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超記憶レオの魔導書蒐(あつ)め  作者: かず@神戸トア
レオは公女の私設使用人

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ダンジョン探索3

ダガーが見つかり、少し欲が出てしまった4人は探索を続けることする。


この階層はもう終わりのようで残るのは下り階段が1つだけであった。もう少し、ということになっていたので、そのまま階段を降りる。地下6階にたどり着くと、そこは石の扉があった。

「なんか今までと違うよな」

「本当に入るか?」

「ここまで来たら」

「よし、開けるか」

気持ちを落ち着かせて扉を開けると、敵が3体待ち構えていた。見た目はゴーストであるが、真ん中の1体は雰囲気が違う。それでもレオの≪火槍≫やメルキーノの≪穿孔≫による遠隔攻撃で交戦を開始する。


武技や魔法を用いながら戦闘を続けるうちに、その1体には武技が効かないことに気付く。

「まさかレイス!?」

Bランク魔物であり、通常武器では武技でも攻撃が通らないと言われる。

「レイスは俺に任せて、ゴーストを頼む」

レオはこっそり天使グエンを透明にして≪召喚≫し、共にレイスに向けて≪火槍≫を連発する。

エルベルトたちがゴースト2体を倒した後も、レオとレイスの戦闘は続いていたが、何とか討伐に成功する。


しばらく動けないぐらいであったが、何とか座り直したときには、皆は部屋の調査を完了していて、部屋の一番奥の台座に大きな魔石があったという。

レオも見に行くと、確かに初めて倒したBランク魔物のレイスの魔石よりもかなり大きな魔石がある。きっとダンジョンコアと呼ばれるものなのであろう。


ダンジョンも巨大な魔石を壊されたり奪われたりすると、そのダンジョンは死亡し成長しなくなると言われる。壊すか持ち帰るとダンジョンを制覇したと言われる。ただ、一度制覇されたダンジョンもしばらくするとまた魔素が集まって来てか、再度ダンジョンコアが復活することも多い。この性質を活かして、魔物の素材や挑戦しに来る冒険者を当てにしてダンジョンを中心とした街ができているところもある。

ダンジョンコアを守るかのような、ダンジョンの一番奥に居る最強の魔物をダンジョンボスと呼ぶこともある。

ダンジョンコアがあったことから、この遺跡はやはりダンジョンであり、もともとあった遺跡を流用して出来上がったのかもしれない。となると、レイスはダンジョンボスということになるのであろう。


ダンジョンコア以外に宝が無かったので、少し魔力の戻って来たレオが風魔法を活用して、隙間を探すと、コアの台座の奥に何かある感じであった。実際に触ってみると、地下4階の小部屋であったような、壁の一部が崩れ落ち凹んだスペースができる。そこには結構な厚みの書物が置かれていた。

レオは目を輝かせてめくってみると魔法陣などが書かれていて魔導書のようである。ますます読み込みを深めようとすると、まわりから指摘される。

「レオよ、読むのは後にして、そろそろ引き返そうぜ」

「早く街に帰って美味しい物を食べようぜ」

確かに、他のメンバにしてみるとレオが魔導書を読み終わるのをぼんやり待っていても仕方がない。ただ、万が一この魔導書を取り上げられることになるまでには必ず一読しておこうと思って、背負袋にしまうのであった。


この探索2日目は1日目に比べて難敵も多く疲労していたが達成感もありそれなりに元気な足取りで急ぐ。帰り道では会敵することもなく、地下4階の崩れた山肌から出ることができた。地図を重ね合わせても、階層ごとの大きさの違いや妙な凹みは無いので、探索しきったのだと思うことにする。

既に夕方になりかけている空であり、急いで街に戻る。


冒険者ギルドの受付で探索結果の報告をする。レオの作った地図、ダンジョンコア、古代貨幣や金属食器、倒したスケルトン、ゾンビ、マミー、ゴースト、そしてレイスの魔石も提出する。途中で遭遇したゴブリンや魔狼の討伐証明部位や魔石も、ダンジョンとは別に納品してある。

「これは丁寧な地図ですね。非常に高評価になります。また図形だけでなく、解説も十分ですね。しばらくお待ちください」


しばらくかかるということだったので、併設されている食堂で空腹を満たすことにした。まだ結果を聞いていないので、成人しているエルベルトたちもお酒は飲んでいない。

疲れと満腹で眠りかけていた時に、ようやく呼ばれた4人。

「まず確認ですが、レイスを討伐したのは実質レオ様お1人になりますか?」

「あぁそうなるな。俺たちは攻撃もできないで見ていただけだしな」

というエルベルトの回答に、では、とレオは証明書の提出を求められる。

「Bランク魔物のレイスの単独討伐ということで、レオ様は銀級冒険者に昇格になります」

「続いて、提出された貨幣は古代貨幣であり1枚1金貨相当が5枚、金属食器は全部で3金貨、短剣は≪鋭利≫の魔法のかかった魔道具でした。この短剣は競売にかけてみないと正確に算定することはできません。他の品と含めて引き取りか売却かお選びください」


エルベルトたちと相談し、ギルドに見せてもいなかった魔導書はレオに、短剣を含めたその他のお宝はエルベルトたちで分配することになった。その他の探索報酬や魔石の売却なども含めて、結果的にレオは金貨1枚と魔導書を得ることができ、経験も非常に積むことができた上に、銀級冒険者に昇格するという非常に実りのある冒険となった。

「レオ、また頼むな」

「こちらこそ」


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