たき火の前で
牙族とリザードマン達が簡単な野営の準備をしている。
あと二時間もすれば日は落ちるだろう。
「こっちは合流したリザードマン達も参加したいって言って人数増えたぞ」
「そうですか、食事は足りますか?」
「多めに持ってきたし、大丈夫だろう。武器もリザードマンに全員に行き渡った」
「そうですか、こちらは魔女さん達ががんばってくれたおかげでアイスゴーレムは全て討伐できたと思います。ただ・・・」
クロウは目撃した不思議な色のゴーレムと飛んできた氷のつららの話をラッセルに伝える。
「魔王様、戦闘中、心にとめておいてください」
「わかった」
「私はこのまま魔王様と行きますが、魔女さんたちには、一度魔王城に戻って頂きます」
「そんな、クロウ様、私も共に・・・」
「え――― まーおと一緒に行くよ」
「なぁ、あんじー本当に良くやってくれた、お城に戻ってご飯いっぱい食べて明後日くらいにまた手伝ってほしいんだ、だめか?」
「シガニーさん、魔女さん達は疲れていますので、一度休んでください、頼りにしているから休んで欲しいのです」
二人は魔女達を連れて渋々城の方へ飛んでいった。シガニーが何度も何度もクロウの方を見ていた。
「なぁ、クロウ・・・ なんかあった?」
「内緒です・・・」
二人はたき火の前で作戦のおさらいをする。
炎で燃やすことでゴーレムの色が変わった、予想が正しければ・・・
ラッセルちゃん、お願いが・・・
次の日の午後、森の終わり、岩だらけの平原、魔王軍はゴーレム達と遭遇した。
単身、駆ける細身の青年、砂煙を上げ、ゴーレムの先頭へ突っ込む。
灰色になったゴーレムの足を蹴り抜く、前より堅いか? でも割りやすい。
ゴーレムの拳が振り下ろされる、受け止めるラッセル、前より軽い!!
後方へ飛び、手を上げる。
空中へ浮かび上がり、クロウが前を指す、皆、前へ!!
雄叫びを伴い、100名前後の戦士達が走り出した。
魔王の役目、ゴーレムの前回との違いの確認、皆と戦ったことのある魔王だからできる、敵と味方の力の比較。
クロウの思った通り、水分を飛ばすことにより割れやすくなり、重量が減り攻撃が弱くなる。
牙族の拳は効くかどうか? リザードマン達に持たせた大槌の効果の判断を魔王にゆだねた。
クロウは飛び回り指示を与える。
「リザードマン達は足を狙え、動けなくすればいい、牙族と協力して一匹ずつ無力化していけ。」
拳を交わし、そのままよろけたゴーレムの腕をつかみ後方へ放り投げる。
魔王が放り投げたゴーレムの足をリザードマン数人で砕いた。
「ドラクル、ジャン、二手分かれて左右から挟撃!! 魔王様そのまま思いっきり!!」
「「「おう!!」」」
魔王がゴーレムを壊すことによって、ゴーレムの壁ができあがり、ゴーレムの列は左右二手に分かれることを余儀なくされた。
ドラクルとジャンは左右にわかれ少なくなったゴーレムを確実に潰していった。
「一旦引いて!!」
クロウの合図で魔王軍は後退した。
山積みになった足を壊されたゴーレム達はその場でバタバタとして、後ろのゴーレム達の邪魔をした。
野営地を魔王城側に設営し体を休める。
「よくやったな」
皆の所を回り声をかける魔王とクロウ。
「あんなでくの坊ども楽勝ですぜ」
昨日とは違い、笑い声も少し混じる、今日は作戦が上手くいきけが人も出なかった。
100体位は倒したのではないだろうか? クロウの計算なら後200体ほど倒せば・・・
次の日の午後、同じ作戦を決行する。
クロウは飛び上がり上空から敵を見下ろした。
「増えてる?」
20体程昨日見た奴とは違う色のゴーレムが目に映った。
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