表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。

置いていかないで

作者: ︎冬
掲載日:2023/03/25





ぼくのお母さんとお父さんは、せけんいっぱんのお母さんとお父さんとちがう


テレビでぼくと同じようなかていの子は「かわいそう」と言われていた


どうやら、ぼくのかていは「かわいそう」らしい


お金にかんしては、いっぱんてきなかていぐらいあった


だけど、愛情はもらえなかった


お父さんとお母さんはダブルふりんをしている


お父さんは、朝まで女の人と遊び歩き家に帰って来ない


お母さんは、薬物いぞんしょうでうわき相手も薬物いぞんしょうだった


ぼくは、"お父さんとうわき相手の間に出来た子"


産まれた時からぼくには、そのレッテルがはられていた


お母さんには、きらわれてた、だから、なぐらたりけられたりしてた


血のつながってたお父さんも、ぼくを、なぐってけって外に放り出す


ぼくなんか、産まれてこなきゃよかった


今日まで何回も思った


ちがう、何回もじゃない


何千回も思った


ぼくは、小学一年生のころから、もうきょくどの死にたがりになっていた


けど、そんなぼくを毎回救ってくれたのが、3人のお兄ちゃん達だった


けど、そんなお兄ちゃんも6年前に天使になった


お兄ちゃんは、自分から望んで天使になった


お兄ちゃんが天使になった理由は、あまりくわしくは、知らないけど


他のお兄ちゃん達が言うには、人間かんけいがどうのこうのって言ってた


ぼくはまだ9さいだから、そういうのは分からない


お兄ちゃんが天使になって1年後の夏に、ぼくは、心ぞうびょうになった


お医者さんがお兄ちゃん達に、なんだかしんけんな顔で話していたのを


ぼくはだまって見てたんだ


当時10さいのぼくでも分かった


ぼくのせいで大量のお金が必要だと言う事が


お兄ちゃん達にこんなめいわくをかけるなら、ぼくは、手じゅつなんてしなくていい


ぼくは、お兄ちゃん達に泣きながらそう言った


でも、お兄ちゃん達は笑ってぼくの頭なでてくれたんだ


「お前がお金の心配なんてするな


お兄ちゃん達は、お金持ちだから大丈夫だ」と言いながら


その時は、なんでお兄ちゃん達がお金持ちだったのかは、分からなかった


けど、1回目の手じゅつが終わってから教えてもらった


「お兄ちゃん達はな、ホストと言って、女の人を喜ばせてお金を貰う仕事をしているんだ


俺達のお兄ちゃんもそうだったんだぞ」


「え!お兄ちゃんも!」


「そうだぞ。俺達のお兄ちゃんは、なんばーわんだったんだぞ。1番だぞ、すげぇだろ!」


「ええ!すごい!お兄ちゃん達も1番なの?」


「お兄ちゃん達は、同じお店ではたらいているから、お兄ちゃん達は、1番と2番だ」


「そうなんだ!お兄ちゃん達は、すごいね!」


ぼくのお兄ちゃん達は、すごかった


本当にすごすぎてぼくはその時かられっとうかんを覚えていた


時は進み、中学一年生


お兄ちゃん達と自分を勝手に比べていた僕は、死ぬ気で頑張った


テストでは、いつも400点代を取って、英検も漢検も飛び級で2級と準2級を取った


成績も4と5だけで埋めた


僕の努力は、ちゃんと現れてお兄ちゃん達にも褒められた


その一方で僕は、精神的にも身体的にも負担をかけすぎてしまった


その事から沢山の精神障害を患わった


保育園から持っていた愛着障害


小学四年生に患わったパニック障害とPTSD


小学五年生で患わった躁鬱と極度の不安障害とOD


中学一年生で患わった総合失調症


こんな僕が居たらお兄ちゃん達に汚点がつく


そう思った僕は死のうとした


けれど、お兄ちゃん達は止めた


「生きてて欲しい」と言って


勝手にお兄ちゃん達と自分を比べて張り合っていたのが馬鹿らしくなった


中学一年生の冬から僕は学校にあまり行かなくなった


中学の勉強は三年生まで分かってたし、学校に行く意味も無くなったから、テストの日以外は行かなくなった


僕はテストの日以外は、援交、P活か友達と遊んでいた


夜も寝れないので友達とはしゃいだりお兄ちゃん達に貢いでたりした


こんな不健康な生活を続けていくうちに持病の心臓病が悪化した


この頃、僕は付き合っていた人が居た


僕は、この手術で死んでしまうかもしれない


恋人に迷惑は、かけられない


そう思った僕は、病気の事を打ち明けその人と別れた


僕が「心臓病になった」「手術をする」と絡んでいた人達に打ち明けた


僕は、その人達と離れる覚悟で言った


でも、その人達は僕の手術の成功を祈ってくれた


本当に嬉しかった


けれど、その人達とはもう絡んでいない


僕は、中学二年生になった


お兄ちゃん達が始業式には、出ておいでと言うので行った


そこでAと会った


Aは、僕が幼なじみ達と先輩達と絡むのがどうやら嫌らしい


僕は、幼なじみだし絡んでもいいと思っていた


先輩達もAには、言ってないが幼なじみだから絡むのは、いいと思っていた


けれど、Aは僕が中心に居るのがどうやら気に食わなかったようだった


僕は、その日からAに目をつけられた


と言っても僕は、テストの日しか来ないので虐められるとかは無かった


そう思っていた


僕がテストを受けに学校に行くと幼なじみ達と先輩達以外が


僕を見ながら何やらヒソヒソと話していた


皆は、軽蔑の目で僕を見ていた


僕は、その日早退した


後から先輩達に聞いた話では、Aが僕の跡を尾け援交やP活の事を話したらしい


僕自身している事が悪い事だと分かっていた


けれど、生きていくにはお金が必要だった


僕は、この事態の元凶、Aに謝って欲しくて学校まで行った


お兄ちゃん達に送って貰って、元気を貰った


僕は、頑張ってAに謝ってと言った


けれどAは僕の言葉なんか聞いていなかった


Aが僕に聞いてきた


「あのイケメンは誰」とAは僕のお兄ちゃん達にも目をつけた


僕は、Aにお兄ちゃん達を紹介したくなかった


僕が拒否した事でAの怒りが爆発し、その日から僕は、Aに虐められる事になった


AのLINEは元々持っていた、だからAは毎日毎日僕に暴言を送り続けた


「デブ」「ブス」「死ね」「お前なんか価値無し」


ブロックしても良かったが後が怖くて出来なかった


そんな文面での暴言を見ていく内に僕は拒食症と醜形恐怖症になった


「デブ」と言われたが当時の僕の体重は平均より下だった


でも、僕はずっと太っていると思いこんでいる


僕の拒食症は、今も続いている


僕の身長は152cm体重は、危険域の20kg代


多分僕は、これからも痩せ続けていくだろう


「ブス」自分がブスな事ぐらい自覚している


お兄ちゃん達は僕の顔を褒めてくれる


お世辞だと分かっているけど嬉しかった


けれど、実際に鏡を見てみるとそこに映っているのは可愛い子じゃない


「ただの下の下のデブス」が映ってるだけ


メイクをしてみても「下の中のブス」


加工してもまだ「下の中のブス」


今まで自分の顔を映した鏡を何枚割ってきたかも分からない


僕は、そのぐらい自分の顔が大っ嫌いだ


可愛いと言ってくれた人も居た


けれど、お世辞だろうな


だって言われて自信持って鏡を見ても「ブス」が映っているだけなんだから


こんなことが続き僕の身体は日に日に傷だらけになっていった


小学五年生からしてる自傷癖とODが重なり、心臓病がまた悪化した


僕は今まで心臓のドナーが居なかった


だからこれまでは血流を良くし薬で補っていた


けれど、もう補えない


そんな所にドナーが見つかった


お兄ちゃん達は喜んだ、僕も勿論嬉しかった


けれど、それと同時に生きたくないのにドナーの心臓を使ってもいいのか


僕より生きたい人が使うのがいい案なんじゃないか


僕は、お金の面もあるので、ひとりで抱えきれずお兄ちゃん達に気持ちを全部言った


お兄ちゃん達は、僕に1枚の紙を渡した


僕は中身を見て驚いた


中身は、死んだお兄ちゃんの字だった


「俺の分まで幸せに。


もし生きたくないのなら、中学三年生までは生きろ」


そう書いてあった


お兄ちゃん達も「俺達のお兄ちゃんは、死に際、俺達にこう言った。


お前に中学三年生までは生きさせろ。何かあったら俺達がお前を守ってやれ、と。」


「お前が学校に行きたくないなら、行かなくていい。好きな事して生きればいい。


けどな、中学三年生までは生きろ。それがお兄ちゃんの願いだから。


辛いことがあれば、俺達、お兄ちゃんが助けてやるから」


そう言ってお兄ちゃん達は頭を撫でてくれた


僕は泣きながら、死んだお兄ちゃんの願いを叶える為、手術に挑んだ


5月9日、僕は手術を受けた


手術は無事成功した


お兄ちゃん達は、泣いて喜んでくれた


死んだお兄ちゃんにも「手術、成功したよ」と報告しに行った


僕は、中学三年生で迎える15回目の誕生日に、自ら死んだお兄ちゃんの元へ行く事を決めた


でも、まだお兄ちゃん達には言わない


直前になってから言う


それまでは、楽しく生きた


恋人とは別れたがお兄ちゃん達が居たからもう良かった


死ぬ寸前まで援交やP活はやりたくなかったので辞めた


残った僕の貯金は、お兄ちゃん達に貢いだ


8月5日、僕は1人で海に行った


海に潜ったり踊ったり1人で黄昏たりしていた


その日は、海辺で寝た


死んだお兄ちゃんの夢を見た


夢の内容は、僕と死んだお兄ちゃんと他のお兄ちゃん達が、海ではしゃいで昔の様に仲良く遊んでる夢


こんなことをしながら生きてると誕生日の前日になった


誕生日の前日、僕はお兄ちゃん達に死ぬ事を話した


お兄ちゃん達は、一緒に死んでくれると言った


その日は、僕の誕生日パーティをして誕生日を4人で迎えた


僕は今日、お兄ちゃん達と死ぬ


お兄ちゃん達が死ぬから死ぬんじゃない


自ら望んで死んだお兄ちゃんと一緒の方法で死ぬんだ


お兄ちゃん達には、前日に話した


お兄ちゃん達も一緒に死ぬと昨日言ってくれた


お兄ちゃん達は、もう僕をひとりにしないと言った


「ねぇ、お兄ちゃん達、もうぼくを置いてかないでね」


なんて言って僕とお兄ちゃん達は、ロープに首を掛けた


ああ、やっと死ねる、そう思った瞬間ロープが切れた


ロープが切れたと同時につい先程まで隣に居たお兄ちゃん達が消えた


僕が混乱していると白衣をきた男性がやって来た


「あぁ、やっと目が覚めたのですね。


貴方が今まで何を見て、何を感じていたのかは分かりませんが


今まで貴方が見てきたものは、全部現実ではなく、貴方の幻覚です」


突然の言葉の爆弾に僕は理解出来ずにいた


何処から何処までが幻覚で何処から何処までが現実なの?


もしかして、ここも僕が現実と思い込んでいるだけの幻覚?


お兄ちゃん達は、僕の幻覚の世界だけでしか生きてなかったの?


それとも本当に実在していたの?


三人とも?それとも先に死んだ一人だけ?


昔、ケーキを4人で食べたのは、幻覚?


幻覚なら、誰が僕の診療代を払っていたの?


パーティーも幻覚?


先に死んだお兄ちゃんの手紙は現実?


僕は、現実と幻覚の区別さえももうつかなくなっていた


どのお兄ちゃんが本当に生きていたのか


どのお兄ちゃんが僕が創り出した幻覚なのか


昔の思い出も全部僕が創り出した幻覚だったのか


僕は、しばらく考え込んだが、事実が分からないので医師に聞いてみることにした


「僕のお兄ちゃん達は、何処にいるの。」


僕は、医師から出る言葉が怖かった


もしかしたら、昔の思い出が幻覚なのかもしれない


もしかしたら、あのお兄ちゃん達は、先に死んだお兄ちゃんが創り出してくれたのかもしれない


そう考えていた僕に医師は困ったような顔でこう告げた


「貴方に、兄は居ませんが。」


え...?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ