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プロローグ
ここは、よもぎ中学校。
Aこと俺は1ー1と書かれた教室の引き戸を開ける。
ガタッガラピシイッッッ!!!!!
今日も凄まじい悲鳴をあげる扉に、ため息をつきながら教室へ足を踏み入れる。
「昨日のドラマみたー?」
机の上に座って話しかけてくるBをみて少し考える。
(ピンポーン)
※良い子はマネしてはいけません。
そんなアナウンスが脳内で聞こえた気がしてブンブンと頭を振る。
「そんなわけないや」
「え? 何が?」
独り言を聞かれてしまったみたいだ。
俺たちは知らない。
こんな平穏な日々は
数時間後に狂わされてしまうことに。