土塊の襲撃
報告を受け門に集まる魔王軍幹部達、傷ついたリザードマンを抱き寄せる魔王。
「おい、しっかりしろ、クロウ回復を!!」
「まっ・・・ まおうさま・・・」
若いリザードマンは掠れた声を紡ぐ。
「村が・・・ 村が襲撃されました。 見たこともない化け物の大軍が攻めてきてみんなが・・・ 若い私に急いで報告しろと・・・」
涙を流すリザードマン、場内にいるリザードマンが猛る!!
「よくやった休め、後は任せろ」
傷は癒えても体力までは戻らない、リザードマンを呼び休ませろと指示し若いリザードマンを城内に運んで行く。
「クロウ!!」
「うん、あんじーさんゲートは北だと使えませんね、魔王様を連れて北へ飛んでください情報がほしいです」
「あいあい!!」
「魔王様戦闘は基本禁止です、あんじーさんに絶対怪我させないでください」
「わかった」
「シガニーさん、私とドラクルとジャンを運んでください、あくまで偵察です戦闘は禁止です」
「わかりました」
「セガールさん、城を頼みます。備えてください!! 」
「うむ」
猛るリザードマンをクロウは一括する!!
「力を貯めておけ、すぐに働いてもらうことになる」
珍しい参謀殿の声にリザードマン達も静まる、溢れ燃え上がる炎からするどい刃物のように変化する。
「行って!! 追いつくから。チビはだめ!!」
「あぎゃぁ・・・」
飛び上がるあんじーと魔王、その姿は一瞬で小さくなり見えなくなった。
リザードマンの村まで歩きで三日ほど、あんじーの速度なら1時間もかからないはずだ。
息も出来ないほどのスピードで空を駆けるあんじー、北へ行けば行くほど上空の風は冷たくなってくる。
俺はあんじーを軽く抱きしめ、顔に風があたらないように腕を前に出す、腕にかかる冷たさ・・・ これに耐えながら駆けてくれている、小さな少女に心から感謝をした。
少女は上にある俺の顔を見上げにっと笑う、そして前を向いた少女はさらに速度をあげた。
遠くに炎が見える木々をなぎ倒し茶色と白のうねり、はるか先まで続くゆっくりした行軍、あれが敵か?
茶色の先頭の先に喧噪が聞こえる、緑の群れが数人で茶色を倒しては逃げる。
「あんじー茶色の先頭の上へ行ってくれ」
近づいて見えたのはリザードマン達が傷だらけで振り回されながらも戦う姿。
「すまん、あんじー上にいてくれ、絶対近づくな」
「まーお、くろがだめって!!」
「わるい、ほっとけない!!」
そう言い残して飛び降りる魔王、豪快な音を立てながら着地してすぐに先頭の動く土塊をたたき壊す、意外と堅い・・・ 土塊が振り下ろした拳を受け止める重い・・・ リザードマン達はこいつら相手によく戦った。
周辺の土塊を吹き飛ばして安全を確保する。
「魔王様!?」
「おう、お前達よく頑張ったな、一旦引け、傷ついた仲間を運べ」
「魔王様!! 我らも共に!! 仲間の仇を!!」
「俺もある程度倒したら下がる、戦いはこれからだ、今は引け」
リザードマンが従うのを見て、ラッセルはゆっくり迫り来る新たな動く土塊に向かって行く。
時間を稼ぐ、すでに事切れたかのようなリザードマンを横目に見ながら拳に力を込めた。もう少し早ければ・・・
遅れること30分、リザードマンの無残にも壊れた集落の上空にクロウ達が到着する。
「これは一体、なんなんだ?」
茶色と白の一列になったうねりはまだはるか先まで続いていた。
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