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コインの約束  作者: 摘美花-ツグミカ-
14/24

修学旅行 最終日

今日の私は初日の湊以上にハイテンション。


8時30分に待ち合わせなのに15分前にはロビーまで出てきてて。


初めてのデートの時のように、和真がやってくるのをドキドキして待ってた。


ロビーで待っている私の脇を、何組ものグループが京都散策へ出かけていく。


その中には高柳さんもいて。


私は目が合わないように高柳さんから顔を背けた。


約束の時間通りに和真がロビーにやってきて、私たちは二人で考えた見学場所へ向かった。


まずは八坂神社


ここは私がどうしても和真と一緒に行きたかったところ。


縁結びの神様に私と和真が永遠に結ばれますようにって、お願いしたかったの。


その話を和真にしたら笑われちゃうかな?って思ったけど、話してみたら


「うん、いいよ。神様にお願いしなくたって俺は芽衣から離れることはないけどな」


って。もちろん私もだよ。だけどお守りとか欲しいもん。


それと、八坂神社近くのスイーツのお店。


こっちも私がちゃんと調べて、和真と一緒に美味しいケーキを食べるの。


和真は和菓子と洋菓子だったら洋菓子派だっていうから、このお店は絶対に外せない。


実際にそのお店に入ったらどのケーキも美味しそうで、選ぶのが大変だった。


最終的に3個のケーキを選んで、和真と半分こして食べたの。


もうこれだけでお腹いっぱい。


次に見学する予定の清水寺へは徒歩で向かい、少しだけダイエット。


清水寺は傾斜のある坂の上にあり、やっと到着したと思ったら、思ってた以上に清水寺って広くて、歩くだけで疲れた。


それでもやっぱり清水寺といえば、清水の舞台だよね。


清水の舞台から下を見下ろすと、本当に崖の上に立っているような錯覚になって、思わず和真の腕にしがみついてしまって。


「芽衣、舞台の下ばかり見ていないで、ここからの京都の街を見てごらんよ。すごい絶景だぞ」


「うわー!凄いね。遠くの方まで見えるね。ここを選んで良かった。和真と一緒にこんな景色が観られるなんて。私、和真と観たこの景色をずっとずっと忘れない」


「うん、俺も」


それから私たちは写真をたくさん撮って、たくさんの思い出を作った。


1時間以上清水寺に滞在し、さっき上がってきた坂道を今度は下る。


と、坂道の途中にあるお土産物屋さんの入り口に『記念コイン』って看板が見えたから、和真の手を引っ張ってその記念コインの機械の前に来てみた。


「これってさ、小学生とかが作る記念コインだろ?芽衣、こんなの欲しいの?」


「でもね、見て!自分の名前の他に5文字だけ好きな言葉が刻めるんだってよ。楽しそうじゃない?和真、一緒にやろうよ」


もう私の頭の中では5文字を何にしようって、考えてて。


「よし、俺は5文字決まった。芽衣、やるぞ!」


やだ、和真の方がノッてるじゃん。ふふっ。可愛い。


2台並んでいるその機械に500円を同時に入れて、刻印する文字を打っていく。


「俺、終わったよ。芽衣はまだ考えてんの?」


「だめ、見ないで!出来上がるまで内緒。えっと、あれ?私の名前が変換できない。あー、もういいや。名前はカタカナで」


コインの仕上がりまで5分かかるって書いてあるから、出来上がるまでお店の外に設置してあるベンチに二人で座って。


「歩いてばっかで疲れちゃったね。次はどこかで休憩しようよ、和真」


「疲れたの?しんどかったら早く言ってよ。コインできたらお昼にしよう。お昼はどこか気になるところあるの?」


「うん!この坂を下ったところのね、少し先にね」


と、和真を背にして坂道の下を指さして、


「美味しそうなお蕎麦屋さ・・・・・」


お蕎麦屋さんがあってね・・・って言いながら和真の方へ向き直ったら、


えっ?



高柳さ、、、ん?



私は自分の見ているものが信じられなくて。




その光景から目が離せなかった。




無防備な和真の顔に、





高柳さんの顔が重なって





キスをしていた。




えっと。なんだっけ?そう、お蕎麦屋さんがね、あってね、和真。


「か、ずま?」


和真から顔を離した高柳さんが笑っていて。


「ふっ。あなたたちなんて壊れたらいいのよ」


私はこの場にいられなくって。二人の顔を見たくなくって。


走って逃げた。とにかく混乱した頭を冷静にしなきゃ、って。


背中で和真の怒っている声が聞こえた。


「芽衣、待って!」っていう声も聞こえた。


でも振り返れない。


こんなに走ったことないって言うくらい走って、走って。



二人から逃げて。



息ができなくなって。



苦しくなって。




目の前が真っ暗になった。



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