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超記憶レオの魔導書蒐(あつ)め  作者: かず@神戸トア
レオは公女の私設使用人

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ダンジョン探索2

地下2階までいったん戻り、下り階段のところに向かう。

昨日倒したスケルトンが復活することは無かったようで、目的の階段までは会敵することもなくたどり着いた。

「さ、今度こそ何か出て来て貰いたいな」

「そうだな」


階段を降りると、地下3階と思っていた最初の大部屋などがあった深さどころかその半分まで降りると次の階層になった。先の地下3階は実は地下4階と考え、これが地下3階なのであろう。

この地下3階も短い通路と多くの部屋のようであった。少し進むと何やら腐臭がする。

「臭いな」

「なんだこれ」

前から現れたのは、腐った動く死体であった。

「ゾンビ!」

スケルトンばかりと油断していたところへ、現れたゾンビ。リビングデッドと呼ばれるDランク魔物であるアンデッド。

「落ち着け。所詮Dランクだ」

というレオの声に、落ち着いて攻撃を開始する他の3人。ただ、既に死んでいるゾンビには心臓を狙って刺しても生者ほどの効果は無い。仕方ないのでレオは≪火炎≫と≪火槍≫を使い分けて、敵3体をしとめる。

「ふぅ助かった」

「嚙みつき攻撃などでの病気感染に気を付けることがあるらしい。刺してもあまり効果は無さそうだから、頭や四肢を切り離すことを考えよう」

「わかった」


その後もこの階層ではゾンビばかり出現し、スケルトンに比べて単にEランクがDランクになった以上に、戦いにくい。臭いもきつい。4人とも昨日はいくつもの階層を探索したのに、今日はこの階層の探索だけで疲れ切ってしまう。

この階層でも棚の残骸と思われる木くずがたくさんあったので、何か無いかを探っていると、今の物とは異なる貨幣がいくつかと金属の食器が見つかった。

「やっとお宝!」

「なんかしょぼいけどな」

「街に帰って鑑定して貰うまでは分からないから、一応大事に貰って行こう」


この階層も隅々まで探索して見つかったのは下り階段が1つ。地図を重ねてみると、山肌から入った地下4階とは重ならないところに降りて行くようである。

期待も込めて階段を下りて行くと、やはり地下4階を通り越して地下5階になったのであろう、長い階段であった。


この階層も短い通路で始まったので、また短い通路と小さな部屋かと思えば、現れたのは地下4階ほどではない中規模の部屋であった。そして、覚悟はしていたがゾンビである。さすがに何度もの遭遇で慣れたので、3~5体程度のゾンビでは苦労もしなくなったが、臭いもあり気持ちが萎える。それでも戦闘後には魔石だけは取り出して進む。


次の中規模の部屋は入口で臭いがしなかったのでホッとしたと思った瞬間、音も臭いもなく新たな敵が現れる。今度は包帯を巻いた死体、ミイラであった。

「マミー!」

「Cランクだぞ、気をつけろ!」

骸骨のスケルトンのようにカタカタという音もしない、腐敗したゾンビのように腐臭もしないが、乾燥した死体である。銅級冒険者が4人なので、Cランク魔物と1対1で倒せるはずと言われるのだが、初めて見るCランクのマミーが4体を相手であると、余力が無い。

エルベルト、カントリオがそれぞれ盾の武技≪挑発≫で交互に敵を寄せ付けて、その隙に残りメンバで攻撃をしているが、やはりCランクなだけあって片手剣の武技≪斬撃≫≪連撃≫≪剛撃≫などを用いても倒すのに時間がかかってしまった。

戦闘終了後には荒い息をして座り込んだが、落ち着いてから魔石を回収する。

それからも2度、マミーの居る部屋に当たったとき、遠距離の間に≪火炎≫≪火槍≫を使用すると乾燥していてよく燃えることが分かり、少し楽に討伐することができた。


その次の部屋では入口付近から何か寒気がする感じがしたが、気にせずに侵入すると現れたのは幽霊であった。

「幽霊!」

「ゴーストだ。Cランクだけど、武技で無いと攻撃が効かないぞ!」

今までの敵と違い、浮遊しながら自由に動き回る上に、通常武器の通常攻撃ではダメージを与えることができないと聞いている。レオが≪火槍≫を連発して敵の数を減らすことで、何とか敵を殲滅(せんめつ)することができた。

「助かった……」

「そろそろ引き返すか?」

「いや、もう少しだけ行かないか?」

戦闘終了後、休憩し魔石を回収した後、部屋の棚の残骸と思われるところでは、鞘のない短剣ダガーが見つかった。

「期待して良いのかな?」

「これも鑑定待ちだけどな」

「やはりもう少しだけ行ってみるか?」


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