竜が住む山
「いい、あんじー怖いことあったら魔王様なんかほっといて、ゲートの魔法でこっちに戻ってくるのよ」
「うん♪」
「おまえなぁ・・・ あんじーもうんって言うなよ・・・」
「大丈夫、まーおは私が守ってあげるから♪」
「はぁ・・・ ありがとうございます・・・」
魔女達に笑われながら村を出発する。
あんじーの箒から光の粉が出現し、魔王の体を覆う。
「まーお、箒に捕まって、いっくよ~♪」
体がぐいっと引っ張られる、あんじーの全速の飛行魔法。
箒にまたがった少女は一気に上昇し、角度を一気に変え、一直線に東のさらに東へ。
その姿はまさに帚星、流れる星のようにあっという間に魔女の村は見えなくなった。
「あの辺かな?」
箒の舳先を軽く曲げ、体の側面で空気の抵抗を受けブレーキをかける。
眼前に巨大な山がそびえ立ち、頂上は雲に隠れ見えない。
中腹に少し開けた場所を見つけ、そこへ一気に急降下。
ふわっと地面直前で止まるあんじーとは違い、勢いでそのまま尻餅をつく魔王。
「いてっ」
「あっごめん、まーお大丈夫?」
「おぉ、大丈夫だ、あんじーいつも加減して飛んでくれてたんだな」
シガニーの飛行魔法は何度かかけてもらったことはあったが、こんなに速くなかった。
この速さで飛んだら、クロウならきっと気を失ってしまう。
「さて、竜はどこにいるのかな? あんじーわかるか?」
「来たことないし、わかんない」
とりあえず歩いてみるか・・・
魔女達の話では竜達はおとないしい種族でこちらから何もしなければ何もしてこないらしい。
魔女達も直接的な接触はしてこなかったから詳しくはないが、その力は巨大で火を吐く個体もいるとか?
切り立った岩山の間をを二人でのんびり歩く。
あんじー大丈夫か? 気をつけろよ。
「うん、大丈夫」
「あぎゃ」
うん、よかった、あぎゃ?
ゆっくり振り返った魔王が見たのは小さな鳥だった。
あんじーの体の半分くらいの鳥、短い足をパタパタとしながらあんじーについてくる。
なんだ、それ? 変わった鳥だな。
「うん、さっきからついてきた。かわいいよ」
そう言って、鳥ののど元を撫でると気持ちよさそうにしている。
あんじーが撫でてると腹を見せて、撫でて欲しそうにしている。
あんじーは気に入ったのか、楽しそうに遊んでいる。
「親とかいないのかな? なぁ、あんじー・・・ もしそいつ一人なら城に一緒に連れてくか?」
ひとりぼっちはさみしいもんな、ひとりぼっちだからそんなになついてるのかも・・・
ゾワッ なんだ?
ドガァァァァァァ
寒気を感じた時にはすでに遅かった、ラッセルは岩山の中に突っ込んでいた。
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