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【武学総論】見直し<1>+α

◇◆◇ 天魔神教(てんまじんきょう) 幼魔館(ようまかん)上級洞(じょうきゅうどう) 七号生徒 日月慶雲(じつげつけいうん) ◇◆◇


《【秘匿試練①・武功下賜(ぶこうかし)】が達成されました。【秘匿試練②・丹薬下賜】が達成されました。【秘匿試練③・千人臣下】が達成されました。【秘匿試練④・君主自覚】が達成されました》


《報酬が付与されます》


《『混元値(こんげんち)』を30000を獲得しました。【外功(がいこう)覇体(はたい)恒星身(こうせいしん)】を獲得しました。【魂法(こんほう)明月(めいげつ)錬魂法(れんこんほう)】を獲得しました。【丹薬(たんやく)天毒(てんどく)龍丹(りゅうたん)】を獲得しました》


《【秘匿試練①②③④】すべての条件が達成されました。システム項目【***(未開放)】が解放されます》


《システム項目【臣下共進(しんかきょうしん)】が解放されました》


《おめでとうございます。すべての項目が解放されました。全項目解放報酬が付与されます》


《【稀物(きぶつ)・神獣之卵】を獲得しました》



 潜魔館(せんまかん)入館まであと3日。


 臣下への魔泉(ません)心法(しんぽう)の講義は無事終了し、四成の成就(じょうじゅ)を成し遂げた者は、以前の予想である100名を遥かに超え300名に迫っている。順調に推移すれば、残りの数日で300名は確実に超えるだろう。


 以前話したように、この幼魔館卒業時には魔泉心法の境地により褒賞が授与される。この人数の四成成就達成者は、幼魔館設立以来と言っても過言では無い。

 本座も講義した甲斐があるというものだ。なかなかの成果よ。


 そして当然ながら、当初の予測から急激に増えた200名近い四成成就達成者への褒賞が、事前に用意されていようはずもない。


 今この瞬間も、幼魔館管理者たちの悲鳴とうめき声が聞こえてくるようであるが、その声は天魔(てんま)神教(じんきょう)に素晴らしい人材たちが生まれたことへの歓声であることに間違いないので、彼らをデスマーチに叩き込んだことに関しては、特に反省もしていないし罪悪感の類も存在しない。

 むしろ、排出する人材の質を著しく向上させたのだ。礼を言われても良いくらいであろう。


 ……だから洞主(どうしゅ)と専任教官衆よ、恨めしそうにこっち見るでないわ。それは逆恨みと言うものだぞ。

 『予算が……』などと呟かれても本座にはどうしようもないのだ。さっさと上役にでも報告して、臨時予算でも出してもらえ。


◇◆◇


 さて本日の予定は、先日の白刻影の意見具申を取り上げて武学見直しとなっている。


 さっそく確認を……と言いたいところであるが、まずは予期せぬ【秘匿試練】とやらで解放された新項目、【臣下共進】の検証から始めるとしよう。ついでに今回得た丹薬と神獣之卵とやらの鑑定も。

 こういう不意に生じた問題を後に残さない主義なのだ。


◇【臣下共進】

・臣下一覧(1426)

 ・(はく)刻影(こくえい)

 ・()厳白(げんぱく)

 ・etc...

・簡易機構

 ・自己状態確認

 ・日々修練

 ・蓬莱小売店

 ・簡易倉庫

・献上還元

 ・獲得還元

 ・消費還元


 この【臣下共進】の項目には大きく分けて三つの機能が存在するらしい。

 一つ目は、【臣下共進】の対象者を確認する【臣下一覧】。

 二つ目は、対象者に覇君(はくん)賢王(けんおう)システムの簡易版を付与する【簡易機構】。

 三つ目は、【簡易機構】で付与された対象者が、日々修練と蓬莱小売店で獲得・消費した混元値の10%を主君である本座に還元する【献上還元】である。


 本来であれば一つ一つのカテゴリを紹介していくのが筋であるが、流石に面倒……否、本日の予定である武学見直しの主旨から外れて過ぎてしまう。

 ……別にカテゴリごとに詳しく説明せずとも大体は見れば理解出来よう?


 というわけで臣下一覧の中から、以前から匂わせていた傑出した2名のみ紹介して良しとしよう。

 この本座の両腕とも言える2人は、5日前に【洗髄高丹(せんずいこうたん)】を与えた者たちであり、元々Bランクの武骨を保有していた英才である。玄魔(げんま)養生功(ようじょうこう)も八成に至っている。


◇【(はく)刻影(こくえい)

・種族:人族

・身分:幼魔訓練生

・地位:潜魔

・境地:一流

<天賦>武骨:四象之体(しぞうのたい)

    血脈:暗霊(あんれい)血脈

<功法>心法:魔泉(ません)心法 四成

    心法:玄魔養生功 八成


〇詳細情報を閲覧する YES/NO


 まずはこの男。

 皆も知っていよう、百八号生徒こと白刻影だ。


 今でこそ武骨が進化しAランク武骨である【四象之体】を保有しているが、元々はBランク武骨である【三才之体(さんさいのたい)】の持ち主であった。


 その家門は、始天魔(してんま)に付き従った七魔(しちま)の一人、暗魔(あんま)こと暗霊魔尊(まそん)を祖とする白家(はくけ)であり、母親同様に【暗霊血脈】が覚醒している。

 まあ典型的な名家の子女、優れた武骨と体質を持って生まれたサラブレッドだ。


 この幼魔館では一番初めに声をかけた相手であり、本座の第一の臣下であると同時に右腕と言える男だな。

 一応、以前より面識がある相手ではあったのだが、幼魔館の禁制(きんせい)により日月宮に来ていた記憶も忘れさせられている。


 まあ、むしろ禁制により記憶を封じられているからこそ、現在の献身も母を真似てということは無く、(れっき)とした自己の判断によるものであることもわかる。

 ……たまにこちらの話を聞かぬところは玉に瑕であるが、その忠誠心は疑うところがない。


◇【()厳白(げんぱく)

・種族:人族

・身分:幼魔訓練生

・地位:潜魔

・境地:一流

<天賦>武骨:四象之体(しぞうのたい)

    血脈:白虎(びゃっこ)血脈(けつみゃく)

<功法>心法:魔泉(ません)心法 四成

    心法:玄魔養生功 八成


〇詳細情報を閲覧する YES/NO


 この男は九六六番生徒こと、()厳白(げんぱく)


 現在幼魔館上級洞に在籍する同年代の者たちの中で、唯一白刻影と並ぶBランクの武骨を保有していたため二番目に勧誘した人材だ。

 現在は白刻影に並ぶ我が左腕である。


 ただ正直なところ、武骨ランクが同じであっても【暗霊血脈】を有する白刻影の方が、魔泉心法と玄魔養生功の双方でその進歩と成就は先んじることが多かった。

 故にこれまで我が片腕でありながら、後塵を拝し続けていたのであるが、これからはそれも変わることになるかもしれぬ。


白虎(びゃっこ)血脈(けつみゃく)

 <分類>:血脈

 <概要>:神獣・白虎の血脈。限りなく薄まった血脈を覚醒させた者に発現する。

 <効果>:親和性【五行:金】獲得・拳法適性上昇・脚法適性上昇・爪法適性上昇・掌法適性上昇・外功適性上昇


 この白虎(びゃっこ)血脈(けつみゃく)は、つい先日まで影も形もなかった代物だ。


 おそらく、武骨進化のための【洗髄高丹】の【潜在開花(確率・弱)】がその血脈の覚醒を促したのだろうが、なかなかに望外の喜びと言える。

 流石は本座の左腕よ、これからも頑張って欲しいものだ。


 ……ククッ、臣下の数は千名を優に超えている。【洗髄丹】を与えた方でも予想外の潜在能力が開花していることも十分に考えられようし、更なる武骨の進化の為にこれからも【洗髄丹】系統の丹薬を服用することになるのは間違いない。先の楽しみが大いに増えたわ。


 ……それにしてもあれだな。

 やはりまだまだ子供と言うべきか、1426名全員が本座の臣下になるとは本当にチョロ……純粋だな。


 だがそういえば、我が従妹・麻夢蝶には玄魔養生功を伝授し、霊薬である空清石乳も与えているのだが、臣下一覧に載っていないのはどういうことであろうか? 

 やはり忠誠を誓わねばならぬのか……あるいは更に別の条件でも存在するのかな?

 現状では考えてわかることではないが、彼女にシステムを付与できるのであればそれに越したことは無い。

 また少し検証してみるとしよう。


 次は【天毒龍丹】と【神獣之卵】だ。

 此度の【秘匿試練】で得た、残りの功法の類は武学見直しの時にでもまとめて語る故、そちらは今少し待つがよい。


〇【天毒てんどく龍丹(りゅうたん)

<分類>:丹薬

<ランク>:伝説級

<概要>:数々の毒薬を混和させた丹薬。全ての毒性が相殺されつつも高め合い、服用者の内功(ないこう)を増大させる。適正により毒耐性も獲得可能。

<効果>:【内功(ないこう)・30年】【毒耐性強化】


〇【神獣之卵】

<分類>:稀物(きぶつ)

<ランク>:***

<概要>:神獣族である**が宿る卵。


 ……文字化けと簡易すぎる説明で、鑑定がまるで役に立たない【神獣之卵】はとりあえず置いておくとして、【天毒龍丹】の方は中々に興味深いな。


 現在の本座の毒耐性は【日々修練・対毒修練】により、ステータスに表示されるほどでは無いが、水面下で確実に向上している。

 【体質・無病長寿】の効果もある故、恐らく【体質・百毒不侵(ひゃくどくふしん)】を獲得する日もそう遠くないだろう。


 それを思えば此度の【天毒龍丹】は正に渡りに船。

 確実に【体質・百毒不侵】を得るチャンスとも言えるのだが……伝説級の丹薬でそれは少々勿体ないよな?

 少し小細工をするとしよう。上手く行けばより強力な体質である【千毒不侵(せんどくふしん)】を獲得できるかもしれぬ。


《【体質・百毒不侵】を購入しました》


◇◆◇


 さて、そろそろ本題に移るとしよう。

 久方ぶりの【武学総論】だ。


 本座はそれなりの頻度で確認しておるが、皆の前で表示させるのはいつぶりであったかな?


◇【武学総論】

混元値(こんげんち):42270


天賦(てんぶ)

 ・天賦:黒龍六眼(こくりゅうりくがん) UP!

 ・天賦 三頭千魔(さんとうせんま)

 ・血脈:天魔血脈(てんまけつみゃく)

 ・武骨:無極之体(むきょくのたい) <SS>

 ・体質:超聴覚(ちょうちょうかく) <A> Lv.3 UP! (4500/25000)

 ・体質:超視覚(ちょうしかく) <A> Lv.2 UP! (4000/5000)

 ・体質:超嗅覚(ちょうきゅうかく) <A> Lv.2 UP! (4000/5000)

 ・体質:超触覚(ちょうしょっかく) <A> Lv.2 UP! (4000/5000)

 ・体質:超味覚(ちょうみかく) <A> Lv.2 UP! (4000/5000)

 ・体質:調和之力(ちょうわのちから) <A>

 ・体質:無病長寿(むびょうちょうじゅ) <B>

 ・体質・百毒不侵(ひゃくどくふしん) <B> NEW!


功法(こうほう)

 ・心法(しんぽう)玄魔養生功(げんまようじょうこう) 十成(じゅっせい)

 ・心法:魔泉(ません)心法 五成(ごせい) UP!

 ・身法(しんぽう)理智海賢(りちかいけん)神功(しんこう) 六成(ろくせい)

 ・術法(じゅつほう)在魂(ざいこん)大法(だいほう)

 ・外功(がいこう)覇体(はたい)恒星身(こうせいしん) 一成(いっせい) NEW!

 ・魂法(こんほう)明月(めいげつ)錬魂法(れんこんほう) 一成 NEW!


 以前見せた時は、本座が2歳になったばかりの頃なれば、今日から6年前ほど前の出来事であるか。

 この6年で天賦も功法も、数・質共に随分と豪華になった。

 とりあえず以前鑑定した時から変化がないものは省いて確認していくとしよう。


 ……明日からな。


 先程の小細工が成果を発揮したならば、【体質・百毒不侵】が進化するはずであるし、鑑定もそれが終わってからでよかろう。


 いや別に、言い訳などではないのだが【臣下共進】の検証にいささか時間を使い過ぎた上、本日の【日々修練】が割と時間のかかるものであったし、さらに言えば洞主たちの愚痴……追及にもかなり時間が取られてしまったのだ。


 どちらにせよ、今回得た丹薬はさっさと吸収するつもりであったし、新たに得た功法も一度も試さずに鑑定結果だけ見て武学見直しだとか言うつもりもない。


 ついでにあと少しでレベルアップする体質も上げておくから、今日はここまででよし。

 ……明日こそはやるから。マジで。


《【体質・超視覚】Lv.2→Lv.3に強化されました。【体質・超嗅覚】Lv.2→Lv.3に強化されました。【体質・超触覚】Lv.2→Lv.3に強化されました。【体質・超味覚】Lv.2→Lv.3に強化されました》


《【丹薬・天毒龍丹】を摂取しました。【内功(ないこう)・30年】を獲得しました》


《毒耐性の獲得を試みます。……【体質・百毒不侵】を確認しました。【体質・無病長寿】を確認しました。混元値1500を確認しました》


《【体質・百毒不侵】の進化が可能です。進化しますか? YES/NO》



リザルト

混元値 12390(前回)


日々修練+100

秘匿試練+30000


計 +30100


【体質・百毒不侵】-120

【体質・超視覚】-1000

【体質・超嗅覚】-1000

【体質・超触覚】-1000

【体質・超味覚】-1000

【体質・千毒不侵】-1500


計 -5620


混元値 36870


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