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【武学総論】確認中

◇◆◇ 天魔神教(てんまじんきょう) 日月宮(じつげつぐう) 第六公子(だいろくこうし) 日月慶雲(じつげつけいうん) ◇◆◇


 次は【武学総論(ぶがくそうろん)】、新しく解放された項目だ。

 チュートリアル2の【試練】のこともある。考察もほどほどに進めていくとしよう。


◇【武学総論】

混元値(こんげんち):130


天賦(てんぶ)

 ・血脈:天魔血脈(てんまけつみゃく)

 ・武骨:凡人之体(ぼんじんのたい) <F> Lv.0 (0/10)

 ・体質:超聴覚(ちょうちょうかく) <A> Lv.0 (0/500)


功法(こうほう)

 ・心法(しんぽう)玄魔養生功(げんまようじょうこう) 一成(いっせい) (0/10)


〇詳細情報を閲覧する YES/NO


 ……なるほど、わからん。

 とりあえず、混元値はよしとしよう。【試練】で得たポイント的なものらしいのでな。

 おそらく、他の項目に振り分けることで効果を発揮する仕組みなのだろう。


 だが後は……詳細を開くしかないな。

 まずは『天魔血脈』からだ。


○【天魔血脈】

 <分類>:血脈

 <概要>:【始天魔(してんま)】の直系だけがその身に宿す血脈。天魔の地位に就いた歴代天魔とその子供だけに発現する。

 <効果>:親和性【聖火(せいか)】獲得・魔功(まこう)適性上昇・魔功習得大補正・【天魔仙跡(てんませんせき)】入場時超特殊ボーナス付与


 ……なるほど。まあ、ざっと見てデメリットはなさそうだな。祝福のようなものか。

 ただ天魔神教の開祖である【始天魔】のことは良いとして、【天魔仙跡】とはなんだ?


〇【天魔仙跡】

 <解説>:登仙(とせん)し仙人に至った歴代天魔や魔尊(まそん)たちが作り出したダンジョン群。中心に存在する最高難度のダンジョン【始天魔神跡(してんましんせき)】は仙界(せんかい)に通じているとされ、天魔神教の者が登仙する際に使用される。稀にこの道を通じて仙界の天魔神教の者が下りてくる。


 ふむ、なるほどなるほど。

 ……んんん? ダンジョン? 何故だ? いや、どういうことだ? 明らかに世界観が違うのではないか?

 まさかとは思うが……ここは武侠世界(ぶきょうせかい)ではないのかもしれん。


 ……いや、そう決めつけるのは早計か。だが、丸々武侠小説の中の世界だと思うのは少し危ういな。

 しかも仙界とは……、現世だけでなく仙界にも天魔神教があるのだろうな。

 ややもすれば、【始天魔】も存命かもしれん。なかなか楽しそうなことだ。


 …………ふう、落ち着いたな。まあ、【天魔仙跡】のことも仙界のことも追々情報収集に精を出すとしようとしよう。それしかない。

 仙界から下りてくるようなものがいる世界とは……。これからは先入観を捨ててことを運ばねばならぬようだ。


 さて、次は『武骨・凡人之体』だな。

 【武骨】からしてよくわからん用語だ。まあ、想像がつかんわけでは無いが……。


〇【武骨】

 <解説>:肉体の持つ修練適性の程度のこと。または修練に適した肉体それ自体のこと。


○【凡人之体 Lv.0】

 <分類>:武骨

 <ランク>:F

 <概要>:極々平凡な人間が備える肉体。基礎武功(きそぶこう)程度であれば習得可能。神功絶学(しんこうぜつがく)の習得は極めて難しい。死に物狂いの修練を経て【絶頂(ぜっちょう)】の境地に至ることが出来れば御の字。

 <効果>:修練速度1.0倍


 ほうほう。なるほどなるほどなるほど。

 【武骨】は武功を学ぶ上での適性で、本座(ほんざ)の武功への適性は平々凡々のFランというわけだ。

 とりあえず、【武骨】の説明については予想通りだ。どれだけ修練に向いた肉体かということだな。


 ……うん? おかしいな?

 武侠小説では代々武人(ぶじん)を排出するような武家(ぶけ)の子女は優れた【武骨】を持っていると表現されることが多かったと思うのだが……?


 ひるがえって本座は天魔の血統というサラブレッド中のサラブレッドでありながら、平々凡々の凡夫のFランである【凡人之体】と。


 ……いや、このシステムがあるだけで他者の何倍有利なのかわからんな。そもそも【混元値】を振り分けることで【武骨】も強化できるようであるし、気にするほどのことでもないか。


 次は『体質・超聴覚(ちょうちょうかく)』だ。

 これは情報収集で大いに役に立った。【試練】を達成できたのはこの能力のおかげといっても過言ではないほどだ。

 扉の向こうの会話どころか、効果範囲に存在するすべての者の脈拍や呼吸音までも容易に聞こえるのだ。

 ただ、具体的な効果範囲はまだ把握できておらん。詳細情報を閲覧しておこう。


○【超聴覚 Lv.0】

 <分類>:体質

 <ランク>:A

 <概要>:極めて鋭敏かつ超高性能な聴覚。

 <効果>:半径50メートル以内のどんな些細な音も聞き漏らさない。肉体や精神に害を及ぼす大音量や低周波・高周波の音波を遮断する。


 ほう、半径50メートルか。ざっとそんなものだろうとは思っていたが、なかなかどうして悪くない。それに聴覚保護の機能もあるとは、獅子吼(ししく)のような音を介する武功を完全に無効化できるかもしれん。

 流石はAランクと言ったところだな。Fランクとは期待値が違う。


 ただ、少しばかり疑問も生じるな。

 半径50メートルといえばそこそこ大きな家であってもすっぽりと収まる程度の広さはあるし、本座も情報収集を兼ねて、世話役の同伴付きだが散歩をしたこともあり、自らの住まう後宮(こうきゅう)日月宮(じつげつぐう)の周囲を一回りしたこともある。


 にもかかわらず音を発する存在が少なすぎるのだ。

 本座がこれまで聞いた生活音や会話からすると、乳母と世話役が合計三人、護衛とみられるものが一人、たったの四人。母親は産後の肥立ちが悪くすでにこの世にないため、本座を含めても五人しかいないようなのだ。

 本座の地位は天魔神教における王子のようなものだと認識しているのだが、それにしては周囲の人間が少なくはないだろうか?

 もしかすれば、大した【武骨】を持っておらんがため、適当に人だけつけて放置されているのかもしれんな。


 武侠小説では【奇縁(きえん)】が特に重要視される。神功絶学の記された武功秘笈(ぶこうひきゅう)を手に入れた者が成り上がるような世界なのだ。

 それを考慮すると機会が得られぬような放置状態は、生き残ることだけを目的とするならまだしも、強くなることを志すわが身には少しまずいか?


 ……いや、これもシステムの力を借りればなんとかなるか。

 【武骨】のレベルを上げれば……、それ以前に【試練】を達成していけば新たな【武功】が手に入るかもしれん。


 うむ、そうだな。せっかく、システムがお優しくもチュートリアルなど作り出してくれているのだ。どちらにせよ情報が足りない現状で考えても答えの出ることではないな。

 次の項目に進むとしよう。


 次は『心法(しんぽう)玄魔養生功(げんまようじょうこう) 一成(いっせい)』だ。


 一度説明は見た気がするが、『一成』とついているし、【武学総論】の項目で見るとまた違うかもしれん。

 詳細情報も見ておくとしよう。


〇【玄魔養生功 一成】

 <分類>:心法

 <ランク>:???

 <概要>:呼吸・姿勢・精神を調(ととの)えることを目的とした養生功の一種である心法(しんぽう)。呼吸法により天地の気を導き、四肢百骸(ししひゃくがい)に巡らせ、丹田(たんでん)に蓄積する。

 <効果>:潜在能力向上・ 武骨(ぶこつ)強化・穴道(けつどう)打通(だつう)・肉体浄化・自己回復強化

 <効能>:(周天(しゅうてん):上昇値)10:1


 ……ランクはないということか? それに効能?

 ふむ、周天は聞いたことがあるな。確か、体に気を巡らせることだ。

 小さく巡らせることを小周天(しょうしゅうてん)、大きく巡らせることを大周天(だいしゅうてん)と言い、ただ周天と言った場合は後者を示すはずだ。

 だが、上昇値とはなんだ? 詳細情報も閲覧できん。


 ……チュートリアル2の【試練】には武学総論活用だけでなく、内功感知も存在する。

 武学総論活用の【試練】をさっさと終わらせるという前言を撤回してしまうが、無駄なことをやるわけでは無い。


 一度、試してみるしかないな。


 玄魔養生功


 【武功】初体験といこうではないか!



境地(きょうち)とは


武功の強さの段階のこと。

わずかでも武功を学んだ瞬間から『三流』の武人となる。


◆◇◆境地の段階と天魔神教内の序列の関係(下位から)◆◇◆

三流(さんりゅう)潜魔(せんま)

二流(にりゅう)魔卒(まそつ)

一流(いちりゅう)魔頭(まとう)

絶頂(ぜっちょう)魔将(ましょう)

超絶頂(ちょうぜっちょう)巨魔(きょま)

化境(かきょう)魔君(まくん)

玄境(げんきょう)魔尊(まそん)


三流:内功は十年未満。武功を習いたての初心者やまともに武学を習ったことのないような浪人の多くはこの境地にある。


二流:内功は十年以上二十年未満。武学について初心者よりは理解がある。初心者を脱した者はこの境地にある。


一流:内功は二十年以上三十年未満。剣においては武器に気を満ちさせることができる充剣の境地。武学についてもある程度の理解がなければたどり着けない境地であり、この程度になると一人前の武人として認められる。


絶頂(ぜっちょう):内功は三十年以上。剣においては武器を介して気を発する顕気(けいき)が可能となった者が至る剣気(けんき)の境地。剣気を発現させ、絶頂入気境。剣気を安定させ絶頂熟練。具現化した気を自由自在に放つことのできる弾気(だんき)の境地となり、絶頂の極とされる。


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