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お題に挑戦!  作者: 梨藍
▼恋で5題▼(璃庵&翠琉)
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5.心だけが届かない

璃庵さんと翠琉の!!

このコンビが尊過ぎてッ……


創作相方 神明命と盛り上がっておりますので、

皆さまにもその滾りを共有していただきたくッ!!


たっとぶ!!!



触れることが出来る


言葉を交わすことが出来る


―― だからこそ……


気付いてほしい

キヅカレタクナイ


判ってほしい

シラナクテイイ


二律背反な気持が、(せめ)ぎ合う


「ありがとう、璃庵……」


再会を果たした頃からすると、随分と立ち直った翠琉の姿に安堵することが多くなったある日、翠琉がそう言って微笑んだ。


―― ああ……


まだまだ、小さな一歩でしかないが、やっと笑えるようになった。


控えめな、遠慮がちな……小さな花が綻ぶような笑顔に、胸が締め付けられる。


まだ、きっと心の傷が消えたわけではないだろう。

もしかしたら、一生消えることはないのかもしれない。


それでも、少しでも癒されたというのなら……その一端を担えたというのなら、これほど嬉しいことはない。


万感の思いを込めて、そっとその痩身を抱き締めた。


最初の頃は、強張り息を止めていたのに、今はもうすっかりと慣れてしまったのか、ホッと安堵の息を零すと素直に身体を預けて来る。


それが、またどうしようもなく嬉しくて……


「どうして、璃庵はこんなに親切にしてくれるんだ?」


ふと、翠琉の中に沸いた純粋な疑問だった。


その問い掛けに璃庵は一瞬息を詰まらせる。


「主より、頼まれたからだ……大切な存在だから……」


言いながら、痩身を抱き締める腕にやんわりと力を込める。


義務でも、義理でも……ましてや、同情でもなく。


そこにあるのは純粋な幾重にも重なり合う想い。


どこにも、連れて行かれない様に。

誰にも、攫われることがない様に。


そっと、祈るように翠琉のつむじに唇を寄せる。


―― こんなにも……


こんなにも、自由に動くことが出来るのに

こんなにも、自由に言葉を届けることが出来るのに……


(心だけが届かないことが……)


こんなにも、もどかしく感じる時が来るだなんて……


誰が予想できたというのだろう?



●心だけが届かない


/(c)エソラゴト。


ご清聴ありがとうございました!

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