【武骨・無極之体】
◇◆◇ 天魔神教 日月宮 第六公子 日月慶雲 ◇◆◇
《【試練・千字習得】が達成されました。報酬が付与されます。【試練・武器入手】が達成されました。報酬が付与されます。【試練・武功秘笈】が達成されました。報酬が付与されます。【試練・チュートリアル3】が達成されました。報酬が付与されます。》
《【身法・理智海賢神功】を獲得しました。【蓬莱商店】が開放されました。【術法・在魂大法】を獲得しました。【天賦・三頭千魔】を獲得しました。『混元値』を1000獲得しました。『混元値』を1000獲得しました。『混元値』を1000獲得しました。『混元値』を10000獲得しました》
《【天賦・三頭千魔】の効果・萬気包容が確認されました。【体質・調和之力】が確認されました。『混元値』10000が確認されました。【武骨】を測定します。……【武骨・優等之体Lv.5】を確認しました。成長限界に達しています》
《すべての条件を満たしています。【武骨】が進化します。強制体質変換が開始されます。所要時間 約12時間》
さて諸君、誠に久しい。
本座である。
皆とは丁度三年ぶりであるか。
昨日、本座は5歳となった。
なかなか間が空いたが許せ、この3年間は、真に忙しく皆々に語り掛ける暇もないほどであったのだ。
もっと正確には、本座が【空清石乳】を手に入れたあの日から忙しない日々が始まりを告げた。
まずは文字の勉強を始めとした座学系の習い事が始まり、3歳からは肉体づくりと体力づくりを兼ねた地獄の基礎訓練が始まった。
……これがなかなか愉快な地獄であった。この地獄が今なお継続中ではあることを思えばなかなか愉快な地獄であると現在形で語るべきか。
まあ、この座学で【試練・千字習得】を、基礎訓練の最中に【試練・武器入手】を達成し、【身法・理智海賢神功】の獲得と【蓬莱商店】の開放というご褒美があった故、ただ忙しないだけであったわけでは無いがな。
そして、ついに昨日から本格的な武功修練の始まりとして、【心法】の記された武功秘笈を手に入れ、というか読破し【試練・武功秘笈】を達成したのだ。
チュートリアル3が発生してほぼ3年の月日が経ち、【玄魔養生功】による武骨の強化も頭打ちとなってしまっていた今、今回のチュートリアル3完全達成報酬として得られた【天賦・三頭千魔】とそれに伴う【武骨】の進化は、まさに待望の喜びといえよう。
……【心法】の秘笈を読んだ直後に意識を絶たれていなければ、な。
…………ふむ、なかなかどうして気が重いではないか。
天魔の第六公子たる本座が、天魔神教の基礎心法ともいえる【魔泉心法】を一度読んだ意識を失ってしまった。
それなりの醜聞と言えよう。
起きた後がいささか憂鬱よ。それなりに手を回さなければ……、ようやくたどり着いた【試練・チュートリアル3】の達成に少々ケチがついたともいえような。
天魔の御子としてそれなりに綺麗に、あるいは立派にそれらしく見せねばならんということだ。
面倒であろう?
さて、愚痴はこのくらいにしておくとしよう。
諸君らお待ちかねの大鑑定大会だ。
【覇君賢王システム】
◇主君
・名前:日月慶雲
◇試練
・『日々修練』
・対毒修練(0/1)「混元値10」
・身体練功③走破の章(0/1)「混元値10」
◇武学総論
◇倉庫
◇蓬莱商店
・功法
・宝器
・天賦
◆***(未開放)
……まあ、見てのとおりよな。多少カスタマイズできたゆえ、表示される項目が少し違うか?
そんな些末なことより、諸君らには【蓬莱商店】の項目が真新しかろう。これは【試練・武器入手】の報酬だ。
実はこれがなかなか興味深い項目でな。
【功法】は二流三流がせいぜい。
【宝器】も数打ちの鉄剣や鋳造の槍など平凡程度のモノしか購入できず。
【天賦】に至っては、ほとんどロックがかかっている上に購入できる物もほとんどは必要ポイント数が高すぎるため、高嶺の花も良いところである。あるいはショーケースのトランペットか。
しかし一方で、【功法】も【宝器】も【天賦】も一様に、名称と簡易的な説明だけは読むことができるものがそれなりにあり、これがなかなか読んでいて楽しい……否、タメになる良い情報源となっているのだ。
まあ、説明はおろか、名称すらロックがかかっているものが大半であることを思えば、商店どころか情報源としてもこれからに期待であるという面が強いのだがな。
その点でいえば、今回の【武骨】の進化のアナウンスもまた、良い情報材料といえるな。
『条件を満たす』
この文言は、今後武骨や体質の進化・獲得のみならず、【蓬莱商店】のロックを解除するためのカギとなるであろう。
まあ、詳しい話はまたいつの日か。
さて次は……、そうだな。久方ぶりのお披露目であるし、一つ一つ得たモノの鑑定結果を開いていくとしよう。
◇【主君】
・本姓:天
・苗字:日月
・名 :慶雲
・年齢:5歳(UP↑)
・種族:人族
・身分:天魔神教教祖 第六公子
<天賦>天賦:黒龍六眼
天賦 三頭千魔NEW!
血脈:天魔血脈
武骨:無極之体NEW!
体質:超聴覚
体質:超視覚NEW!
体質:超嗅覚NEW!
体質:超触覚NEW!
体質:超味覚NEW!
体質:調和之力
体質:無病長寿
<功法>心法:玄魔養生功
心法:魔泉心法NEW!
身法:理智海賢神功NEW!
術法:在魂大法NEW!
〇詳細情報を閲覧する YES/NO
これもまた、だいぶ表示が変わったな。
【蓬莱商店】が解放されたことで、天賦や血脈、体質などが【天賦】の大区分として纏められるようになり、同様に心法や身法、術法なども【功法】の大区分としてまとめられるようになった。
大雑把に説明すると【蓬莱商店】ではこのような大区分の中に、小区分があり、それぞれ分別されて販売されていると考えればよい。
話が長くなったな、手に入れた順番に説明していくとしよう。
〇【理智海賢神功】
<分類>:身法
<概要>:海のような広く深い知識と智慧を授ける。脳を異常発達させ、上丹田と魂魄を強化する。
<効果>:脳を発達させ、思考力・判断力・記憶力・想像力を向上させる。魂魄を強化し、広く深い精神体系を構築させる。
これは、【試練・千字習得】の報酬だ。
まあ、簡単に言えば脳の強化を目的とする武功だ。魂魄も同時に強化されると書かれてはいるが、こちらの効果はよく分からぬな。
この系統の功法は、武侠小説では諸葛世家の【玄元全檀神功】などが有名であろう。
……というか他には知らん。
次だ。
〇【魔泉心法】
<分類>:心法
<ランク>:絶頂~
<概要>:天魔神教の基本心法。丹田拡張、蓄気速度、安定性、全てにおいて高く評価される。あらゆる魔功の根幹に位置する。
<効果>:純粋な魔気を蓄積できる。高い蓄気速度と堅固な安定性を誇り、丹田の総量を拡大する。陰陽五行に偏りを持たず、あらゆる派生が可能。
これは先ほども説明したように天魔神教の基礎心法であり、試練の報酬ではない。
ランクが絶頂~となっているのは、千差万別の派生が生じる極めて互換性の高い心法だからである。
聞いた話によると道家心法(道教)や不可心法(仏教)のような正宗派武学とさえも融合可能と言われているらしい。
まさに、魔功の根幹であり、天魔神教の最高の絶学である【天魔神功】の土台でもある超重要な心法だ。
そして、その超重要な心法を読んだだけで気絶した情けない公子がこの本座と。
……改めて頭痛がしてくるような醜聞だな。のちほど、混沌値を消費して成を上げておくとしよう。
読んですぐに悟りを得たから気絶したとなれば、怪しくとも多少は格好も付くというものだ。
〇【在魂大法】
<分類>:術法
<概要>:サイコメトリー
<効果>:物品に残った記憶や残留思念を読み取る。死体にも作用する。性能は使用者の力量に依存する。
……これは、なかなかの変わり種よな。
これは【試練・武功秘笈】の報酬なのだが、それと同時にチュートリアル3が完全達成され、武骨の進化により気絶してしまったせいで、まったくと言ってよいほどにまともな検証ができていない。
まあ、いままで触れたこともないカテゴリーの術法であるし、概要も簡潔すぎて分かりにくい。 この術法の効果は要検証だな。
うまくすれば『武器の記憶が読める本座、絶対達人の武功を手に入れ、目指すは天下第一人』とでもいうような、小説のタイトルじみたことさえ可能となるやもしれぬ。
……あるいは、亡き母について詳しく知ることも。
今後の課題としよう。
〇【三頭千魔】
<分類>:天賦
<概要>:天魔神教に影響を与えた拝火教において、あらゆる悪の根源と恐れられる龍・【アジ・ダハーカ】は三つの頭と六つの眼を持ち、千の魔術を行使したとされる。その三つの頭には千の魔術を扱うための特異能力が備わっていた。
<効果>:
1.萬気包容
2.天脳覚知
3.冷徹無欠
〇【萬気包容】
<解説>:あらゆる性質の気を同時に負担なく蓄えることができる。異なる性質の気を同時に循環・放出できる。
〇【天脳覚知】
<解説>:高速・並列思考を可能とする。五感から得た情報を完全に記憶する。適応する武功と組み合わせることで効果を極大化する。
〇【冷徹無欠】
<解説>:如何なる状況でも冷静な理性を保つ。洗脳・催眠・幻術・呪詛・魂力攻撃に対して極めて高い耐性を持つ。
これは【試練・チュートリアル3】の達成報酬であり、まあ、以前の【天賦・黒龍六眼】と同系統の報酬であろうことは間違いあるまい。
あちらが眼を由来とした特異能力を授ける天賦であるならば、こちらは知恵と精神力、そして千の魔術を行使する体質を授けるものと言えるだろう。
【天脳覚知】と【冷徹無欠】の持つ有用性は言うに及ばず、新たな【武骨】の進化の土台となった【萬気包容】の効果も素晴らしいものだ。
その進化した武骨がこれだ。
○【無極之体】
<分類>:武骨
<ランク>:SS
<概要>:仙人に至ることが約束された俗界における最高峰の武骨。これより上は**と称され、仙人への蛻凡段階へ至ることで開花する。
あらゆる武功を瞬く間に習得できる。体内の陰陽五行が完全なる調和を成しており、著しく性質の偏った武功を複数同時に修練してもその調和が崩れることは無い。
<効果>:修練速度200倍・悟性絶大強化・同時修練適性・同時習得適性・同時展開適性
……これは調子に乗ってよいものでは?
……いや冗談であるが、な。
なかなかに凄まじい効果と言えるだろう。以前は存在した武骨のレベル表記がなくなっているが、これは【武骨・無極之体】自体が一つの完成形として究極の位置されるモノであるからであるらしい。
……まあ、よくよく見れば概要から、明らかにより上位の武骨?と思われる文字化けの存在が読み取れるのだが、それでも俗界において至上の肉体と言っても過言ではあるまい。
この文字化け武骨の所有者に心当たりがないでもないのだが……、まあ、またいずれ語ろう。
ふむ、新規功法天賦大鑑定大会はここらでよかろう。
一応、他にも【体質・超聴覚】の系統と言える新たに得た体質は存在するが、基本は<体質・超聴覚>と似たような効果である。
どの体質も該当感覚が著しく強化され、その感覚由来のダメージに対する遮断効果を有するというものだ。
これは元々【強化感覚・〇覚】という蓬莱商店で購入したBランクの体質であったのだが、今回の武骨の進化により同時にAランクの体質に進化したらしい。これもまた機会があればまたいずれ、詳しい能力も教えて進ぜよう。
さて、長くなったが、此度の要件はこれだけではない。
この世界に生まれ落ちて五年。
本日より九日後、本座は幼魔館に入館する。
転機である。
当然、昨日魔泉心法の秘笈が渡されたのも理由あってのことである。
すなわち、天魔の御子は十日のうちにどれ程習得できるのか、その才覚を測られるというわけだ。
ようやく、強者尊を信奉する天魔神教の片鱗が見えてきたというところだな。
心躍るわ。
リザルト
混元値 31(前回)
武功秘笈+1000
千字習得+1000
武器入手+1000
チュートリアル3+10000
日々修練(3年分)+21900
計 +34900
武骨強化(D→C)-2800
武骨強化(C→C限界値)-11000
五感強化体質(強化感覚・視覚・味覚・嗅覚・触覚)-500×4
玄魔養生功(四成→五成)-481
武骨進化(C→SS)-10000
計 -26861
混元値 8650(六話開始時)