4-9 愛の「勇者」の覚悟
本日4話目の投稿です。
夜にもう1話投稿します。
次はサービス回です。
俺がマブールと共に「女騎士」に殺された現場へと戻ると、すぐに嫁達が駆け寄って来た。
「君人様……もういなくならないで下さい……」
「キミトさん……危ないこと……しないで……」
「ご主人様! 無茶はしちゃダメにゃ……」
「ごめんな……もう大丈夫だから……」
皆を泣かせてしまったけど、皆を守れた……。
確かに、体が破裂したのは衝撃的だったけど、皆を守るためなら何度だってやるよ……。
愛してるよ、皆。
かの偉人 福沢諭吉は語った
愛を知った「でぶ」ほど強い者はないと
……そんな訳はないのだが、とにかく俺は3人を生涯守って見せる。
「エメルディ!! 」
マブールが「女騎士」に駆け寄っていく。
やはり、マブールと「女騎士」は仲間だったか。
「エメルディ! エメルディ!! 」
マブールがエメルディを抱き起こして呼び続けている。
「うっ……」
「っ! まだ息がある! 今助けてやる! 」
すると、マブールは回復魔法を唱えた様だが、「女騎士」の体は全く回復していなかった。
「マイ! 完全回復を! 」
俺がマイに指示を出したが、マイは首を横に振った。
「……難しいです……『絶体絶命』を使われた相手は24時間回復魔法が効かなくなります……『堕天使の覚悟』の加護は相手の命を狩ることに特化していますので……」
知らず知らずのうちに「堕天使の覚悟」の加護を使いこなしていらっしゃる……。
このままでは「お隣の『天使』様がいつの間にか堕天してしまった件」という作品を作るしかなくなってしまうので、出来ればずっと「天使」でいてほしい……。
「エメルディ……エメルディ!!! 」
叫んでいるマブールだったが、そのマブールを襲う影があった。
「雷鳴! 」、「斬! 」
俺は、マブールの背後に現れた人物にスキルを放った。
それは、先程倒したはずの女性2名だった。
「マドリッド! リク! 」
2人も、恐らくマブールのパーティメンバーなのだろう。
そして「女騎士」が助けたかったのもこの2人なのだろう。
この2人……操られていたマブールともまた何か違うんだよな……?
「運命! 」
俺は「運命」のスキルを使った。
しかし何も起きなかった。
「ダメか……」
これは洗脳系のスキルで操られていたいた訳ではないのか。
「この気は……死霊の奴か……」
マブールは何かを感づいたようだ。
「キミト……この2人は死霊の『勇者』に操られていたようだ……奴は死体しか操れないからおそらく2人はもう……」
マブールは目頭を抑えている。
そして、俺はもう1つ、この状況を解決できるスキルを持っていることに気がついた。
生き返ってから、何故か直感が働く。
「でぶ」神様が何かしてくれたのだろうか?
しかし、この解決方法は出来れば使いたくない……。
「マブール……友逹として……本来はしたくない話をしなくてはならない……」
俺は恐る恐るマブールに話し始めた。
「…………どうした? …………」
マブールも少し落ち着いてきたようだ。
「俺のスキル『贄』を使えば……おそらくこの『女騎士』を治せる……」
そう……治せることには治せる……。
「ほっ……本当か!? 」
本当だ。
「しかし……」
決してやりたくはない。
「なんだ? 何かあるのか!? 」
現実は厳しい。
「『贄』として……どっちみちこのまま放置しておけないこの2人の遺体を使うことになる……」
そう……「女騎士」にとって大事な人物や物でなくては「贄」は使えない。
そして、この怪我を治す「贄」に使えるのは現状この2人の遺体だけだ。
「………………それは………………」
マブールはうつむいてしまった。
「辛いだろうが……ここは……」
辛いのはわかる……だが……。
「良い……やってくれ……今は唯一生き残ってるエメルディが大事だ……責任は全て俺が取る……この一件の罪は全て俺の罪だ…………」
「……………………わかった………………」
マブール……それでこそパーティのリーダーだ。
俺は愛の「勇者」を尊敬するよ。
俺は「贄」を発動した。
地面に現れた漆黒の闇に2人の遺体が吸い込まれ、すると天からキラキラと温かそうな光が「女騎士」を包み…………「女騎士」の怪我は完治した。
ーーー愛の勇者視点ーーー
私は、キミトと明日の再会を約束し、別れると、エメルディを抱えて借家に入った。
借家には幾つもの血溜まりがあり、その光景を眺めていると、自分がやってしまったことを思い出してくる。
私は、エメルディをベッドに運ぶと、1人外に出た。
マドリッド……リク……。
私を信じて着いてきてくれた仲間達……。
そして私が殺してしまった仲間達……。
今私に出来ることはただ1つ……。
ユメ=アイハラ……。
ミッツ=ジーノ……。
そして 朱雀・白虎・玄武 の3「勇者」。
あの者達は、この世の害悪だ。
愛に満ちた世界に存在してはいけない者達だ。
必ずこの手で討ち滅ぼす……。
例えそのために…………
我が命を使うことになったとしても……。
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