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超記憶レオの魔導書蒐(あつ)め  作者: かず@神戸トア
レオは真っ黒な騎士爵

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真っ黒母娘の訓練

レオが公女の魔法訓練に付き合っている頃、ベラとフィロも訓練をしていた。

レオの従士として一緒に暮らし出してから、従士とは?ということをベラがどこかで聞いてきたようで、戦闘力を向上させないといけないと考えたらしい。ハイオークキングとの戦闘においても2人が戦闘力として貢献できなかったことも気にしていたらしい。


「短剣より大きな武器を練習しても良いでしょうか?」

意図も聞いたレオはもちろん反対はしないが、2人の筋力を考えると単純な賛成はできない。ハイオークキングのときもショートソードに振り回されていたのを見ていたのもある。少し考えて、幼馴染の女の子ルネが短槍ショートスピアを使用していたのを思い出し、それをすすめてみる。敵にあまり接近しなくて済むのと、素人でも最低限の使い方を習得するのが楽であると聞いたことがあるからである。

「確かに、盾と短剣の組合せは良くないよね。片手剣は重いし。一度、短槍を試してみない?」

「片手剣を鍛えるものと思っていました」

「両手でも持てるし、筋力がつけば片手での操作もできるし、便利らしいよ」

武具屋に行ってショートスピアを触らせて貰うと、意外といける、と思ったようである。ベラは遠慮したが、早速レオが費用負担して2本購入する。


その後はレオが不在の時などに冒険者ギルドに行き、2人とも短槍の訓練をする。既に武技は短剣や盾でも習得していたので、槍の武技も順次習得し、しばらくすると初級≪刺突≫だけでなく中級≪強打≫≪剛撃≫も使えるようになっていった。

また、装備の充実として、今までは厚めの服であった2人も黒色の革鎧レザーアーマーに変えることにした。女性でそれほど筋力も無いので金属補強などはしていないが、それでも単なる衣服よりは防御力の大幅向上が期待できる。



さらに、折角魔法の習得をしたのに、≪水生成≫と回復魔法だけであり攻撃魔法も習得を希望していたので、水魔法の延長としての≪水球≫、使えると便利である≪種火≫、その火魔法の延長としての≪火球≫をまずは指導する。レオは習得済みであるため、見本をみせるなどの指導を行う。また、今回はお金に余裕も出てきたことと、初めての火属性であったので、火属性の触媒も用意して、魔力の属性変換のときに特にフィロに活用した。

水魔法は2人とも理解できていたのと、身近にみることの多い火については実現イメージが分かりやすいこと及び触媒を使用したこと、また≪水球≫と≪火球≫は実現内容が似ていること等から、これら≪水球≫≪種火≫≪火球≫の習得は早かった。ただ、やはりベラの方が少し先に習得してフィロにも指導する感じではあった。

レオは、自作魔導書に2人がつまずいたところの克服方法などを追記していく。例えば、≪水球≫の最初は、物を敵などターゲットに向けて魔法だけで投げつけるところが難しかったのを、そこら辺の石を何度か投げさせてイメージを確立させたこと、触媒を使用すると初めての属性変換が楽であったこと等である。


ここまで来ると、もうEランク魔物の角兎ホーンラビットやゴブリンへの対応もそれぞれが安全に行えるだけでなく、Dランクの魔猪ワイルドボア、魔狼、オークも何とか対応できる。もちろん安全のためにレオが付き合えるときに森に入り込んで、横で安全を確認しながらではあるが、実戦訓練を現地で行うことで、自信を持って鉄級冒険者に昇格をさせることにした。

2人とも鉄級に成ったので、冒険者ギルドでどの委員会に属させるか考えさせる。

「レオ様はやはり魔術師委員会ですか?」

「そうだけど」

「では、私も魔術師委員会で」

「フィロもそれで良いよ」

あまりデメリットもなさそうなので、本人たちがそういうならば、と結局は3人ともが魔術師委員会に属することになった。


レオは久しぶりに冒険者ギルドの魔術師委員会に顔を出して2人を紹介する。とは言っても、いつものように留守番が1人いるだけであり、レオ自身も初めての相手であった。来たついでに貸し出し可能な魔導書の棚を見ていると、以前は目に入らなかった魔法が気になる。

回復薬の調合の際に不純物を混ぜないように便利な空間魔法の初級≪簡易結界≫と、天使グエンが魔法の袋を作るための付与魔法を覚えていく前段階として紹介していた鑑定魔法の初級≪簡易鑑定≫である。

さっそくお金を払って読み込み、写本を作成するだけでなく訓練を行う。それぞれ実演をして貰える教師役が居るわけでないので少し苦労したが、練習を繰り返すことでだんだんと精度も高く実現できるようになった。≪簡易結界≫をしても回復薬の品質は劇的には向上しなかったが、≪簡易鑑定≫はそういう回復薬や武器などの品質が低級・中級・高級などのさらにそれの下位・中位・上位であるかと、魔法の付与など特殊効果の有無がわかると魔導書に書いてあり、非常に期待ができる。今は魔法発動体の指輪程度しか魔道具も無いが、他の指輪と違いがあることは≪簡易鑑定≫でわかるようになった。使用するほど知見もたまり、魔法を使わない通常の鑑定能力も、すぐに答え合わせができることから上達しやすいが、店頭商品や他人の持ち物に通常の鑑定能力ではなく鑑定魔法をかけることはマナー違反と言われるので注意するようにということも魔導書に書いてあったので、使いどころは気を付けることにする。



ベラとフィロが強くなったことで、今まで以上にレオも安心して森の奥に狩りに行き、2人に荷馬車の番をするのと合わせて森の入口付近での狩りや薬草採取等を頼むことができるようになった。しかし、そのうちにレオ自身もオーク狩りでは訓練にならないのと、ベラとフィロもCランク魔物に挑戦するために狩り場を変更するか、また今度エルベルトたちにでも聞いてみるか、と考えるようになった。


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