(付録) りっぱな犯罪です☆(微エロ(?)注意!!)
沙羅夢幻想本編 第十章 読了後 推奨!!
第十章までお読みいただいてからだと、
よりお楽しみいただけるかと思います。
今回は、瑞智家で開催された「流しそうめん大会」
夏休みのとある平凡(?)な風景をお届けします!
「あいうえお作文」お題にちなんで、
全て繋がっているお話です。
そのつながりも一緒に、お楽しみください♪
※ 単話でもお楽しみ頂けるよう心がけております♪
気になるお話しだけでも、チラッと読んでみてくださいね☆
これは、ほんのちょっと未来の話……
さて、そうめん流し大会から一夜明けた翌日の夕方……年長組は、緋岐と将の住むアパートに集合していた。
将の幻獣、レノスの特殊能力“空間隔離”のお陰で、防音はもちろん、来るべき攻撃への備えに抜かりはない。
部屋の灯りは消されており、アロマキャンドルが1本、ローテーブルで仄かに部屋の中を照らしていた。
囲う面々は、今から怪談でも始めそうな面持ちだ。
最初に口を開いたのは紗貴だった。
「ねえ、緋岐くんの従兄弟なんだよね?神羅 真耶」
その名まえが出た瞬間、緋岐の周囲の温度が一気に下がって隣に座っている将が「ひっ!?」と若干引いた。
構わず続けるのは蘭子だ。
「アイツ、ただの変態だろ。気味が悪いんだが?」
身も蓋もない言葉だが、本当に心の底からそう思っているのか眉がグッと眉間に寄ったままだ。
「まずさ、何!!?“翠琉のココは俺が知っていればいいからね”……って、晒し巻くとか!!!バッカじゃないの!?胸のカタチ崩れちゃうってーの!!!」
「え、その前に……サラシ……え、巻いてたのが、神羅 真耶だったってこと?毎日!?え、それって……」
「毎晩、脱がされていたらしいぞ?正確には、翠琉に自ら脱ぐよう指示を出して、立たせていたらしい」
言い淀む将に変わってスパンと言い切ったのは蘭子だ。
「しかも!全身くまなく、キスとか!!!どこのキスがどう意味かまで言いながらよ!?もう、ホントキモイわ!!!いくつよ、発想がエロおやじじゃないの!!!」
バン!!とローテーブルに拳を叩きつけながら苛立ちを隠さずに吐き捨てるのは紗貴だ。
「極めつけが、あれだ。……下腹部や足の付け根に口付けたり、撫でたりしながら、“初潮を迎えたらひとつになろうね”と毎晩囁かれていたらしい」
「いちいち、ホンット気持ち悪いんだけど!!?その発想がないよ!!」
将が真夏だというのに、思いっきり寒そうに両腕を擦りながら渾身のツッコミを入れる。
鳥肌がゾワリと立っていた。
「まあ、でも救いは……まだ翠琉ちゃん、初潮を迎えてないことよ」
「いや、それはそれで……大丈夫なのかな?」
紗貴の言葉に将が疑問を呈す。そこに蘭子が翠琉から聞いた事を話した。
『白銀から、“すみません”と謝られました。ずっとは身体に負担がいくので難しいが……出来る限り、身体の発育を止める……と……』
聞いた将は、思わずウルッとなりながらも頷きながらしみじみ言う。
「白銀さん……本当に、必死に翠琉ちゃん守ってたんだね……色んな意味で……」
ここでふと、紗貴は緋岐を伺い見た。
ブチ切れてもおかしくない。寧ろ、ブチ切れることを想定して、レノスに空間隔離してもらっているのに、とても、不気味なほど静かだ。
「……緋岐くん?」
恐る恐る伺うように声を掛けながら、紗貴、蘭子そして将は、一心不乱に何かを調べているらしい緋岐の手元のスマートフォンを見て固まった。
検索していたのは、何と“降霊術”だ。
そう、キレていないんじゃなくて、キレ過ぎて現実が見えなくなっていたのだ。
「アイツ、一回コッチ戻らせてから、生きてることが辛いってくらいの生き地獄見せてやるッ」
「気持ちはわかるけど……生き返ったら、生き返ったで、また翠琉ちゃんに執着しそうで怖くない?」
紗貴の言葉に、スマートフォンを弄る手がピタリと止まる。
「…………この!!俺の!!!怒りを!!何処にぶつけたらいいんだよ!!!」
クワッ言わんばかりに叫ぶ緋岐に、何と声を掛けたのは蘭子だ。
「安心しろ。お前も大概には変態だ。執着心の塊なところは同じだぞ?……学校でのこと、聞いてるからな?」
「そ、それは!!時効だ!!!もう学校ではしてない!!」
威張って言うことでは無い。
「……あれか、神羅の男は執着心と独占欲の塊なのか」
「あんな!!変態と!!同列に語るな!!俺と紗貴は両思い!!!真耶のアレは、ただの一方通行だッ!!!」
こうして、不毛な論争は、翌朝まで続いたのだった。
●(付録) りっぱな犯罪です☆(微エロ(?)注意!!)
/(c)永遠少年症候群
☆ 神羅の血統は、愛情深いということで!
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