魔王城さっそくリフォーム中?
「魔王様!! 大変です起きてください!!」
「なんですかぁ~ もう飲めませんよぉ~」
昨日の落成式の飲み会で飲み過ぎたのと、新しいおっさん臭くないベッドで快適な眠りは、慌ただしく入ってきたクロウによって覚まされた。
「もうちょっとしたら起きて門番行きますからぁ~ ちゃんと門番しますからぁ~」
「どこの世界に門番を真面目にやる魔王がいるんですか? いいから起きてラッセルちゃん!」
クロウにしつこく起こされ、仕方なく魔王の間より出る。玉座の間を抜けダンジョン入り口がある大広間を見る。そこは・・・ ピンクだった!? 辺り一面どぎついピンクになっていた!!
「なにこれ?」
昨日までは石造りの、全体的に灰色だったはずなのに・・・ 現在は、装飾が施され、花とか飾ってある。たいまつだったところはキャンドルになっている。全体的に花の香りが充満しており息苦しい。昨日、一緒に飲んでいたいかついモンスター達の姿は見えない。入口側には当ダンジョンで最弱の魔物達が群れている。チビ悪魔や、モフモフ型の魔獣の中でも、愛くるしい奴ばかりである。いつもいるはずのケルベロスの姿は見えない。右側の通路から魔王四天王の三人が歩いてきた。
ヴァン「魔王様、あっちもひどいことになってますよ。」
ドラクル「許可したの魔王様でしょ? なんとかしてくださいよ。」
私は、一歩後ずさる。見なかったことにしてもう一回・・・
「ダメですよ。」
後ろからクロウが怖い顔で睨む。
「今、ほっといて寝直そうとか考えましたよね? だめですよ。」
なにも喋ってないよね!? 心の中読まないで!!
「クロウ、そんなこと考えてないよ・・・」
「そうですよね。偉大なる魔王様がそんなこと考えるわけありませんよね? 大変失礼いたしました。では、なんとかして頂けますか? 魔王様。」
「なんでもかんでも、魔王がしちゃいけないと思うな・・・ 部下も育たないし・・・」
沈黙が走る。無言の圧力も・・・ 私は仕方なく部下達が勝手に!! 勝手に!! 拡張したほうの区画へ行く。通路へ行くと右側に食堂、左側に小広間、さらに奥に宝物庫や、種族ごとに空きに作った部屋が並んでいる。見た瞬間わかった。小広間から異様な空気が漂ってくる。やはりそこにはピンクの空間があった。花が敷き詰められ、セイレーンやサキュバス、女性魔族がひしめいており、数人の若い細い魔族が上半身裸で首輪をされていた。奥に露出の多い水着のような格好でエリザベートが横たわっている。その周りをイケメンで固めて・・・
「魔王様、いらっしゃい。どうだい私のセンスは? 魔王様ならこっちに座ってもいいよ?」
エリザベートはそう言って隣の空いてるところを目配す。それは、私にも上半身裸になれってことですか? 弱ったこの現状をどう打破する? 殴るか? 殴っちゃうか? いやだめだ。エリザベートは女性だ、女性を殴ってはいけない。ここは魔王として懐も深いところを見せないと・・・ でも、どうやって? なるようになるか?
「エリザベートよ。おまえは美しいな。」
「なに言ってるんだい♪ 魔王様♪」
「その鍛え抜かれた体は、どんな男に負けず、どんな彫刻よりも美しかったろうな、でも、所詮は女性だったな。ここでゆっくり朽ちていけ。」
「ケンカ売ってるのかい?」
「お前に売る価値などない。」
エリザベートはすごい勢いで立ち上がり、ラッセルに向かってきた。右拳に黒い光が集まりラッセルの顔面を打ち抜く。後方に爆風が起こる・・・ が、ラッセルは微動だにしなかった。拳を引くエリザベート。
「魔王様、なんでやり返さないんです。」
「エリザベート、お前は俺の部下で女性なんだ。いま向かってきたお前の姿を私は一番美しいと思うよ。」
「まっ魔王様、私はなんてことを・・・」
エリザベートが魔王に抱きついた、魔王より背丈のあるエリザベートに抱きつかれ、足が宙に浮くラッセル。なんか体がミシミシいってます・・・
「いつものエリザベートに戻ってくれてうれしいよ。」
そう言って微笑みながらその場を後にした。そして王の間にクロウをつれ足早に戻る。
「ちょ――― いたいんですけど―――?」
藻掻き苦しむラッセルの右頬に片手を置き、魔力を込めるクロウ。段々と青くなってきていた右頬が赤くなりいつもの状態に戻る。それと同時に痛みも消えていく。
「よく我慢したね。ラッセルちゃん。」
「女殴った魔王って言われるのかっこわるいし・・・」
読んで頂いてありがとうございます^^
年明け一回目 のんびり書いております。




