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超記憶レオの魔導書蒐(あつ)め  作者: かず@神戸トア
レオは故郷に錦を飾る

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ルングーザの現状(+簡易地図)

 レオの故郷である港町シラクイラからルングーザ公国への帰路では、特に問題は発生せずゆっくりとできていた。

 しかし、公都ルンガルに到着すると空気が違う。街中の人々が慌ただしくしており、すれ違う兵士達は殺気だっている感じがする。

「何かあったようね。急ぎましょう」

 第3公女マルテッラの屋敷に馬車を急がせる。


「マルテッラ様、ご無事のお帰り、安心致しました」

 出迎えてくれた執事達の返事を待った後、状況を確認する。

「いったい何があったというのでしょうか?」

「皆様が出立されるときに、フィウーノ王国への出兵のお話があったかと」

「えぇ、お兄様からレオに参加を誘われていたわね」

「実は……」


 あのときに聞いたのは、コリピサ王国にその北のリブレント王国が侵略。そのリブレント王国に東のフィウーノ王国が侵攻。今度はそのフィウーノ王国に北のザガローマ帝国が攻め入るので、第2公女アナベルトの嫁ぎ先である関係からルングーザ公国も参戦する話であった。

 しかし、フィウーノ王国は滅亡の危機と思い、属国になる覚悟でクロトリノ大王国に援助を求めたらしい。

 その結果、フィウーノ王国はクロトリノ大王国の取り成しでリブレント王国と休戦し、クロトリノ大王国がザガローマ帝国へ開戦。ザガローマはフィウーノ王国の北方から撤退したので、フィウーノ王国は南方からのルングーザ公国に全力集中できることに。国境まで押し返したどころかルングーザの国内にまで攻め込んで来たらしい。


〜〜〜〜〜

大雑把な位置関係:

  <クロトリノ大王国> → <ザガローマ帝国> 海

                ↓

<リブレント王国> ← <フィウーノ王国> 海

   ↓           ↑

<コリピサ王国>  <ルングーザ公国> 海

   

  <ガンドリア王国> 海

   

<ヴァノーネ王国> 海

   海


「今はフルジエロ第1公子殿下が援軍の準備をなさっております。マルテッラ様がお戻りになりましたら、登城するように言付けを承っております」

「レオ、一緒に行くわよ」

「え、私も?」

「はい、同行しているはずのコグリモ準男爵も一緒に、とのことです」


 フィロ、ベラ、シュテア、ラーニナとケーラには先に家に帰るように指示し、エルベルト、カントリオ、メルキーノの3人に一緒に登城するように指示する。

「え?俺たちも?」

「ガンドリア王国の城で慣れただろう?途中までだからさ」

「分かったよ」

 マルテッラの屋敷からは、マルテッラとレオのそれぞれの馬車と、その周りにエルベルト達の3人の騎兵が護衛する形で登城する。


「マルテッラ!間に合ったか。良く帰って来てくれた。コグリモ準男爵も。屋敷で話は聞いたんだな」

「はい、伺いました。フィウーノ王国への迎撃に御出立されると」

「そうだ。元々の遠征は、ザガローマ帝国への付き合いだったので、それほどの兵力もないままコスターレを総大将に任せていた。反撃をされて我らが公国の領土に侵入したとあればそうはいかない。騎兵を率いて出発する」

「お気をつけて、とはなりませんよね」

「そうだな、マルテッラ、お前には治癒を任せたい。怪我人も出ているだろうから、公女自ら治療を行うことに価値がある。そしてコグリモ準男爵。今度は相談ではなく命令だ。一緒にフィウーノ王国の迎撃に行って貰うぞ」

「かしこまりました」

「よし、俺達は明日に出発するところだった。ただ軍勢を率いていくので、騎馬だけと言っても遅くなるだろう。後から追いかけて来ても騎馬だけなら追いつけるだろう。マルテッラ、今回はお前も馬車でなく騎乗で来てくれるか」

「はい、色々と準備してから追いかけますね」

「帰って来たところに悪いが頼むぞ」




「ごめん、俺にはややこしくて良く分からなかった」

「カントリオ、無理に理解しようとしなくて良いのよ」

「何?フィロは分かったのかよ」

「もちろん!レオが、北から攻めて来ているフィウーノ王国を撃退に騎馬で向かうのよ」

「それぐらいは俺にも分かったわ」

「じゃあ、それで良いじゃない。私達はレオの家臣。レオが何をしにいくか分かっていて、その準備をすれば良いのだから」

 達観しているというのか、フィロの発言に皆が笑う。

 公都ルンガルにある自分の家で、皆に今日の話を共有した結果である。


「ということで、ヴァレッドさん、ウラリークさん、また留守をお願いしますね」

「もちろんです。士官希望者達には再び出征されたと伝えますね」

「え?やっぱり来ていましたか?」

「はい、30人ほど」

「こちらの屋敷でそうだったら、コリピサ王国の屋敷なんてどうなっているんだろう。オドリックさんには申し訳ないな」

「ま、良いんじゃないか。居ない場所のことを考えても仕方ないだろう。まずは明後日にでも出発する迎撃のことに注力しようぜ」


 エルベルトの言葉に従い、皆で手分けして購入してくるものを相談する。

「まずは。怪我人がという話があるならば、やっぱり薬草などをできるだけ、だろう?」

「お肉とかご飯も!お水は魔法で出せるとしても」

「フィロの言う通りだな。途中で魔物や獣を狩る余裕があるかも分からないし」

「矢も消耗品だから補充しておきたいな」

「それはメルキーノに頼むとして、後は馬かな」

「なんで?人数分は戦馬(バトルホース)がいるよね」

「怪我人を乗せることも出てくるかもしれないし、何かと便利だと思うんだけれど」

「エルベルト、良いアイデアだな。そうしよう。魔法の収納袋も売っていたら買い足したいし」


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