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幼馴染ヒロイン

「皆さんこんにちは。早速、一人悩めるヒロインがやってきたようです。ちなみに、この山括弧(〈〉)の中は、アドバイザー同士のテレパシー会話で、ヒロインたちには聞こえません。私たちはこれを『テレパ』と呼んでいます。」


〈テレカみたいに言うな、あと〈〉の説明が紛らわしい〉


〈このように近くにいるアドバイザーとは会話をできます、というかテレカってなんですか〉


〈え?テレカ知らないの俺も年か〉


秀は結衣との世代にギャップを感じ、暗い目をしていた


「初めての利用なんですけど私は何をすれば?」


目の前の椅子に座る少女が、不安そうに尋ねた。秀は結衣の背中を軽く押し、対応を促す。


〈ほらゆい対応してみろ〉


「初めての利用ですね、まずは簡単にプロフィールを書いてもらいます、書ける範囲で構いません名前は本名でもニックネームでもいいですよ」


「はい、わかりました、それで何にお書きすれば」


「こちらに記入をお願いします」


すかさず秀がフォローに入る


〈話しながらプロフィール用紙とペン渡すって言っただろ〉


〈忘れてました、すみません〉


〈実際に対応したのは初めてだからしょうがない次からは気をつけろよ〉


「書き終わりました」


「ありがとうございます、染馴そめな ようさん15歳ですね」


「はい」


「今日はなぜこちらに」


「実は⋯気になっている人がいて告白しようと思うんです」


幼は少し頬を赤らめながら言うその表情は、まさに恋する乙女そのものだ。


「いいじゃないですか応援します」


結衣は幼の手を握りまっすぐと彼女の目を見る


「ありがとうございます、でも勇気が出なくて」


「ちなみに相手はどういう?」


「幼稚園の頃からの仲でそれから小中と仲良くやっていたんです、気づいたらいつも彼のことを考えちゃって、初めはずっとこのままの関係でもいいかなとか思ってたけど高校生になって彼が他の女といるのを想像したら耐えきれなくて」


「じゃあ早く告ればいいじゃないですか、別に振られたら元の関係に戻って、告白を受け入れたら恋人で何もデメリットがないじゃないですか」


結衣は純粋な目でそう言い放った。恋愛経験の乏しさがにじみ出るような発言を諭すように秀は言った


「いいかゆいお前はなんにもをわかっていない、告白を断られたら元の関係に戻るのは厳しいぞ」


「そうですよお兄さんはわかっています、絶対に気まずくなって段々と距離を置かれて、疎遠になっていく感じじゃないですか」


〈先輩良かったですね若い子からお兄さんて呼ばれて〉


〈うるさい茶々を入れるな〉


そう言いながらも秀の目には光が宿っていた、思いの外年齢を気にしているのかもしれない


「それにしても告白しただけでそんなに気まずくなりますかね」


「そりゃ程度の差はあるにしろ多少なりともあるだろう」


「そうですか?」


結衣はまだ納得できない表情をしている


「相手とはいまでも十分仲がいいんですよね」


「はい、この前も二人で水族館に行ったり」


「きゃ~もうデートじゃないですかこれはOKもらえるでしょ」


「問題はそこなんだよね」


「そうなんです仲が良すぎて私のこと女の子として見てくれていないというか」


「え〜こんなにかわいい子を」


「それにもう十分仲が良くて付き合いたいということは私はあなたとエッチなことがしたいと言っているようなもんだろ、そりゃあ気まずくなるだよ」


「何勝手なこと言ってるんですか私はただ彼ともっと仲良くなりたくて、でもまあ⋯確かに///そういう気持ちが完全にないことは否定はできませんが」


〈先輩今何の話ですか?〉


〈ゆい少し黙れ〉


「でももう答えは出ているだろう、彼が他の女といるのを想像したら耐えきれないって、グズグズしてると他の女に取られますよ」


「でも断られたら」


「その時はまたここに来てください、ここはヒロインのための相談所ですから」


〈なるほど負けヒロインもヒロインのうちですね勉強になります〉


〈そうだけどそうじゃないんだよな〉



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