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超記憶レオの魔導書蒐(あつ)め  作者: かず@神戸トア
レオは公女の私設使用人

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ダンジョンへの招待

ベラとフィロに魔法の指導をしながら、オーク狩りを続けていたある日、冒険者ギルドで声をかけられる。

「レオ、元気か?」

「なかなか活躍しているようだな?」

「俺たちも銅級に成って追いついたんだぜ」

街中でハイオークが暴れたときの冒険者3人組であった。片手剣と盾のエルベルト、同じくのカントリオ、弓矢と短剣のメルキーノである。

ちょっと良いか?と、ギルド内のテーブルに誘われ着席する4人。


「またパーティーでも組もうぜ、とあの時に言ったの、覚えているか?」

「もちろん」

「いま言ったように俺たち3人も銅級に成ったんだ。それで、ある依頼を受けないかとギルドに言われたんだ」

「ダンジョンだぜ!」

「俺が言おうと思ったのに!」

「そう、新たに見つかったダンジョンと思われる物の下見の依頼だ。もし高ランクの魔物が居るなど危険が分かればその時点で引き返して良いという物だ」

「それで?」

「知っての通り、俺たちは物理攻撃だけの3人組だ。前のハイオークのときに見た、攻撃魔法も使える魔法使いが一緒の方が、未知のダンジョンでの安全率があがるだろう?」

「なるほど。場所はどこだ?ただ、俺は日帰りを基本にしているからな」

「うーん、日帰りは難しいかな。行くだけでなく探索するのだからな。何とかならないのか?」

「分かった。検討してみる。また明日に返事で良いか?」

「良い返事を待っている」


迷宮とも呼ばれるダンジョン。1人で挑戦するには、1年ほど前によく見ていたソロ魔法使いとして死ぬ悪夢のように危険だが、仲間が3人も居るならばかなり安全になるはずである。また、未発見であったダンジョンであるならば、宝物も期待できるかもしれないという欲もある。格下のオーク狩りにも慣れてきたところでもあり、さらなる戦闘力向上には何か考える必要があった。


それらを踏まえて、雇い主である公女に外泊での探索参加を打診する。

「良いわよ。いい経験を積んできなさいね」

もう少し、例えばその冒険者3人組がどういう者たちなのか等を聞かれるかと思ったが杞憂であった。聞かれても答えるほどは知らなかったのであるが。3人組のそれぞれの名前を答えたところで満足していたので、何かあれば調べるつもりなのであろうか。

さっそく、ダンジョン探索に必要そうな道具類、地図作成のための携帯筆記用具、自分の体重も預けられるようなロープ、≪灯り≫は使えるが何かあったときのために松明やそれを床に立てられる軽い台などの調達をするのと合わせて、ベラとフィロにも出かけることを伝えておく。ベラは心配し、フィロはうらやましがられたのは性格であろうか。


翌日ギルドでエルベルト達に行く旨と、用意途中の物を話したら、前向き度合いに驚かれた。探索依頼の詳しい情報を聞き、そのさらに翌朝、早くに出発することになった。

探索場所は、公都ルンガルの真北にある山脈の中とのこと。この山は南北に長く、西は魔の森、東は草原、南が公都である。魔の森の奥ほどではないが、草原よりは強い魔物が生息しているということから、一般人ではあまり足を踏み入れる者が居ない場所であるが、以前からも古代遺跡などのダンジョンが見つかっているので、初級を卒業した冒険者たちの狩り場、探索場所になっている。


今回の探索対象は、ある冒険者パーティーが怪我をして魔物に追われて逃げていた時に普段通らない谷間の奥で見つけたらしい。当然、冒険者ならば自分で探索したいとなるであろうが、そのときは怪我人も居たから諦めた。さらに、公都まで帰って来るとその怪我は深かったようで怪我人が引退をすることになり、他のパーティーメンバもいい歳だなと皆が引退を決めたので、そのダンジョンの情報をギルドに売りに来たらしい。第2の人生の資金にしたいのであろう。

冒険者ギルドとしても、本当にその場所があるのかの存在自体、そしてダンジョンであるのか、さらに貴重度合いなどを確認しないと彼らへの情報提供代金も決められないので、まずの調査依頼が、銅級に成った3人に来たという。ちなみに、レオのようなソロや鉄級以下が混ざっているパーティーには危険なため声掛けはしていないとのこと。


目的地が山や谷のため、貸し馬では難しいということから徒歩で公都を出る4人。

途中ではゴブリンや魔狼などにも遭遇するが、いつもと違い4人も居るため魔法も使わずに片付けて行く。魔力の温存のためであり、同様にメルキーノの矢も温存しても問題ないぐらいであった。討伐証明部位や魔石だけ回収して進む。

この山に何度か来たことがあるというエルベルトたちもギルドに教えられた道は、普通ではここを通ろうと思わないだろうなぁという谷間であった。公都を出発して数時間、現地にたどり着くと、山肌が崩れて中から石造りの通路らしきものが現れ、その通路の壁も人がギリギリ通れる程度に崩れて中に入れるようになっていた。

「古代遺跡の可能性もあるな!」

「現代人の誰も入ったことが無いなら、お宝も期待できるぞ!」

「この隙間ならば、大型の魔物も入り込んでいないだろうしな」

さっそく4人は中に入るが、通路自体は横幅3m、高さも3mほどの四角い石造りであり、隊列はエルベルトとカントリオが前、メルキーノとレオが後ろ、盾を有効に使うため、レオが左になった。カントリオが右前で盾を使いづらいため、その左手では松明を持つことにした。レオの魔力の温存のため≪灯り≫は使用しない。


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