竜、華麗に登場!!
あんじーは一瞬のことで声も出せなかった。
ここで出会った鳥を飼ってもいいよとまーおが言ってくれてる途中だった。
まーおの方へ向くとさっきまで灰色の岩山のように見えていたものが、赤く染まりその腕を振り下ろした、瞬間、目の前にいたまーおが飛んでいった。
山だと思っていた物体は上体を起こし、その巨体の全てを赤に変えていく。
完全に起き上がったその姿は山のようにあんじーの前にそびえ立ち見下ろす。
まーおをいきなり叩いた、もし自分が同じ事をやられたらどうなるのか? すぐ想像出来た。
逃げる まーおを置いて? 自分の後ろには小さな鳥もいる。
まーお怖い 助けて
あんじーは箒を前にかざした。
震える手を隠すこともできない、ただ構えていた。
赤い巨大な山は片腕をあんじーの方に伸ばす。
岩山が大きく崩れ、影が飛び出す。
「おーいてっ 大丈夫か? あんじー!!」
あんじーの前に飛び出した影は伸びてきた手を受け止める。
いつもの背中が目の前にはあった。
恐怖から解放され貯まっていた涙が一気にこぼれる。
「あんじー下がってろ!!」
あんじーは小さな鳥を抱きしめ、後ろへ下がる。
そのとき山は雄叫びをあげた。
「ぎゃぉぉぉぉぉぉ」
そして、もう片方の巨大な手が魔王の頭めがけて飛んでくる。
さっきのように油断はしてない魔王はその腕をかろうじて受け止めた。
「おまえが竜か!? おとなしいんじゃなかったのかよ?」
魔王の手にかかる圧力が増える。
力負けして片膝をつく魔王。
魔力を高め両腕に力を込めなんとかもちなおす。
魔王になってからは、誰一人としてラッセルに力で勝った者はいない、魔王の細い体でなぜ? そう言われて調子にのってた、今、赤い竜に力負けしてる。
一瞬でも気を抜けば一気に潰される。
「まーお!!」
俺の後ろにはあんじーがいる。
負けるか!! 俺が負けたらシガニーに合わす顔がない、力を入れ直す魔王に少し後ろに押される赤き竜。
膠着状態が続く。
「あ、だめ!!」
あんじーに抱かれた小さな鳥が腕から抜け出しこちらに近づく。
瞬間、竜の力が抜けた、魔王はその瞬間を見逃さず、赤き竜の片腕をひき、横の岩山にその巨体を投げた。
頭から岩に突っ込む竜。
「お返しだ」
岩山に突っ込んだ竜を見下ろす。
疲労でいっぱいの腕をブラブラしながら放ったその言葉が精一杯だった。
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