表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超記憶レオの魔導書蒐(あつ)め  作者: かず@神戸トア
レオは2国を兼任する貴族

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

141/176

テソット死守2

リブレント王国からの本隊がテソット北部に到着したその夜に、レオ達が夜襲する。

今回はレオだけでないのでフィロ達も夜になるまで仮眠をとり、暗くなってから城壁の外に≪飛翔≫や≪浮遊≫で戦馬(バトルホース)も含めて移動する。


基本的には魔法発動を予定していないエルベルト、カントリオ、メルキーノ、そしてシュテアが、≪召喚≫などの魔法を発動するつもりのベラ、フィロ、ラーニナ、ケーラを戦馬(バトルホース)で二人乗りする。≪飛翔≫もできるレオは一人乗りとし、レオが騎乗しないときにはバトルホースが周りにあわせて単独行動になる予定である。

無事に城壁から外に出て、西の敵陣近くまで≪大夜霧≫で隠れたまま移動したレオ一行。今回は≪飛翔≫しているレオと召喚した天使・悪魔達だけでなく、騎乗したままベラ達が召喚した天使・悪魔、レイス達も西陣への夜襲に参加する。そのおかげで、最近はレオだけによる夜襲で規模が小さかったことや、本陣が到着したことで気が緩んでいたリブレント王国軍は、野営用テントや臨時作成の木製馬屋などへのいつも以上の対象への着火に混乱する。ある程度見込み通りの成果が出たところで、いったんテソットの城壁付近まで戻り魔力回復ポーションなどを使用しながら怪我がないことを確認する。

「上手く行ったようだな。このまま他の方角もやってしまおう」

「今回は気が緩んだ相手だったからで、毎晩こうできるわけでもないし、敵兵が増えたから厳しくなっていくよ」

「じゃあ尚更、今夜のうちにできるところまでやってやろう」

調子の良いカントリオに勢いつけられ、予定通り次の北陣まで向かう。

「やっぱり本陣到着というだけあって、規模が違うな」

「みんな、気をつけて。危なくなれば東の魔の森に逃げ込むんだよ」


本格的な陣の設営ができているわけでもなく、兵糧なども輜重車で運ばれてきたままである様子がうかがえる。それに攻城武器と思われる大掛かりな木製の塊も見える。まずの目標はそれらであることを再確認し、先ほどと同じように、レオだけが≪飛翔≫で、それ以外は召喚した天使と悪魔だけが敵陣の上空に上がり、4頭のバトルホースには二人乗り、レオが乗ってきたバトルホースだけ背中を空にした状態で、敵陣から離れた場所に≪大夜霧≫で潜伏している。

本当はここからも魔法攻撃をした方が敵への被害を増加させられるが、もし敵の攻撃がこちらに向いたときには多勢に無勢であるので、危険はおかさない。


最近までの先発隊に対する夜襲と違い、ターゲットになる物がたくさんあるのでレオや複数召喚された天使グエン、悪魔アクティムとファリトンは好き放題に王級≪爆炎≫や上級≪豪炎≫の火魔法を乱発する。複数のレイスが敵兵を攻撃すると、慣れていない将兵にとってはかなりな恐怖であり、魔剣や魔法以外ではダメージを与えられないことから被害が広がっていることも確認できる。


最初に上空から見て今夜に火をつけようと思った対象の半分ぐらいまで終わったとレオが思った辺りで、上空にいるレオめがけて複数の≪氷槍≫が飛んでくる。グエンが≪結界≫を張って注意喚起をしてくれたおかげで助かったがかなり狙いが正確であった。

「よし、攻撃が緩んだぞ。惜しいところであった。皆そのまま続けろ」

声を上げた将官らしき人物の周りに密集してローブを着た魔法使いらしき集団が居る。逆に狙い目だと思い≪爆炎≫≪炎壁≫などを乱発してみたが、密集度が高いことによる効率的な≪結界≫にて防がれてしまう。

手数を増やすためにハイオークから作成したゴーストも敵魔法使いたちの近くにまいてみるが、敵集団の中でも中級以下の魔法使いが対処するようで、上級魔法使いによるレオへの攻撃、≪氷槍≫や≪火槍≫はおさまらず、それへの対処にグエンたちの手が取られることで自然と夜襲の勢いが弱まってしまう。そうなると、夜空での派手な魔法のやり取りは目立つので、レオ達の場所にリブレント王国軍がさらに密集してくる。

何も考えていないのか焦ったのか複数の弓兵がレオを狙って矢や火矢を放つので、適当に回避したところ、予想通り放物線の先にいた敵陣から悲鳴や罵声が上がる。

「やめろ!味方に被害が出る!上空で消える魔法だけで攻撃しろ!」

おかげで引き続き魔法攻撃にだけ注意を向けることで済みながら、一般兵が密集しているので範囲攻撃である≪爆炎≫などによる戦果は上がるようにはなった。しかし、だんだんゴーストも処分されてきたことにより敵の中級以下の魔法使いまでレオへ集中攻撃を追加してくる。天使や悪魔は基本的に姿を消して召喚しているため、レオかレイスが攻撃目標になってしまうからである。


「もうまずいな。撤退をしよう」

レオは頃合いを見て敵の魔法も届かない上空にまで上がり、≪夜霧≫で姿を隠して仲間のところに戻る。流石に北陣での敵の集中攻撃による疲労感が半端なく、バトルホースに乗って東陣に向かうが、その後の東陣、南陣、再びの西陣への攻撃は仲間達の助力があるとは言いつつ、最初の西陣や北陣で行えたほど長時間は対処ができない。なんとか夜襲を終えてテソットの街に戻った後は、代官屋敷への使者に軽い伝言を頼みベッドに倒れ込む。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ