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回遊魚  作者: やま
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行進(3)秀樹

MillenniumparadeのFly with me って良くないですか?

秀樹は必死に逃げる道をこじ開けていた。人混みの中の合間を縫って諦めずに進んでいた。

逃げられるまであと数メートル…

しかし、あと少しで列から出られるところで秀樹の中である考えが頭の中をよぎった。

「このまま出たらまたあの日常に戻るのか?」

答えは明白だった。実際自分がここまでスリリングな体験をすることは人生で初めてであり、そして逃げてしまってはこれが最後だと感じた。

「あんな日常を過ごすくらいなら…」

秀樹は身を人混みの川へと委ねた。

最初は何をしたら良いのか分からなかったため、周りの人々と同じ様な行動をとる事にした。

しかし、時間が経つにつれて、なぜだか、自分にも周りと同じ感情がある。周りと同じ行動をとる。このような状況にすこしばかり快感を覚えてきた。

---自分はこの中の一員だ。

単純な考えだが、秀樹は、このような考えが自分を満たしてくれると感じるようになっていた。


10分後


秀樹はすでに、この刺激の虜になっていた。身の危険があるから、そして多数の人々の一員になるからこそ自分を満たしてくれるんだ。そのような考えに取り憑かれていた。

しかし、その多数の人々はもう既に、警官隊に逮捕されるか、逃げるかのどちらかの道を歩んでいた。

こんな所で逮捕されれば、なに食わぬ顔でこのような運動に参加出来なくなる。そうすれば自分を満たす要素はなくなってしまう。

そう考えて、秀樹は逃げるという道を選択した。


---清々しい。

そのような感情に支配されながら、秀樹は道の端を歩んでいた。

その時、視界の中に誰かがうずくまっているのが見えてきた。

博文だった。

秀樹は近づいていき、そして口を開いた。

「なんで泣いてんの?」

博文は驚いたように後ろを振り向いた。

「最高だったな。誘ってくれてありがとう。」

なぜ博文が呆気にとられているのか、秀樹は理解できなかった。

秀樹の痣は人混みの中にいた時に作られたものという解釈をしてください。


てか秀樹君全体主義に目覚めちゃった系ですね。

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