表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/84

魔王の魔法

 少女は思っていた。

 あんまり役に立てなかったのではないか?

 あの人魚に負けているのではないか? まーおを助けたのはあの人魚だった。

 あの人魚がこなければ負けていたかもしれない・・・


 外の広場にたたずみ、手の上に小さな火球を幾重にもだし、一斉に石柱にぶつける。

 哀れな姿になった石柱はガラガラと崩れ落ちた。

 石なら簡単に壊せる、だがあの虹色の石像には当る直前に魔力をかき消されてしまう。

 火球を巨大にしたら? いや火の攻撃じゃだめなんだ・・・

 雷は少し効いた気がする。相手が鉱物だったから反応したんだ、でも、すぐ動き出した。

 少女は一生懸命考える。

 魔法は効果がほとんどない。

 私は役に立てないの? そんなことないなにか出来るはずなんだ。

 直接当てない魔法なら?


 少女は広場に向かって集中する。


 よく使う魔法、転移魔法ゲート。

 ゲートを地面の中に出現させる、それだけじゃダメだ、地面を切り取らないといけない、地面すれすれまで魔力を広げる!!

 前方の地面がずるずると落ちていく。そして、その上空に作った魔力穴から切り取られた地面が出現していき、目の前に出来た大穴に勢いをつけて落下した。


「落とし穴どっかんの魔法完成」

 

 これならば魔力を阻害されずに攻撃できたのに・・・ あの時私が思いついていたら、まーおは痛い思いしなくて良かったのに・・・


「お――― 今の魔法すげえな、あんじーがやったんだろ?」


 いきなり声をかけられドキッとする。

 

「まーおいつからいたの?」

「いま来たとこだよ」

「そっか」

「あんじー俺のこの間の状態ってわかるか?」

「まーおの変身のこと?」

「そう」

「多分だけどね。まーおって魔法が使えないんじゃなくて、ずっと魔法を使ってる状態で・・・」


 まーおは魔法を使っている、身体強化の魔法、魔力を力に変えている。強くなりたいと思う気持ちに魔力が反応して産まれた魔法、簡単な魔法すらうまく使えないのはそのせいだと思う。人一倍魔力が強いのはずっと魔法を使い続け鍛えていたから、あんな形に変容したのは守れなかった悔しさに魔力が答えた。


「ってあたしは思うよ」

「じゃあ、その魔法を使うのやめれば魔法が使えるようになるってことか?」

「うん、多分そうだと思う」

「そうなのか、これでクロウにバカにされずに済むな!! で、どうやって魔法をやめるんだ?」

「わかりません♪」

「おまえがわからないんじゃ誰もわからねえじゃねえか・・・ やっぱりクロウにバカにされたままか・・・」

「!? ・・・」

「まっ仕方ねえか、あんじー飯食いにいこうぜ」

「うん」


 二人は並んで歩き出す。


「なぁ、あんじー、おまえのおかげで助かってるよ。あんまり気にするな」


 涙があふれそうになるのを我慢する。

 気づかれていた、見てくれていた、この人はたまに大きな魔法を使ってくる。

 隣を歩くまーおの揺れる手を掴みたい、子供だって思われるかな?


「ん」


 そっと出された手、出してくれた手を握り返さないのは失礼だ、そうだよね?

 傷だらけの堅い手を握り歩いて行く。


「まーおは魔法使えなくていいんだよ。私が代わりに使ってあげるから」

「ほら、でも、使えた方がいろいろとかっこいいんじゃね?」

「いいのいいのだって魔法なんか使えなくても・・・」

「魔王様はそのままがかっこいいです!! 素晴らしいです!! あぁ~ 私の魔王様、私はいつでも魔王様のそばにおりますぞ!! おい、ちみっこ邪魔だ、魔王様の姿がもっと見たい前からどけ」


 水からひょこっと顔を出したダスティが話に割り込む。


「まーお、ちょっとだけ待ってね、我が魔力よ限界を超え・・・・・・・・・」


 上空に集まってきた黒雲から一筋の巨大な光が走る。


「ぎゃぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁあ」

 

 静寂が訪れ焦げた臭いと美味しそうな臭いが・・・


「いこ、まーお」

「あいつほっといていいのかな?」

「大丈夫だよ、お腹空いた」

「なんか魚食いたくなったな」

「え――― 魚嫌い!!」


 二人はのんびりと歩いて行く。

 

 

読んで頂いてありがとうございます^^

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ