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【武学総論】見直し<3>

◇◆◇ 天魔神教(てんまじんきょう) 幼魔館(ようまかん)上級洞(じょうきゅうどう) 七号生徒 日月慶雲(じつげつけいうん) ◇◆◇


 さて本日も引き続き武学見直しである。

 今日は諸君らお待ちかねの【功法】系の見直しなれば、張り切っていこうか。


◇【武学総論】

混元値(こんげんち):33890


天賦(てんぶ)

 ・天賦:黒龍六眼(こくりゅうりくがん)

 ・天賦 三頭千魔(さんとうせんま)

 ・血脈:天魔血脈(てんまけつみゃく)

 ・武骨:無極之体(むきょくのたい) <SS>

 ・体質:超聴覚(ちょうちょうかく) <A> Lv.3 (4500/25000)

 ・体質:超視覚(ちょうしかく) <A> Lv.3 (0/25000)

 ・体質:超嗅覚(ちょうきゅうかく) <A> Lv.3 (0/25000)

 ・体質:超触覚(ちょうしょっかく) <A> Lv.3 (0/25000)

 ・体質:超味覚(ちょうみかく) <A> Lv.3 (0/25000)

 ・体質:調和之力(ちょうわのちから) <A>

 ・体質:無病長寿(むびょうちょうじゅ) <B>

 ・体質・千毒不侵(せんどくふしん) <A>


功法(こうほう)

 ・心法(しんぽう)玄魔養生功(げんまようじょうこう) 十成(じゅっせい)

 ・心法:魔泉(ません)心法 五成(ごせい)

 ・身法(しんぽう)理智海賢(りちかいけん)神功(しんこう) 六成(ろくせい)

 ・術法(じゅつほう)在魂(ざいこん)大法(だいほう)

 ・外功(がいこう)覇体(はたい)恒星身(こうせいしん) 六成 UP!

 ・魂法(こんほう)明月(めいげつ)錬魂法(れんこんほう) 六成 UP!


 まあ張り切ってとは言ったものの、鑑定すべきものは【覇体恒星身】と【明月錬魂法】のみであり、それ以外の功法はすでに鑑定済みで特に語るべきことも無い。

 ……いや、一応【玄魔養生功】には変化が生じているか。

 周天とそれに対する上昇値は比率が1:1となると、その記載自体が消え去ってしまった。

 これより先の境地は、ただ数をこなすだけでは進歩がなく、気づきや悟りと言った要素が必要不可欠となるのだ。


 うむ、どうせなら【玄魔養生功】の変化から見直していこうか。


〇【玄魔養生功 十成】

 <分類>:心法

 <ランク>:???

 <概要>:呼吸・姿勢・精神を調(ととの)えることを目的とした養生功の一種である心法(しんぽう)。呼吸法により天地の気を導き、四肢百骸(ししひゃくがい)に巡らせ、丹田(たんでん)に蓄積する。

 <効果>:潜在能力向上・ 武骨(ぶこつ)強化・穴道(けつどう)打通(だつう)・肉体浄化・自己回復強化

 <効能>:潜在能力向上(一成) 武骨強化(二成) 穴道打通(けつどうだつう)(四成) 肉体浄化(八成) 自己回復強化(十成)


 このような形で、<効能>の部分には現在の成就(じょうじゅ)で発揮されている効果について記載されるようになった。

 もちろん、成就(じょうじゅ)の段階を経るごとにその効果は増強されており、一成で発現した潜在能力向上の効果も、二成で発現した武骨強化の効果も、十成の成就(じょうじゅ)を遂げた今では、当時のそれと比較にならないほどに強化されている。

 より深く巨大な潜在能力に、そしてより精密かつ頑丈な武骨にと言った感じだな。


 そして、さらに高い成就(じょうじゅ)で発現した能力ほど、その効果が並外れていることは言うまでもない。


 八成の肉体浄化は、肉体のみならず自らの気が届く範囲一帯を浄化し、十成の自己回復強化は、確認した限りであっても、擦過傷や打ち身程度であれば瞬く間に、それなりの骨折であっても一晩あれば全快するほどである。


 この【玄魔養生功】は武骨を完成させると同時に、その完全な肉体を維持することを目的とした功法であるらしく、体内に異物が侵入することを防ぐ能力や、傷を負い不完全となったを肉体を再生する能力も発現したのだ。


 しかし、最初に得た時は初心者向けの功法かと思い、その後は武骨と経脈を鍛える土台作りのための功法だと思っていたのだが、まさか自己治癒能力を持ち合わせるような功法だったとは……。

 これからも本座の躍進を支える大事な柱石となるだろう。


 さらに言えばこの功法は……。いや、これは他の二つの解説が終わってから話すか。


 今回の二つの新功法は、心法ではないためか初めから<効能>の部分に現在の成就(じょうじゅ)で発揮されている効果について記載されているらしい。


 まずは【覇体恒星身】からだ。


〇【覇体恒星身(はたいこうせいしん) 六成】

 <分類>:外功

 <ランク>:???

 <概要>:地脈の気を導き肉体を練磨し覇体を作り上げる。覇体は如何なる刃も弾き、如何なる衝撃も通さず、泰山(たいざん)を動かす膂力(りょりょく)恒星(こうせい)のごとき爆発力を持つ。

 <効果>:肉体強化・不朽金身(ふきゅうきんしん)地殻(ちかく)万力(まんりき)恒星(こうせい)爆力(ばくりき)金剛覇体(こんごうはたい)

 <効能>:肉体強化(一成) 不朽金身(ふきゅうきんしん)(二成) 地殻(ちかく)万力(まんりき)(四成)


 ……うむ、結局我慢できずに現在の限界である六成まで混元値で上げてしまったのだ。【明月錬魂法】も同様にな。

 ただ、これ以上の成就(じょうじゅ)を成すには、何らかの条件を満たす必要があるようで、おそらく玄魔養生功における武骨ランクのようなロックが存在するのだろう。


 【覇体恒星身】は、いわゆる外功に分類される功法である。

 一成で発現する肉体強化では、筋肉や骨格などの肉体自体の強化と、腕力や脚力などの身体能力の強化が行われ、二成の不朽金身(ふきゅうきんしん)は、肉体を金剛不壊(こんごうふえ)の境地まで鍛える事を目的とし、四成の地殻(ちかく)万力(まんりき)は、地を揺るがす程の膂力を得ることを目的としている。


 システム報酬であるこの功法は、当然のようにその肉体改造効果が常軌を逸しており、六成にまで上昇させた時には武骨の進化を凌駕(りょうが)するような衝撃を受け、瞬く間に本座を夢の世界へと連れていった。


 ただそれでいて、八歳のこの身に負担をかけない程度の筋肉の付き方となっているのだから、察するにこの武功のロック解除条件は、年齢あるいは身体の成長と言ったところであろうか?

 いかに肉体を鍛える事を目的としていようとも、過ぎたる筋肉が身体に負荷をもたらし成長を妨げるのは自明の理。

 そう外した予想でも無いと思うのだが、どうであろう?


 まあ、もう一つの新功法に比べればわかりやすい類の功法であるな。


 ちなみに比較的にわかりにくい類の功法の【明月錬魂法】はと言えばこんな感じだ。


〇【明月錬魂法 六成】

 <分類>:魂法

 <ランク>:???

 <概要>:天より舞い降りる日月(じつげつ)精華(せいか)により魂力(こんりき)を強化し天魂(てんこん)を作り上げる。星光(せいこう)を用いて分霊(ぶんれい)を作り出し魂力(こんりき)を強化する。

 <効果>:魂力(こんりき)強化・水晶(すいしょう)鏡魂(きょうこん)・精神浄化・星光(せいこう)分霊(ぶんれい)明月(めいげつ)天魂(てんこん)

 <効能>:魂力(こんりき)強化(一成) 水晶(すいしょう)鏡魂(きょうこん)(二成) 精神浄化(四成)


 見るだけでも分かるのだが、明らかに他の武功とは違うな。

 具体的には体育と数学くらい違う。


 【覇体恒星身】が肉体を鍛えることを目的とした功法であれば、この【明月錬魂法】は、魂力(こんりき)を鍛える事を目的とした功法である。


 他の功法と同じように段階ごとに発揮される効果あり、一成と四成の魂力(こんりき)強化と精神浄化の効果は読んで字のごとく、二成の水晶(すいしょう)鏡魂(きょうこん)は、より純粋でより密度の高い魂力(こんりき)への成長を促すというものである。


 ……であるのだが、この功法を理解するにはまずこの謎を解明しなければならないだろう。


 魂力(こんりき)とはなにか?


 少し前に解説した【黒龍六眼】の【心眼】にて、観測できる内在エネルギーに魂力(こんりき)という記載があったことを覚えているだろうか?

 あの時は、どうせ【明月錬魂法】を解説する際に説明するのだからとスルーしたのだが、そろそろちゃんと説明しよう。

 

〇【魂力(こんりき)

 <解説>:修行者の三つの大道(だいどう)、気・(たい)(こん)のうちの一つである魂が司る力。術道(じゅつどう)の根幹であり、その力は瞳術(どうじゅつ)・幻術・呪術・術法・陣法・錬丹術(れんたんじゅつ)錬器術(れんきじゅつ)など多岐にわたり用いられる。


 この解説を見ただけで新たな疑問がいくつも浮かんでくるが、とりあえず魂力(こんりき)の説明はこの通りだ。


 本座の保有する功法の中でもこの力を利用できるものは【在魂大法】だけであり、未知の力とも言える魂力(こんりき)であるが、同時にそれは術法の類が盛んではないこの俗界において対応できる者が少ないということでもある。

 それ即ち、圧倒的強者と戦う時、あるいは敵の虚をつく時に抜群の効果を発揮することが期待できるということでもあるのだ。

 戦闘時における活用法を思っただけでもこれ程のポテンシャルがあると言うのに、魂力の解説を読み取るにその真価は錬丹術や錬器術などの錬成術にこそ存在する。


 未だ第一位階程度の魂力(こんりき)しか持たぬ本座に、どれ程のことができるのかは定かではないが、これからさらに鍛えていけばとても楽しいことになるのは間違いない。 ……ククッ、楽しみなことだ。


 …………ん? ああ、そういえば説明し忘れていたな。含み笑いを漏らしている場合ではなかったわ。


 武道における境地が存在するように、術道にも魂力(こんりき)の強さにより境地を区分する位階が存在する。

 それぞれを比べてみると第一位階は一流程度、第二位階は絶頂程度、第三位階は超絶頂程度となる。さらに第四位階は化境程度、第五位階は玄境程度、第六位階は生死境程度となる。

 本座が把握している限りでは術道は第九位階まで存在するらしいのだが、第七位階より上にはそれに相当する武道の境地が分からぬ。

 まあ、そのような境地に至った人物がこの俗界にいようはずもなく、とりあえずは放置で良かろう。


 もっと言えば現在本座が把握している武功境地自体が俗界特有のものであり、仙界ではまた別の境地位階を使っているそうなので、あまり真剣に覚える必要はないぞ。だいたいこの位の強さか、と参考にする程度で十分だ。


◇◆◇


 それではそろそろ、なぜ本座がこの欠片も共通点がなさそうな三つの功法を並び立てるかのように扱っている理由を話すとしよう。


 【玄魔養生功】

 【覇体恒星身】

 【明月錬魂法】


 この三つの功法には当然のごとく口訣が存在する。


 魔泉心法にも理智海賢神功にも存在するように、この三つの功法にも当然、口訣が存在するのである。


 これだけであれば、何を今更当然のことを思われるかもしれぬが、重要なのは、この三種の功法の口訣はまったく同じ文言から始まるということだ。


 【玄魔養生功】は『無上大羅 不滅神訣』

 【覇体恒星身】は『無上大羅 覇天神訣』

 【明月錬魂法】は『無上大羅 天衍神訣』


 皆『無上大羅』から始まり、『○○神訣』へと繋がる。

 明らかに何らかの関係があることは一目瞭然であるな。


 さらに此度の解説により判明した、修行者の歩む三つの大道、【気】・【体】・【魂】。


 【玄魔養生功】が【気】。

 【覇体恒星身】が【体】。

 【明月錬魂法】が【魂】。

 であろうか。


 ここまでヒントを散りばめられては、どのような愚か者であってもわかろうというもの。


 この三つの大道すべてが、システムが導く本座の歩むべき道であり、覇道そのものなのだ。


 ………………フッ、フハハハハ! なかなか見事であるな、褒めて遣わす!


 やはりそうだ! そうでなくては!


 すべてにおいて己を示してこその覇者たりえるのだ!


 これより本座は!

 三つの大道は元より!

 武道と術道においてさえ!

 その頂点に君臨して見せようぞ!


◇◆◇


 さて、もうそろそろよかろうか。


 天魔神教開派(かいは)以来、前人未到の偉業を為した。

  

 配下1426名、勢力の基盤は出来た。


 配下300名を天才と言われる領域まで押し上げた指導力も発揮した。


 【気】・【体】・【魂】、本座が進むべき道も見つけた。


 ……もう十分よな。

 本座は待ちくたびれるほどに待った。

 ここからが真の転機よ。


 本座の輝かしき未来よ!

 賑やかなる闘争の日々よ!

 弥栄(いやさか)



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