ティンダロスの猟犬
概要
ティンダロスの猟犬は、クトゥルフ神話作品に登場する架空の生物。初出は、フランク・ベルナップ・ロングの小説「ティンダロスの猟犬」。
時間が生まれる以前の超太古、異常な角度を持つ空間に住む不浄な存在とされる。
絶えず飢え、そして非常に執念深い。四つ足で、獲物の「におい」を知覚すると、その獲物を捉えるまで時間や次元を越えて永久に追い続ける。獲物を追う様子から「猟犬」と呼ばれるが、イヌとは全く異なる存在である。
こちらの世界に姿を表すときの特徴的な形態として、「太く曲がりくねって鋭く伸びた注射針のような舌」と、「原形質に似ているが酵素を持たない、青みがかった脳漿のようなもの」を全身からしたたらせるさまが描写されている。
彼らが我々の住むこの世界に出現するには、90度以下の鋭角が必要である。 部屋の角や物品の破片などが形成する鋭角から青黒い煙のようなものが噴出し、それが凝ってティンダロスの猟犬の実体を構成する。その実体化の直前、酷い刺激を伴った悪臭が発生するので襲来を察知することができるが、その時点で既に手遅れとなっている。 古代ギリシア人によると、彼らから身を守る唯一の方法は身辺のものから一切の鋭角をなくし「曲線」のみで構成することであるという。
「最近、クトゥルフ神話関連のゲームをやっているわけだが」
「はい」
「天宮、ティンダロスの猟犬って何だ?」
「えっと。まず、アレは猟犬とか呼ばれてはいますが犬じゃないです」
「お?」
「獲物を時間や次元を超えてまで追いかけて行くので、猟犬と呼ばれているだけです」
「なるほど。ヤンデレ並みのしつこさだな」
「普通のヤンデレは時間や次元は超えませんが……」
「撃退方法とか無いの?」
「ローレンス・J・コーンフォードの『万物溶解液 錬金術師エノイクラの物語』では、『万能溶解液』というアイテムで撃退してましたけど」
「非現実的だな……」
「それを言ったら『ティンダロスの猟犬』自体が非現実的ですよ」
「それもそうだ」
どうも、脈絡の無さに定評のある一樹です。
前回の「ゲーテルの第二不完全定理」に続き、第二回「ティンダロスの猟犬」をお届けします。ちなみに今回の登場キャラクターは、竜也と可奈でした。分かったかな?