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超記憶レオの魔導書蒐(あつ)め  作者: かず@神戸トア
レオは潜入する準男爵

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王都への進軍

テソットの街で、ある意味クーデター宣言がなされたのだが、既にここの衛兵は隊長など幹部も含めてスクゥーレ派閥に組み込み済みであり、衝突などの問題は発生していない。


また、もともと集合していた各貴族は従騎士・従士などを目立たなく呼び集めていたので、魔の森手前の街にふさわしく冒険者の風体であり不揃いの装備がほとんどである。領地持ち貴族が居ない王国の制度であり、軍と呼べるほどの数の私兵を保有する者は居ないため、それぞれ数人から数十人程度の従騎士・従士たちである。

後は住民たちによる志願兵であり、内々で賛同していた商人たちに用意させていた食料や簡単な武器を配布される程度である。素人でも集団で保有すると脅威になる槍であり、揃って槍を持つ人数が居ると壮観である。

衛兵や冒険者すべてが王都に進軍すると、魔物への対処がおぼつかなくなる。今までのコリピサ王国とルングーザ公国のある意味で出来レースであった衝突に比べて、実際の怪我や命の危険がありそうな内戦に参加を希望しない冒険者と、ある程度の衛兵を残すことになる。


既に色々な準備がなされ噂も出回っていたため、スクゥーレによる蜂起宣言の翌々日には、貴族・従騎士・従士・衛兵・冒険者・志願兵による王都への進軍が開始される。

貴族が数十人、従騎士・従士・衛兵が千数百人、冒険者が百人程度、志願兵が数百人、合計2,000人ほどの軍団である。うち騎兵は1割程度である。事前に弓矢を使えるか、魔法使いが居るか程度しか情報収集されていないため、隊列というほど整えることもなく街道を進む。

黒ローブのレオたち3人は、昨日に少し揉めたホレイモンからスクゥーレの馬車の近くで騎乗するように指示され馬を3頭与えられている。


レオたちの配置指示の前にあったスクゥーレとホレイモンのやり取りは聞いていない。

「伯父上、思ったより数が集まりましたが、この数では王都を陥落できないですよね。最終的にはどのくらいまで集まるのでしょうか」

「もう口調をお改めくださいませ。国王になられるスクゥーレ様が私に敬語では周りに示しがつきませぬので」

「……分かった。で、どうなのだ?」

「そうですね。今の国王への不満は一般市民ほど強いので志願兵は1~2万は行くと思いますし、貴族・従騎士・従士たちも同程度になって行くかと」

「心もとない気がするが仕方ないか」

「王都にたどり着くまでの勝ち方で、様子見の貴族たちもこちらになびいてくるでしょう」

「ところでレオたちはどうしている?」

「他の冒険者や志願兵の集団と同じく後方に紛れようとしています。ただスクゥーレ様のお近くに指示するつもりです」

「どうしたのだ?」

「逆に伺いたいです。彼らはどういう者たちなのですか……3人とも上級魔法使いとは……」

「何だと!?そこまでは聞いていなかった」

「この進軍の中の魔法使いは、彼らを除くと、従騎士で中級が1人、初級が2人、冒険者に初級が2人だけです。経済的に裕福ではない貴族が多いので仕方ないのですが、その中で彼ら3人は異質です」

「そうか、ルングーザ公国も本気の支援と言うことか」

「はい……」

「しかもあの年齢で上級とは」

「はい、しかもそのことで増長している気配もありません。最近コリピサ王国がルングーザ公国に大敗しているのは、王国の腐敗だけが原因ではなく、かの国での戦力底上げがされているのかもしれませんな」

「……そのことはしっかり記憶しておくが、まずは政権奪取に注力しよう……」


蜂起したテソットの街から南に進み、東西に走る主街道に当たるまでは特に街も無いため、戦闘も起きず到着する。一般志願兵の徒歩も含めた軍隊行動であるので、単なる騎馬や馬車での移動に比べて大幅に時間がかかっているが、蜂起してから賛同者が合流してくることを期待していることも踏まえると、特に急ぎはしていない。もちろん時間がかかるほど消費する兵糧が増加するため、テソットから膨大な荷馬車を引き連れて行軍しているため、余計に時間がかかっている。

そのおかげで主街道に到着するまでの3日ほどの間に、従騎士たちを含めた貴族、志願兵などの合流が1,000人ほどあった。

蜂起宣言により堂々と兵糧購入ができるようになったスクゥーレ派の商人たちが、隣国であるルングーザ公国やリブレント王国の街にも購入に走っているのと合わせて、いよいよかと待っていた情報通の一般商人たちが自ら商機を逃さないために売り込みに来るため、兵糧の心配は今のところしないで済んでいる。



主街道に到着してからは、このまま王都メッロまで西進するのだが、その間には街が3つ存在する。

1つ目の街マントーネは主街道の南に隣接しているため栄えている。そのような街の代官は当然に現政権派で私腹を肥やしている者であり、スクゥーレ派の進軍に対して抵抗されることが火を見るよりも明らかである。


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