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第一話 少女の葛藤



キルクは私を騙していたのだろうか。


少女ーーラルアは虚ろな目を窓から空に向け、そう考え続けていた。

羽を失い花園に倒れていたラルアを見つけたのはラルアの親友であるロゼだった。羽を失ったラルアを見て酷く狼狽していたロゼ。パニックに陥ったロゼを現実に引き戻したのは他でもないラルアの声だった。ロゼはラルアが望んだ通り、他の者に見つからないようにラルアを彼女の家へと運んだ。ラルアはロゼを説得しすぐに帰らせた。

……それからラルアはベッドの上でずっと、キルクの事を考え続けていたのだ。


私は確かに彼を、キルクを愛していた。キルクもそうなのだと、思っていた。だが、キルクは私の羽を奪ったのだ。天使の象徴であり、命とすら同等の価値をもつ羽を。キルクは私を騙していたのだろうか。ーーいや、本当は分かっている。キルクは私を騙していた。何をどう考えてもそれ以外の答えは出てこなかった。それでも、分からないふりをしたかった。キルクが私を騙していたなら憎むべきだ。何よりも大切なはずの羽を奪った彼を、私は憎むべきなのだ。

でも、それが出来なかった。どんなに憎もうとしても、そうすべきなのだと思っても、キルクに対する憎しみは湧いてこなかった。


ここまで読んでくださった方ありがとうございます。第二話は14日正午までには投稿しますっ!

次も読んであげてもいいよー という方ぜひ次も読んであげて下さい

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