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お題に挑戦!  作者: 梨藍
▼過去▼(3題)
8/35

3.あの時に戻れるのなら

由貴、緋岐

――ハァ……


由貴(ゆき)は、深い溜息を付いた。


そんな由貴を無視する事も可能たが、長年の習慣で結局無理で。


「……どうした?」


―― 尋ねた事を、一分後には後悔した。


……この後悔も何時もの事だ。


緋岐(ひき)せんぱい……いや、昨日に戻らないかなとか思って……」


何時になく深刻な表情で。


「そしたら、英語のテストを1点に出来るのにっ……」


どうしようもなく、くだらない事を宣ったのだった。

由貴の言葉にその手に握り締められている紙切れを取り上げた。


「…………マイナス……1点……?」


まさかの奇跡の点数に緋岐は絶句だ。

次の瞬間、自分の目を見開いた。


そこに書かれた名前


「……って……もう何て読むのか判んねえじゃねえか!」

「せんぱい、問題そこじゃない!ここっ!」


打てば響く様に返って来た返答に「は?」と問う。


そして、由貴の指し示すところを見て、言葉を失った。


「……な?マイケルとマークを間違って……点数逃したんだっ……」


―― クソッ……


心底悔しそうに拳を握り締める。


「昨日に戻る事が出来たら。マークってちゃんと書くのに……」

「その前に……DoをCoって間違えてる時点で残念だからな?」


――Canにも成り切れていない


「むしろ……高校一年生にもなって自分の名前ローマ字で書けないとかどんだけだよ!何でうちの高校に受かったんだよ!」

「……せんぱい……気力、体力、時の運さ」

「お・ま・え・はぁ~!」


怒りに拳が震える。


「俺が勉強教えてやったんだろうがぁ!」


そして、思いの丈を詰め込んだ拳を容赦なく振り下ろした。


「お前はもういっぺん小1に戻ってやり直して来い!」



●あの時に戻れるのなら

/(c)螺旋の都

シリアスクラッシャー!!!


お読みいただきありがとうございました!!

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