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第二話 守るために

ラルア視点の話です


もう、忘れてしまおう。羽がないからといって、生きていけない訳ではないのだ。

そう思えるくらいにはラルアは強かった。普通ならば忘れることなど出来ないだろう。だが、羽がなくなってから、僅か数日でラルアは割り切ってしまった。羽は取り戻したって元には戻らない、憎むこともできないのなら忘れてしまおう、と。

質問攻めされることを覚悟して家から出ることにしたラルアが、最初に見たのは、やはりロゼだった。ロゼはラルアを心配し毎日家の前まで行っていたのだ。ラルアにどう言葉をかけたらいいのか分からなかったため、しばらく家の前に座っているだけで帰っていたが。


ロゼはびっくりした顔で私を見た。その唖然とした顔が面白くて


「……クスッ」


おもわず笑ってしまった私をぽかんと見つめてたロゼはゆっくりと笑みを浮かべた。


「ラルア……っ!」


く、苦し……

放して、とロゼの背中を叩いて訴えるとすぐ気づいてもう一度強くぎゅっとしてから放してくれた。


結局その後、外に行くことはせず家に入ってロゼと話していた。

ロゼは新しいお菓子の話とかケーキの話とかをして。ロゼが目をキラキラさせて話す物だからついつい、私も食べたくなってしまって、2人で買いに行こうか、なんて、席を立った時、ロゼが不意に思い出したように言った。


「あ!あのねラルア、私、恋人できたんだよ〜。見て見てこの写真!かっこいいでしょ〜?」


幸せそうなロゼが差し出した写真に写っていた彼は……


「……キ、ルク?」


「え?なぁに?もっかい言って」


ロゼに聞こえていなくて良かった。そうだ、ロゼはキルクが私の恋人だったことを知らない。私が彼を紹介したことはなかったから。そして、キルクこそが私の羽を奪った張本人だということも……知らない。目の前が真っ暗になった気がした。キルクのことは愛していた。いや、多分今でもそうなのだろう。だって、私はキルクをどうしても憎むことが出来なかったから。……でも。


「ラルア?どうかしたの?」


「なんでもないよ?ロゼは次いつその人に会うの〜?」


わざとからかうような口調でいう。そうすれば多分ロゼは……


「えっ、えっと今日の午後、かなっ」


やっぱり真っ赤な顔で素直に言ってくれる。


「そっか、じゃあせっかくだもん。早めに帰っておしゃれしたら?それにさっき言ってたお菓子、買ってって一緒に食べたら?」


微笑みながらそういうとロゼはこくりと頷いた。本当にロゼは素直で可愛い。

……そんな私の親友を、傷つけさせはしないよ、キルク。

もう、甘い気持ちは抱かない。彼女を守るためなら、私は

ーー貴方を憎んでみせるからーー


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