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超記憶レオの魔導書蒐(あつ)め  作者: かず@神戸トア
レオは潜入する準男爵

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1つ目の街マントーネ2

結局、攻め手側は誰も怪我をすることなく、守り手側も突撃して来た騎兵100騎の何人かが死亡しただけで、マントーネはクーデター軍により解放されることになった。

街と主街道の間に設置された陣営も、主な向きを北側にして王都からの軍勢へ備えるように組み替える。その上で、スクゥーレ達幹部が街に入ると、まるで凱旋パレードのように住民たちから歓声がわく。

「皆様、解放をありがとうございました!」

「スクゥーレ様!どうか早く国王になって立て直してください!」

という歓迎の声ばかりである。

基本的に強制徴兵されていた1,000人には自宅に帰るように指示してあり、投降して来た下級兵もいったん自宅に戻って良いという許可をしてある。

それらの対応をした後、捕縛したままの代官と副官を連れて代官館にスクゥーレ達が入り、今後について相談する。


「皆、大儀であった。お陰で怪我も無く無事にマントーネの街を解放できた」

「現体制派が住民を軽んじていたことが結果的に我らの圧勝に繋がりましたね」

「レオ殿たちの魔法の威力に寄るところも大きかったかと」


「さて、これからどうしたものか」

「賞罰は王都を解放した際にまとめてでよろしいかと。それよりも順次合流して来た兵や、今回のマントーネの兵も含めた軍勢の再編をしませんか」

「いや、元々編成というほども無かったので、すぐに次の街のテスケーノに向かった方が良いかと」

「一般将兵は組み込んでも良いが、中級魔法使い2人の扱いはどうしたら良いだろうか。もし裏切られたときには影響が大きすぎるし」

侃々諤々と議論がされ、文官として優秀な者が暫定の代官として街の運営のために残されることになった。捕虜となった元々の代官と副官たちは戦場に連れて行くと面倒なため、この街に残していく。その他の上級将官は敵前での裏切りの懸念が残るため、少人数に分割してそれぞれテソットから来ていた貴族たちに預けることにした。裏切りの懸念の少ない下級兵や志願兵は特に手当しない。そして一番裏切られたときの影響が大きく懸念である中級魔法使いは街に残していくこともできないため、それを上回る戦力であるレオたち3人に預けられることになった。


「ゼキエッロです」

「ブリツィオです」

レオは預けられることになった2人に自己紹介を受ける。レオ、ベラ、フィロの3人も黒ローブと黒仮面のまま自己紹介をする。

「レオ殿、ベラ殿、フィロ殿、どうぞよろしくお願いいたします。お三方の上級魔法を拝見し、敵対しないようにと思わされました」

今後はこの2人も戦場で一緒に行動し、レオが指揮をとることになるため、それぞれの使える魔法が≪火炎≫≪火球≫≪種火≫≪水球≫≪水生成≫、≪火炎≫≪火球≫≪種火≫≪風刃≫であることの申告を受ける。

雑談を装って魔導書の所持状況を聞いてみると、ブリツィオが最近習得した≪風刃≫魔導書が手元にあるという。未習得という≪水球≫魔導書を見せる代わりにその魔導書を見てみると、現代語での説明も丁寧なレオが見たことが無いものであった。一読して返しはしたが、自由時間になった途端に記憶を元に写本を作成しだした。ベラとフィロは既にこのレオの趣味を十分に認識していたのであたたかい目で見守るのであった。

ちなみに、2人が近くに居ることになったことから、黒仮面等を外してのスクゥーレの使用人的な行動は難しいので免除されることも合わせて指示されている。



街に残留する戦力等を残し、まずは街の北の陣地で簡単な再編をする。次のテスケーノの街にある程度の速度で向かうためには、志願兵と多くの輜重隊は切り離すことになった。ただそれだけでは後続の戦力が弱すぎるので、マントーネの街でも冒険者に募兵を行い参加した者や、テソットで募った冒険者もそちらにまわしている。それにより機動力が高い従騎士・従士・衛兵を中心とした2,000人規模を先発隊としてスクゥーレと共に向かうことになった。後続はこの街での志願兵も含めて3,000人規模に膨らんでいる。

王都メッロから出陣したはずの軍勢とどこで遭遇するか不明だが、テスケーノ軍と挟み撃ちになるのは避ける必要がある。その焦りもあり、またマントーネの街の完勝による高揚感もあり、先発隊は高い士気で西進するのであった。


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