5.心だけが届かない
璃庵さんと翠琉の!!
このコンビが尊過ぎてッ……
創作相方 神明命と盛り上がっておりますので、
皆さまにもその滾りを共有していただきたくッ!!
たっとぶ!!!
触れることが出来る
言葉を交わすことが出来る
―― だからこそ……
気付いてほしい
キヅカレタクナイ
判ってほしい
シラナクテイイ
二律背反な気持が、鬩ぎ合う
「ありがとう、璃庵……」
再会を果たした頃からすると、随分と立ち直った翠琉の姿に安堵することが多くなったある日、翠琉がそう言って微笑んだ。
―― ああ……
まだまだ、小さな一歩でしかないが、やっと笑えるようになった。
控えめな、遠慮がちな……小さな花が綻ぶような笑顔に、胸が締め付けられる。
まだ、きっと心の傷が消えたわけではないだろう。
もしかしたら、一生消えることはないのかもしれない。
それでも、少しでも癒されたというのなら……その一端を担えたというのなら、これほど嬉しいことはない。
万感の思いを込めて、そっとその痩身を抱き締めた。
最初の頃は、強張り息を止めていたのに、今はもうすっかりと慣れてしまったのか、ホッと安堵の息を零すと素直に身体を預けて来る。
それが、またどうしようもなく嬉しくて……
「どうして、璃庵はこんなに親切にしてくれるんだ?」
ふと、翠琉の中に沸いた純粋な疑問だった。
その問い掛けに璃庵は一瞬息を詰まらせる。
「主より、頼まれたからだ……大切な存在だから……」
言いながら、痩身を抱き締める腕にやんわりと力を込める。
義務でも、義理でも……ましてや、同情でもなく。
そこにあるのは純粋な幾重にも重なり合う想い。
どこにも、連れて行かれない様に。
誰にも、攫われることがない様に。
そっと、祈るように翠琉のつむじに唇を寄せる。
―― こんなにも……
こんなにも、自由に動くことが出来るのに
こんなにも、自由に言葉を届けることが出来るのに……
(心だけが届かないことが……)
こんなにも、もどかしく感じる時が来るだなんて……
誰が予想できたというのだろう?
●心だけが届かない
/(c)エソラゴト。
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