竜の王、困惑する
みんなをからかって、魔王がしかられたのは説明するまでもないだろう。
いろんな所から苦情がきたが、まぁ、今日は仕方ない。それ以上に面白かった。
クロウがもしよろしかったら食べませんか? と上半身をむかれたセガールを指さし竜王に聞いたのが印象的だった。
外に料理を運ばせ、運んでくれたお礼にと竜王をご飯に誘う。
―――ここがお前の家か―――
「あぁ、そうだ。いいとこだろ?」
―――悪くないな―――
クロウが竜王の前にでて頭を下げる。
「竜王様、うちの魔王がご迷惑を掛けたみたいで、もしあれでよかったら献上させて頂きますよ」
―――いや、私は人は食ったことがないのだ―――
「そうですか、一度お試しになりませんか? すぐ用意しますよ!!」
―――あ・・・ うん・・・ 気が向いたら・・・ ―――
「絶対ですよ、すぐに用意しますから言ってくださいよ!!」
本当に残念そうに、本当に残念そうに、クロウは戻っていった。
何があったのか知らないが珍しいものを見た。
―――さて、魔王よ、馳走になった、機会あればまた遊びにくるがいい、我が子も喜ぶだろう―――
「こっちこそありがとうな、楽しかったわ」
竜王は上体を起こし、あんじーと子竜の方を向く。
「あぎゃ? あぎゃぎゃ」
子竜はあんじーの腰に抱きつき、向こうへ行こうとする。
「ぐぎゃぎゃ」
「あぎゃ!!」
―――魔王よ、これが反抗期と言うものなのか? 我が子が帰りたくないと・・・ ―――
「仲いいもんな、竜王さんも泊まっていくかい?」
―――それはいかん、我はあの山の竜王、外泊などしたら妻になんと言われるか・・・ ―――
奥さんいるんだ、そりゃそうか・・・
「ぐっぎゃぎゃ」
「あぎゃ!!」
―――やだ、帰んないと言ってる。魔王よ、我が子を一晩頼めるか? 明日、迎えにくるゆえ―――
「あー任せてくれて、竜の王子様、大切に預からせてもらうよ」
―――頼む―――
そう言った竜王は翼を広げ大地を蹴った。
魔王城の上を一周し東へと飛んでいった。
「あんじー、ちびちゃん今日泊まるって、お前面倒見ろよ~」
「うん、わかった~」
城の中に入っていく少女と子竜、竜王の奥さん怒ってこっち攻めてこないといいけど・・・
魔王も城の中に戻り眠りについた。
次の日の朝、大きな羽音で目を覚ます。
外に出た魔王が見たのは沢山の竜に囲まれた魔王城の姿だった。
「すげぇな」
門の前で竜王と1匹の白い竜が前に出る。
―――魔王よ、妻だ、世話になったな。―――
大きな獣をラッセルの前に置き、頭を下げる白い竜。
ちびはぎゃぎゃぎゃと逃げていたが最後には白い竜にくわえられて東へと帰って行く。
あんじーが少し寂しそうだったが仕方ない。
「あんじーまた会いにいこうな」
「うん♪」
魔王はもらった獣を食堂まで担ぐ。
朝から大騒ぎ、また怒られるんだろうなとため息をつきながら・・・
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