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【武学総論】見直し<2>

◇◆◇ 天魔神教(てんまじんきょう) 幼魔館(ようまかん)上級洞(じょうきゅうどう) 七号生徒 日月慶雲(じつげつけいうん) ◇◆◇


《【体質・百毒不侵(ひゃくどくふしん)】の進化が完了しました》


《【体質・千毒不侵(せんどくふしん)】を獲得しました》



 喜ばしいことに本座の小細工は期待通りの効果を発揮してくれたようで、購入した【体質・百毒不侵】は無事に【体質・千毒不侵】へと進化した。

 ほかにもレベルを上げた体質もあるため、今一度全体を表示するとしようか。


◇【武学総論(ぶがくそうろん)

混元値(こんげんち):36870


天賦(てんぶ)

 ・天賦:黒龍六眼(こくりゅうりくがん) UP!

 ・天賦 三頭千魔(さんとうせんま)

 ・血脈:天魔血脈(てんまけつみゃく)

 ・武骨:無極之体(むきょくのたい) <SS>

 ・体質:超聴覚(ちょうちょうかく) <A> Lv.3 UP! (4500/25000)

 ・体質:超視覚(ちょうしかく) <A> Lv.3 UP! (0/25000)

 ・体質:超嗅覚(ちょうきゅうかく) <A> Lv.3 UP! (0/25000)

 ・体質:超触覚(ちょうしょっかく) <A> Lv.3 UP! (0/25000)

 ・体質:超味覚(ちょうみかく) <A> Lv.3 UP! (0/25000)

 ・体質:調和之力(ちょうわのちから) <A>

 ・体質:無病長寿(むびょうちょうじゅ) <B>

 ・体質・千毒不侵(せんどくふしん) <A> NEW!


功法(こうほう)

 ・心法(しんぽう)玄魔養生功(げんまようじょうこう) 十成(じゅっせい)

 ・心法:魔泉(ません)心法 五成(ごせい)

 ・身法(しんぽう)理智海賢(りちかいけん)神功(しんこう) 六成(ろくせい)

 ・術法(じゅつほう)在魂(ざいこん)大法(だいほう)

 ・外功(がいこう)覇体(はたい)恒星身(こうせいしん) 四成(よんせい) UP!

 ・魂法(こんほう)明月(めいげつ)錬魂法(れんこんほう) 四成 UP!


 …………ふむ、もしや気づいてしまったかな?


 【外功・覇体恒星身】と【魂法・明月錬魂法】が共に四成に上がってしまっていることに。


 いやまあ、実はそうなのだ。昨日は色々と言い訳を並べてみたのは良いが、結局のところ、見直し自体を早めに切り上げた真の理由は、新たな功法への興味が抑えきれなかったからというだけであった。


 本座のその傾倒具合は、一晩で四成に達した事からも感じ取れよう。

 いかに無極之体の資質が優れ、更に異なる功法の同時修練が可能とはいえ、玄魔養生功を初めて運気した時を思えば、一晩にしてこの成果は驚愕の一言である。

 武侠小説の世界で武骨が重要視される理由が分かるというものだ。


 ……まあ、あれだ。新たな功法を試すことで、自らの資質の向上を検証したのだ。それを思えばこれも武学見直しの範疇よ、…………許せ。


 さて、では気を取り直して【武学総論】の【天賦】から見直してみようではないか。


 まずは、さりげなく新たな能力が解放されている【黒龍六眼】からだ。


〇【黒龍六眼(こくりゅうりくがん)

<分類>:天賦(てんぶ)

<概要>:天魔神教に影響を与えた拝火教(ゾロアスター教)において、あらゆる悪の根源と恐れられる龍・【アジ・ダハーカ】は三つの頭と六つの眼を持ち、千の魔術を行使したとされる。その六つの眼は千の魔術を扱うための膨大な知識を与えた。

<効果>:1.鑑定眼(かんていがん) 2.解析眼(かいせきがん) 3.計略看破(けいりゃくかんぱ) 4.心眼(しんがん) 5.***(封印状態) 6.***(封印状態)


〇【心眼(しんがん)

<解説>:この世に満ちるエネルギーを観測する力。内功(ないこう)魂力(こんりき)などの生物・無機物に内在するエネルギーも観測できる。


 この能力の有用性は今更語るまでもないな。


 ……もちろん、語るまでもなくとも説明はするのだが。

 ここで終わっては、何のための見直しかという話になってしまうからな。


 この能力の最大の利点の一つとして最初に挙げられるのは、生物の内在エネルギーの観測が可能であるという点であることに間違いない。


 まず大前提として、ある程度の境地に至った武人であれば、相手の保有する内功を感知することは可能であり、この【心眼】の能力と似たようなことができると言っても過言ではない。

 であれば【心眼】は、強くなれば誰でもできるような、何の意味もない能力ではないかとツッコミが入りそうなものだが、似たようなことができるとということは、まったく同じことができるという意味では決してないのだ。


 【心眼】の能力は感知ではなく観測。


 その能力は対象者の内功の量だけに限らず、内功の動きそのものを詳細に理解できるというものである。

 すなわち、この能力が真価を発揮するのは他者の武功の模倣であり、それが内功心法の運気調息であろうと、剣法や刀法の運気要訣であろうと、その内功の動きは一目瞭然となるのだ。


 以前語ったことがあったと思うのだが、【在魂大法(ざいこんだいほう)】で武器に宿る記憶を読み取り、かつての達人たちの武功を手に入れるという計画……というか思い付きを覚えているだろうか?

 実は【在魂大法】の練度は、あのアイデアを実行できる程度までに習熟しており、計画は既に実行に移されている。


 ではなぜ(いま)だに、剣法や刀法などの武功を欠片も会得していないかというと、その理由は二つある。

 一つは、本座に武功に関する基礎の基礎がないこと。もう一つは武器の記憶に残るほどの武功は神功絶学(しんこうぜつがく)に分類され、運気要訣(うんきようけつ)が必要不可欠であるからだ。


 これまでの【在魂大法】による記憶の精査では、【黒龍六眼】の【解析眼】を使用していたのだが、すべての術理(じゅつり)を暴くその眼を以てしても、武功に関する基礎がない以上、漠然と凄い動きをしているとしか理解できず、さらに形だけでも招式(しょうしき)を真似ようとすれば、運気要訣の不足により動きがつながらず不自然極まる型となってしまう。


 今後【心眼】の能力は、【解析眼】とともにいわゆる()()()のために使われることになっていくだろう。


 ……ああ、無機物の内在エネルギーの観測?

 …………いや、まあ【鑑定眼】があるから物品の品質を見分けるという意味では不要だな。


 次は、感覚強化系体質の【体質・超〇覚】系統を一気に表示させるとしよう。これは概要と効果に大体の説明が書いてあるから巻いていこう。


○【超聴覚(ちょうちょうかく) Lv.3】

 <分類>:体質

 <ランク>:A

 <概要>:極めて鋭敏かつ超高性能な聴覚。

 <効果>:半径50メートル以内のどんな些細な音も聞き漏らさない。肉体や精神に害を及ぼす大音量や低周波・高周波の音波を遮断する。


○【超視覚(ちょうしかく) Lv.3】

 <分類>:体質

 <ランク>:A

 <概要>:極めて鋭敏かつ超高性能な視覚。

 <効果>:視覚能力を著しく強化し、可視光の波長範囲を極めて拡大させる。遮断性の低い物質を透視する。閃光、粉塵、毒物などの外的要因から視覚を守る。


○【超嗅覚(ちょうきゅうかく) Lv.3】

 <分類>:体質

 <ランク>:A

 <概要>:極めて鋭敏かつ超高性能な嗅覚および気道。

 <効果>:常人の2万倍鋭敏な嗅覚。体臭を感知する事で、体調、精神状態、生活情報を見抜く。刺激臭や粉塵、毒煙などの外的要因から嗅覚・気道を守る。


○【超触覚(ちょうしょっかく) Lv.3】

 <分類>:体質

 <ランク>:A

 <概要>:極めて鋭敏かつ超高性能な触覚。

 <効果>:半径50m以内の物体運動、空気振動、放射熱、生体電流を感知する。鈍痛・鋭痛・熱傷による痛みなど、あらゆる痛覚刺激は情報として処理される。


○【超味覚(ちょうみかく) Lv.3】

 <分類>:体質

 <ランク>:A

 <概要>:極めて鋭敏かつ超高性能な味覚と消化器官。

 <効果>:50万リットルの水に溶けた1gの砂糖の味を判別できる。薬剤を含め、服用した物質の消化吸収を超高速化する。酸性、アルカリ性、辛味成分、毒物などのあらゆる刺激から口内・消化器官を守る。体内に侵入した毒性生物、寄生虫、蠱毒を排除する。


 基本的に記載の通りであり、特に付け加えるようなことは無い。

 無いが、やっぱりそれでは見直しの意味がないので、一応簡単な説明はしておくか。


 感覚強化系体質に属する【体質・超〇覚】系統すべての能力は、その対象となる感覚の著しい強化と、その対象となる感覚への防護能力を例外なく持ち合わせている。

 各々の感覚強化の傾向自体それぞれであるが、強化と防護は統一されているらしい。

 ……なにより感覚過敏が一番恐ろしいということだろうか?

 茶化したような言い方かもしれぬが、少なくとも強化された感覚に強烈な刺激を与えることは深刻なダメージにつながりかねん。重要なことだ。


 重要と言えば、何気に【体質・超嗅覚】と【体質・超味覚】において、気道と消化器官まで含めて防護対象となっていることに気づいただろうか? この気道は、武侠小説における経脈的な意味ではなく、肺や気管支などの呼吸器系のことだ。


 ……正直に言うのであれば、最初に五感すべての超感覚を手に入れるべく、既に保有していた【体質・超聴覚】以外の強化感覚を購入した時には、視覚や嗅覚、触覚ならばともかく、味覚など強化してなんの役に立つのかと思ったものである。しかく、Aランク体質まで進化してみれば、霊薬や丹薬などの吸収力を高め、消化器官を保護するような超有用な体質に化けてしまった。


 これには本座も大いに驚いたものだな。やはり先入観とは自らに刃を向けるに等しい。魔泉心法五成の件もあれば、特に気をつけていかねばなるまい。


 ……ん? 疑問に思っていたのであればなぜ購入したのかだと?

 ……察している者もいようが、【蓬莱商店】にて聴覚以外の強化感覚がまとめ売りでオススメとされていたからに他ならぬ。先日の【洗髄丹】のまとめ売りと同じことよ。他の強化感覚三つ分の価格で四つ目も手に入るのであれば、当然まとめて購入するに決まっておろう。


 さて次は【天賦】系の最後の確認対象にして、此度小細工が成功し獲得した【体質・千毒不侵】である。

 どうせなので、ついでに【体質・百毒不侵】の鑑定結果も並べて表示させてやろう。


○【百毒不侵(ひゃくどくふしん)

 <分類>:体質

 <ランク>:B

 <概要>:一般的な毒への耐性を持つ。大抵の毒は効果がない。この耐性を突破できる毒は伝説級の代物。

 <効果>:毒耐性(百毒) 毒・内功化(毒功習得時)


○【千毒不侵(せんどくふしん)

 <分類>:体質

 <ランク>:A

 <概要>:あらゆる毒への耐性を持つ。ほとんどの毒は効果がない。この耐性を突破できる毒は神話級の代物。

 <効果>:毒耐性(千毒) 毒・内功化(毒功習得時)


 この百毒・千毒という言葉は、別に百種あるいは千種の毒という意味ではない。


 いわゆる八百万(やおよろず)などの形容詞と同様に、とても沢山のという意味であり、百毒・千毒・萬毒(ばんどく)という形容詞の違いは、そのまま毒耐性の強さの違いと理解して構わぬ。

 故に大体概要通りの体質であり、これも特に語るべきことはないな。


 そういえば、この系統の体質に関してはとくにレベルというものが存在しないらしい。

 【調和之力】や【無病長寿】といった体質や【天魔血脈】のような血脈など、他の天賦にも存在しないため、何らかの別の法則があるものと思われるのだが……まあ、分類方法がわかったところで意味などない。このようなことは考えても栓無きことよ。


 以上で【武学総論】の【天賦】編の見直しは終わりだ。


 しかし数だけであれば、我が従妹・麻夢蝶(まむちょう)の天賦を超えたのだが、実質的な能力や資質はおそらく足元にも届いておらんな。

 やはりこれからも精進あるのみ。


 とりあえず【黒龍六眼】の持つ能力の完全解放を目標にしていこうか。

 あるいは体質や武骨だけでなく、天賦や血脈も購入していこうか。


 まだまだ先は長い。


リザルト

混元値 36870(前回)


日々修練+20


計 +20


【外功・覇体恒星身】四成→六成 -1500

【魂法・明月錬魂法】四成→六成 -1500


計 -3000


混元値 33890


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