クロウ様にお願い♪
豪快に焼いた肉にかぶりつく魔王、ここは魔王城の食堂である。
大概の魔物達は自分の住みかで食事をするのだが、魔王城に常駐してるものや魔王軍の幹部達は大体ここで食事をしていた。
ここの料理を担当しているのはオーク達、オークの料理長が作る獣料理は最高にうまい。
狩猟で捕まえたものを持ってくれば喜んで料理してくれる、獲物をさばくとき笑ってるのが少し怖いが・・・
「ほら、あんじー口元にスープついてますよ。お野菜もちゃんと食べて」
口元についたスープをシガニーに拭かれる。
「うん・・・ 野菜嫌い・・・」
最近は、自分とクロウ、あんじーとシガニーがひとつのテーブルに座って食べることが多い。
今日は、いつもとちょっと違っていた。
「それでな、クロウ、いろいろ落ち着いてきたし、また探索の方をしたいなぁって思ってるんだが・・・」
じろっとにらみ咳払いをするクロウ。
「わかりました、そういうことでしたらドラクルとジャンに探索を命じましょう、わざわざ魔王様が行く必要はございません」
やっぱりおまえならそう言うよな・・・ 思った通りの解答が帰ってくる、
「おやおやクロウ様、魔王様の参謀ともあろう者が魔王様のご意見を聞かぬ等、器の小さいことで」
そう今日はなぜかセガールが同じテーブルに座っているのだ。
魔王の呼びかけに応じ、城内に戻ってきたセガールは今までの遅れを取り戻すように働いた。
魔王軍の部隊リスト、配置など、通常はクロウ一人がやるところを押しのけるようにやっていた。
クロウに何度も問いただされたくらいだ? おかしくなったと・・・
クロウは魔王に耳打ちする。
「今日、やけに突っかかってくるんだけどラッセルちゃんなにしたの?」
笑いながらクロウの目線をかわす。
昼間に言った薬が持った異常に効いたみたいで・・・ 魔王対前魔王から参謀下克上の構図に変わったようだ、個人的にはとても楽でいい。
「クロウ様、魔王と言うのは元来自由な者、制限を掛けることで魔王様の能力を殺しているのではないのですか?」
いいぞぉ、もっと言え―――
「セガールさん、魔王がどっしりと構えてこそ国がなりたつと私は思います」
こんな大人しい魔王どこにいると?
「クロウ様、私が!! 私が魔王城におりますし少しくらいなら羽を伸ばしてもよろしいでしょう。ねぇ、魔王様?」
セガールさん、素晴らしいです♪ よくもここまで変われるものです。
ますます険悪になっていく関係の二人はほっておこう、なるようになるだろう。
「そういえばシガニー、魔女の村って帰ってるの? あの向こうってどうなってるの?」
「魔王様、たまに帰ってますよ、あっちも特になにごともなく過ごしてるみたいです。魔女の村を越えたところに竜達が住んでる場所がありますよ。」
竜? って?
「そうですねぇ、リザードマンに羽はやして、大きくしたような感じですかね」
へぇ~ そんな奴がいるんだ・・・
まだ言い合いを続けてるクロウとセガールを無視して、ラッセルはシガニーの話に興味津々だった。
読んで頂いてありがとうございます^^




