帰還、そして決戦・・・
魔王城の門の片側でいまかいまかと待っている少女と子竜。
城が近くなって走る速さを下げた3人を見つけて、その小さい足で駆け寄った。
青年はニコリと笑いいつものように少女と子竜の頭を撫でた。
待っててくれたのか? ありがとう そう言った青年の顔はいつもと違って疲れている気がした。
「チビ、お前は帰れな。なにかあったら竜王さんに申し訳ないから。」
「あぎゃぁ・・・ あぎゃ!!」
チビはこちらを何度か見ながら東へと飛び立った。
傷だらけの皆の様子を見ながら、城の中に入り玉座に座る。
勝てないかもしれない・・・ 不安がよぎる・・・
俺は知っているんだ、負けることを・・・
負けた奴がどうなるかを・・・
おかえり、ラッセルちゃん・・・ 明日なんだけど・・・ やばかったら逃げるから♪
はぁ?
新しい魔王城建設とかも面白いかも?
久しぶりに笑った・・・
ラッセルちゃん、気負いすぎだよ。
ありがとな、相棒。
ご飯でも食べておいでよ。
お前もシガニーのスープ飲んでこいよ♪
あ・・・ うん・・・ えと・・・ うん・・・
食事をし、自分のベッドでの睡眠、体の疲労とは裏腹に深い眠りが訪れることはなかった。
門の前に立ち敵を待ち受けるラッセル。
「きました魔王様、敵は30程です。」
シガニーの合図で魔女達が火球を放つが、炎の効果は一切見られなかった。
疲弊した牙族、リザードマンの大槌も一切ダメージが通らない。
まともに戦えるのは3人だけ・・・
やるしかない!!
莫大な魔力を身に纏い魔王は敵に向かっていく。
一体、また一体とゴーレムの足を砕き倒していく。
五体倒したとき、後ろから声が聞こえた。
「ガハァ・・・」
振り向いたときドラクルは遙か後方まで飛ばされて倒れていた。
ストーンゴーレムの隙間から伸びた鈍い虹色の手は静かに体に引き寄せられる。
あれがクロウの言ってたやつか?
「シガニーさん、あいつに火球の魔法をお願いします!!」
シガニーが放った火球は虹色のゴーレムに当るか当らないかの所で霧散した・・・
「あれは、もしかして・・・ ミスリル?」
もし、あれがミスリルなら壊せない・・・ 撤退すべきか?
クロウが思考を巡らせている間に魔王はすでに動いていた。
壊れたストーンゴーレムを振り回しミスリルゴーレムにぶち当てる。
砕け散るストーンゴレーム、すかさず蹴りを放ち足を狙う。
魔王の蹴りは効果がなく、ただ激しい痛みだけが残った。
ミスリルゴーレムは上体を捻り大きく片腕をあげて振り下ろした。
ラッセルは魔力を高めそれに備えた。
ミスリルゴーレムの平手打ちを受け止めたとき、腕にある魔力が一瞬にして消え、ラッセルはそのまま吹き飛ばされ倒れ込む。
ストーンゴーレム達が1カ所に集まり動きを止めたなにかを守るように・・・
その場に一匹残ったミスリルゴーレムはゆっくりと動きだし、一直線に倒れたラッセルへと向かっていった。
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