4-4 愛の「勇者」は友達が少ない
いつも読んでくれてありがとうございます(^_^)/
ーーー愛の勇者視点ーーー
私、マブール=タクウィンには、先日、久し振りに友人が出来た。
私が「ラブ&デストロイ」の2つ名がつくと、初級・中級の冒険者からは尊敬の眼差しで見られるようになった。
しかし、友人が出来にくくなった。
さらに、私が愛の「勇者」と呼ばれるようになると……パーティメンバーを除いて、本音で話してくれる人もいなくなった。
近寄ってくる女性も、金や権力を目的として近づいて来て、正直気持ちが悪い……。
そのため、良くも悪くもお金の関係性であるケモナーの泉にはまってしまったのである。
私は、女性が好きだ。
しかし、それとは別に気がねなく話せる男性の友人だってほしい。
…………私は、実は気づいていたんだ。
…………彼は恐らく「メタボリックの宴」が起こった(わからない人は2-3を読み直してみよう! )際に現場にいた「天使」と「でぶ」なんだろうと。
王国の入り口で見かけた際、「天使」、「美少女」、「猫耳」……全員美女だったのでついつい「解析鑑定」を使ったんだ。
だから、彼が街の人々を太らせるという謎の術を使ったり、教会を燃やしたり、神父を根絶やしにしたり……その犯人である可能性が高いことは理解していた。
だが、それ以上に、私は友人を欲しがっていた。
そして、ある意味異質な彼なら、私の友人になれるのでは? と思った。
私は彼に真面目な顔をしてふざけた質問をしてみた。
そしたら彼は、大真面目に答えてくれた。
私は、彼のそんな誠実さを、大変尊きものだと感じた。
それこそ、我らが愛でるケモミミ達のように……。
しかし、勿論きちんと仕事もしていた。
昨日、キミトのパーティと一緒に、「聖なる泉」を訪れた。
そこで、王国の異変の首謀者を、「魔王」軍幹部……ユメ=アイハラ と知った……。
ユメ=アイハラ……前回「魔王」城で戦った時は死霊の「勇者」の裏切りにより殺すことが出来なかった。
だから、私はあれほど合同パーティには反対したのだ……。
だが、今度こそ……討ち滅ぼさん!!!
ーーー女騎士視点ーーー
私、エメルディ=アスディオンは、今日は単独任務だった。
マドリッドとリクは家で上物のポーションの調薬をやれるだけやるということになり、私では全く手伝えないので、私は追加の薬草の採取へと行ってきた。
マブールは最近1人で情報収集へ行くので、今日もそうなのだろう。
マブールは本当に凄い男だ。
……えっ!? 私に恋愛感情はないからね?
多分マブールも私は範囲外だと思う。
そうこう考えていると、私達が王国で借りた一軒家についた。
初日は宿に泊まったのだが、リクが短期でも格安で借りられる一軒家を見つけてきたのである。
流石、うちのパーティメンバーは優秀だな!
マドリッドも、本職の弓以外に、調合の腕やマブールの手綱を握る手腕は……紛れもなく尊敬に値する。
「帰ったぞ~」
……ん? 2人とも出掛けているのか?
……あっ! なんだ!!驚かすなよ~……。
2人ともいるじゃないか!
もう! ドッキリってやつ?
…………返事がない…………ただの屍の様だ……。
……。
…………。
………………。
待て、なんとか冷静になれ……。
今出来る最善を考えろ……。
私は愛の「勇者」パーティの騎士。
そしてマブールの初めての仲間。
今は彼を助けなくては…………
「ぐふぉ! 」
私は、後ろから何者かに胸を貫かれた……。
私は、気力を振り絞って後ろへ振り向いた。
……嘘だよね。
…………皆、本当にイタズラが好きなんだな……。
貴方が皆を殺したの? マブール…………?
ーーーーーーー
「ぐっ……」
私は、マブールに胸を突かれた後、生死をさ迷っていた。
しかし、マブールがすぐに現場を去り、2人が残してくれた、調合ホヤホヤの上ポーションがあったから、何とか一命を取り留めた。
今は、誰でも良いから人に会って、医者を呼んでもらわないと……。
マブール……。
それでも私は、貴方を信じてるよ?
私達と貴方の旅は、まだまだこれからだから。
2人は、必ず私が助けるから……。
だから、必ず……私達のところに帰ってきてね?
ーーーーーーー
一方、こちらは修羅の国。
日夜、馬鹿みたいに戦が起こっている国である。
そんな中、とある名門領主の家に忍び寄る者が1人有りけり。
その者、頭上にLOVEを型どった奇抜な兜をしていた。
「我が呪われた血筋に破滅あれ……ラブ&デストロイ! 」
そして、僅か1刻の間に……。
修羅の国の名門 タクウィン家はこの世から姿を消したのである。
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