敵を知り己を知る
「くろ!!」
クロウを見つけたあんじーが近づいて来る。
「まーおが戦ってるの、リザちゃん達助けるために戦ってるの」
「あそこだね、リザードマン達は?」
「あそこら辺」
指さした方向に緑の集団が見える、あそこまで離れれば茶色の軍団の速度では追いつけないだろう。
「シガニーさん僕とリザードマンの手当を、行軍速度を上げます。あんじーさん、ドラクルとジャンと3人で魔王様の回収を、回収したらそのまま魔王城に戻ります」
茶色い人型の中に白い奴が混じる。
殴って壊せないこともないが、茶色い奴より堅い、そして冷たい・・・ 殴れば殴るほど手にダメージが残って行くのがわかる。
後ろに飛び退きそのまま高く飛びあがる。
遙か先に見えるうねりは一向に減る気配はない、このままだといつかは・・・
「まおうさま―――!!」
あんじーを先頭に上空から迫るごついおっさん二人に両腕をつかまれ、そのまま連れ去られる。
「おい、何をする!!」
「リザードマンは逃げ切れそうです。クロウ様の指示です。」
「クロウの指示か・・・ チクショウ・・・」
一対一なら余裕で勝てるが、あの数だと・・・
ラッセルはずっと先まで続く大群をにらみながらそのまま連れ去られた。
リザードマンの回復を終え魔王城に戻るクロウとシガニー、目の前には不機嫌な顔をした魔王様がいる。
「クロウ、リザードマンたちは?」
「傷は癒やしたよ、数が多いからそのままこっちに向かってきてもらってるよ。追いつかれることはないね」
「なぜ、俺を戻した!!」
「魔王様はあのまま勝てたのでしょうか?」
回りにいる者達がざわつく、不敬ではないかという声も・・・
「・・・負けない・・・」
「はい、魔王様は強いので負けるはずがございません、だが、私の仕事は魔王様に必ず勝っていただく為の策を練ることだと思っております。」
そして、魔王の前で片膝をつく。
「魔王様、敵の行軍は遅い、進軍の方向はこの魔王城のある方向、おそらく5日後には目視出来るところに現れるでしょう。それまでに必ず勝つための策を、この魔王城にいる者達を守るために」
魔王が立ち上がる。
「わかった、クロウお前に一任する。皆、体を休め力を蓄えろ」
皆が解散する中、魔王の側に近寄るクロウ。
「ラッセルちゃん、ごめん、詳しい話を聞かせてほしい」
「わかった」
二人は書庫で一夜を明かす。
どんな敵だったかしつこくクロウに聞かれる。
魔王の膝を枕に眠るあんじー、シガニーが途中でお茶を入れてくれたがその後の記憶がない、疲れていたのか眠っていた。
起きたときもまだ、クロウは本を読みふけっていた。
「起きたのラッセルちゃん?」
「すまなかったなクロウ」
「こっちこそごめんね、皆の前で・・・ ラッセルちゃん、これを見て」
差し出された本に書かれていたのは昨日対峙した土塊たちだった。
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