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南からの帰還

 ゴーレムの脅威が去ったことはハーピーの伝令で南へ避難をしていた者達にすぐに伝わった。

 一部の者はとんぼ返りを、一部の者は南の国でしばしの滞在を・・・ 


「魔王様、避難していた者達が順に戻りつつあります、魔王様に感謝を伝えたいと言う者もおりますが、いかがいたしますか?」

「別にそんなのいいよ、戦えない奴もいつかは一緒に戦う奴になるんだし・・・」

「確かにそうかもしれませんけど・・・ 魔王様が尊敬されてると私もいろいろと都合がいいと・・・」

「よっ腹黒参謀!!」

「馬鹿行ってないでラッセルちゃん、うちも魔女達やリザードマン、人魚達と段々と増えていってるんだからさ」

「なぁ、クロウ、王様ってなんなんだ?」

「えらく哲学的なこと聞いてくるじゃないか?」

「魔王だ、魔王だって言ってるけど、俺って魔王なのかな?」

「そうですか・・・ そうですね」


 少し考え込むクロウ。


「魔王様、ちょっとお願いがありまして、避難から一気に帰ってきた者で食料が不安です。申し訳ないのですが森に一匹狩りに行ってくれませんか? それをオークの料理長に渡してください。料理長には私から言っておきますので、ゆっくりでいいですから」


 そう言ってクロウが笑い、部屋を後にした。

 質問の答えになってないな、はぐらかされたか?

 まぁいい、ちょっと暇つぶしに行ってくるかな。


 外はいい天気だ。


「魔王たま、魔王たま」

「おまえも帰ってたのか、悪かったな大変だったろ?」

「うんうん、魔王たまが守ってくれたって、あっお母さんが会ったらちゃんと言えって、魔王たま、守ってくれてありがとう」


 ちび悪魔の頭を撫で、その場を後にする。


「魔王様、どこいくんですか?」

「ジャン、実は腹黒参謀殿に食料とってこいって言われてよ」

「おや、昨日覗いたときは食料庫はいっぱいでしたけどね?」

「ジャン・・・ お前が覗いたから獲りにいかされるんじゃないのか? でも、言われてみれば俺が見たときも結構あったような・・・」

「魔王様・・・ 俺を責めるの間違ってませんか? でも、まぁ仕方ない責任とって俺もつきあいますよ」

「そうか、じゃあそうしてくれ」


 森の中を駆ける二人。

 獣のにおいをたどり、走り抜けていく。


「おい、ジャンあれにしようぜ」


 見えたのは黒い毛皮の四足歩行の獣、二人は両側から回り込み一気に突入した。

 獣は抗うこともできずにジャンの一撃で昏倒した。


「こいつ一匹で充分だな」


 大きい獣をジャンが担ぎ二人は魔王城に戻る。


「なぁ、ジャン、王様ってなんだろうな?」

「どうしたんです? なんか悩んでるんですかい?」

「別に悩んでないけどさ・・・ 他の奴がやったらもっとうまくいくのかなって?」

「どうでしょうね、それはやってみないとわかりませんね」

「そうだよな」

「なるほど、だからクロウ様は・・・」

「なんだよ」

「いやいや面白いですね。さぁ、帰りましょう魔王様」

「なんだよ」


 城に戻るとジャンは用事ができたからと獣を渡してどこかへ行ってしまった。


「魔王様、そいつはうまそうですね」

「おう料理長のところ持っていくんだ」

「そりゃ、楽しみだ」


「まーお、おかえり、おくさんとこ行くの?」

「あぁ、お前もくるか?」

「うん♪」


「魔王様、魚を捕ってきたんですが食べませんか? アンジェリーナ様も」


 串に刺された魚を二人で食べながら歩く。


「これは魔王様、魔王たる者魚をかじりながら歩くなんてみっともないですぞ」

「セガール、堅いこと言うなよ」

「それに狩りなど下っ端のすること、クロウ様の命令? これはきつく言っておかないといけませんな。では、失礼します魔王様」


 すまん、クロウ。


「料理長、クロウに聞いてるか? これここ置けばいいか?」

「これは魔王様ありがとうございます。今夜もこれで美味しい料理作りますぜ」

「楽しみにしてるな」


「ここにいたんですねアンジー、今日は服の採寸するって言ってたでしょ? これは魔王様失礼いたします、ほらアンジーついてきなさい」

「あんじーまたな」


 さて戻るか・・・


 椅子に座るとクロウがやってくる。


「おかえりなさいませ、魔王様、食料ありがとうございました」

「二人の時はラッセルでいい」

「じゃあラッセルちゃん、どうだった?」

「なにが?」

「いろんな人にあったんでしょ?」

「会ったけど、それが?」

「会った人たちはラッセルちゃんのことなんて呼んでた? 魔王様って呼んでなかったかい? そう呼ぶの嫌そうだったかい?」

「嫌そうではなかったけど・・・」

「僕は王様になったことがないから正直よくわからない、でも、みんなの王様だからみんなから王様って呼ばれる人が王様なんじゃないのかなって思うよ」

「それを伝えるためにこんなことを?」

「いや僕があーだこうだ言っても納得しないかなって思ってね」


 こいつは俺のことを考えてくれてんだな。


「ありがとな、クロウ」

「いいえお役に立てましたら何よりでございます魔王様」

「そう言えばセガールにも会ったよ・・・」

「なんか言ってた?」

「魔王に使いっ走りさせるなんてなんて参謀だって・・・」

「いやぁぁぁぁぁぁ―――」







 


 


 


 

読んで頂いてありがとうございます^^

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