14、修行開始
この投稿が今年最後になるかもしれません。
また時間が取れたら投稿できるように努力します。
絶対に失踪はしません!!
「あ、そうだ」
突然ステラ様が声を出しました。
「ちゃんとした自己紹介してないよね?」
「あら?…確かに、名前くらいだわ」
…事前に店主さんに聞いていたので何も思いませんでしたが、確かにお名前だけしか伺っていないような…
「じゃあ改めて自己紹介をしましょうか。私はジェミニ・ノヴァ・ディティヌス・ライトウィング、マリオネットマスターで最高位の裁縫師をしているわ」
「ジェミニ・ステラ・ディティヌス・ライトウィング、星華拳開祖で現当主、最高位の木工師」
「双子宮を司る神導十二宮よ。序列は6位、といってもこの序列は強さだけのものではないけれどね」
序列なんてものがあるんですか……お二人のお名前って性格を見たら逆でもおかしくないような気がするのですが…いや、メタ視点で見るのをやめましょう。よくないですね
「あぁ、これもいっておいた方がいいかな、わたしたちの名前について」
「そうね」
「名前…?」
ステラ様が腕を組み、少しだけ肩をすくめました。
「ちょっとややこしいんだよね」
「ややこしい、ですか?」
私が首を傾げると、ノヴァ様がくすりと笑いました。
「ええ。今でこそ“ノヴァ”と“ステラ”で分かれているけれど、本来――」
ノヴァ様は一歩、ステラ様と近づき、静かに続けました。
「私たちは二人で一人の存在なの」
「……二人で、一人……?」
「昔はね、“ジェミニ”っていう名前しかなかったんだよ。個体としての名前は無し。完全に一つの存在だった」
「でも、それだと不便だったのよ」
ノヴァ様が続けます。
「役割を分ける時も、呼びかける時も、区別がつかない。だから――」
「主神様が名前をくれた」
ステラ様が、少しだけ真面目な声で言いました。一瞬、空気が静かになります。
「ノヴァとステラ。この二つの名は、個体識別であると同時に――」
ノヴァ様の瞳が、わずかに柔らかく細められました。
「互いの存在を、決して忘れないためのもの、相手の性格を自分の名前に」
「……」
「どっちかが欠けても、『ジェミニ』は成立しないからね」
ステラ様はそう言って、ほんの少しだけ笑いました。
軽い口調なのに、その言葉には確かな重みがありました。
「ま、実際それがなくても忘れることなんてないけどね」
「でも、名前があるっていうのは――やっぱり違うのよ」
ノヴァ様の声は、どこか柔らかく、けれど確かな重みがありました。
「だから私たちは、あえて対になるように生き方を選んだの」
「対、ですか」
「私は人形を鍛え、操る者」
ステラ様が続けます。
「わたしは自分を鍛え、戦う者」
「髪の長さも、戦い方も、思想も。できるだけ正反対になるようにね」
「でも根っこは同じ。同じ魂で、同じ起点」
「なるほど…」
同一的な存在でも、違い続けることで、相手のことをより強く認識し、高め合える…と言うことなのでしょうか。
「ちなみに、他の十二宮はどのような感じなのですか?」
私がそう尋ねると、ステラ様が「あー」と軽く声を上げました。
「基本は違うね。あたしたちが特殊」
「他の者たちは」
ノヴァ様が指先で空中に星をなぞるようにしながら言います。
「星座名に、個の名前…んーミドルネームかな、そして家名」
「三つで構成されているわ」
「例えば、“○○・△△・××”って感じ」
「なるほど…」
しっかり体系化されているんですね。
「でもわたし達もそう呼ばれる時がある。式典とか、神前とか、そういうちゃんとした場だと――」
「私たちは一人として扱われる」
ノヴァ様が静かに言葉を重ねます。
「ジェミニとしてね」
「逆に戦場とかだと、それぞれ別で呼ばれる」
「二つ名とかでね」
「二つ名…」
なんだか、少しだけ胸が高鳴りました。
「まぁ、そんなところかな」
ステラ様がぱん、と軽く手を打ちました。
「改めてよろしく、コスモ」
「ええ」
ノヴァ様も微笑みます。
「はい!よろしくお願いします!」
ピーン!
〈神導十二宮についての情報が更新されました!〉
《称号【双子宮の弟子】を獲得しました!》
こういう通知って、なんか時に空気を壊すというか、何と言うんでしょうか、タイミングが悪いというか
「さぁ、コスモすぐにでも修行を始めましょう?」
「わたしたちの弟子が弱いなんて許さないから」
これはスパルタな予感…気合い入れて頑張りますか…!
「そうねぇ…まずは一週間」
「一週間?」
「この子の傍にいなさい」
「……それだけですか?」
「ええ」
「何もしなくていいんですか?」
「何もしないのよ」
「見て聞いて触れて話しかけて観察する」
ノヴァ様は指を一本ずつ立てました。
「この子が何を望み、嫌がり、恐れ、喜び、覚えているのか」
「それを探しなさい」
ステラ様が腕を組みます。
「もちろん、ただ見てるだけじゃないよ」
「え?」
「明日から木工修行も始める」
「……はい」
「ノヴァの裁縫修行も」
「……はい」
「それと基礎鍛錬」
「……はい?」
「わたしの修行」
「…………はい」
え?多くない…?今サラリと言われましたけど…
「弱いままじゃ許さないって言ったでしょ?」
ステラ様が不敵な笑みを浮かべながらそう言いました
「はは、そうですねぇ私も弱い自分は嫌いなので一所懸命頑張ります」
ポイント・ブックマーク・感想 ぜひお願いします
私が喜びます。
誤字脱字報告受け付けてます。




