出てまずすることは、スマートフォンを起動することだった。


「何か面白い画像ないかな」


 青年は、気怠そうな様子でスマートフォンに使おうとすると、部屋のドアをノックする音が響く。


「朝ご飯できたわよ。コーヒーも淹れておいたから、部屋から出てきなさい」


 母親の声を聞いた青年は、眠そうに目をこすりながらベッドから出る。


「飯食うか。喉渇いたし」


 ベッドから出た青年は、手の届く範囲にあった上着を羽織り部屋から出た。



 朝食を終えた青年は、パソコンを起動して動画投稿サイトを開く。


「やべぇ。やっぱり動画投稿サイトで作業用BGM聞きながらゲームするのは、最高だな」


 青年は、ニコニコ笑いながら耳に付けたイヤホンから音楽が流れていることを確認し、ゲームを起動した。


「そういえば、前にデビルハンターズ2のセーブデータが飛んだ時は焦ったな……」


 時は一週間前まで遡る。一週間前のある日の夕方にゲームを起動すると、「デビルハンターズ2のセーブデータが破損しました。ゲームを起動するには、破損したセーブデータを削除する必要があります」とエラーを示すメッセージが出てゲームが出来なくなったのだ。


 焦った青年は、ネットでセーブデータの破損について調べたが、どうにもならず、やむに終えず一からゲームを始めることになったのである。


 青年は、セーブデータが破損したときのことを思いだして苦笑いしながらゲームを起動する。


「うん。バックアップもちゃんと出来たし、もうすぐで進行度合いも追いつきそうだな」


 青年が意気揚々とゲームの中でクエストを受註しようとしたその時、ドアを叩くノックの音が部屋に響く。


「昼ご飯出来たわよ、出てきなさい」


 青年が母親の声に気づいて時計を見ると、既に午後1時になろうとしていた。


「パソコンで作業用BGM探している間に2時間も経ってるのかよ。」


「分かった今行く」


 青年は、時間の過ぎる早さに驚きながら母親の呼びかける声に応え、ゲームとパソコンをスリープモードにして部屋から出た。



 昼食を終えた俺は、夕食までずっとゲームの続きをしながら過ごした。


青年がゲームをしている姿は、普段の彼を知る者が見れば驚く程生き生きしていた。


そして、ずっとゲームを続けていた青年は、我に返ったように時計を見る。


「もうすぐ晩飯かよ……明日は学校だし、もうゲーム出来ないじゃん」


 青年は溜息をつく。


 その時、ドアをノックする音が響くと同時に扉が開いた。



「お帰りなさいませ。ご主人様」



 ドアの開く気配を察知して振り向いた青年が見たものは、一言で表すなら「ゲテモノ」であった。


 今年で50歳になる母親が、ミニスカメイドコスプレをして年を考慮しない発言をしたことを考えれば当然のことである。


「……お帰りくださいませ」


 青年は、とてつもない披露感に苛まれながらただ一言だけそう呟いた。


「酷いわね。これでもまだまだ40代ぐらいなら問題ないと思ったのに。後、晩御飯出来たからリビングに来なさい」


 母親はそれだけ言うと、つまらなさそうに部屋から出ていった。


「ハァー。飯食ったら風呂入って寝よ」


 青年は、疲労感を吐き出すかのような溜息をつきながら部屋から出た。



 夕食と風呂を終えた青年は、バックに次の日を時間割を終えて、布団に入っていた。


「そうだ、寝る前にもうちょっとだけゲームやろう」


 思いついたように青年がゲームをつけると、ゲームそのものがフリーズし、そのまま電源が切れた。


「えっ!? いやいやまさか……」


 青年が顔を青くしながらゲーム機の電源を付け直してゲームを起動させると……


「デビルハンターズ2のセーブデータが破損しました。ゲームを起動するには、破損したセーブデータを削除する必要があります」


 エラーメッセージを見た青年は、最早バックアップを反映させる以外にゲームをできるようにする手段がないので、そのまま考える事を止めた。


(でも……今度はバックアップを移せば問題ないよね)


 まどろみの中で、青年は心の中で自分に言い聞かせるように呟いた。


                         終わり


 どうもドルジです。

 ちなみに、今回は落ち以外は私の身に起きた実話を元にしました。皆さんもバックアップはキチンと取ったほうがいいですよ。


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