沈黙のセガール
「おいっ!! いるんだろ、セガール」
扉をノックしても何の応答もないことにラッセルは苛立っていた。
クロウにこてんぱんにやられてからセガールの姿を見ていない。
人魚との戦いで不在のときジャンが見たらしいが・・・
「ねぇ、まーお、中から音がする。」
扉に耳をあてたあんじーに言われて、自分も耳を当ててみた。
中からカタコト聞こえる・・・ いるな・・・ さて、どうするか?
あ――― セガールいないみたいだなぁ。頼みたいことあったのに残念だぁ(棒読み)
知ってるか? あんじー、あいつ力はそこそこだけど実はすごいんだぜ(棒読み)
なにが?
ガタッ
あいつ実はものすごく能力高くてな、めっちゃ頭いいんだぜぇ~ (棒読み)
くろよりも?
ガタッガタッ ピタッ
クロウよりもだ、クロウとはちょっと質が違うんだけど、クロウはどっちかって言うと戦いのほうでな(棒読み)
セガールは政治だな、内政って言うのかな、取り決めとか管理とか実はすげぇ、うまいの(棒読み)
それがうまいといいの?
あーそうだ、食料の供給とかそういうのちゃんと出来てないとみんなお腹減っちゃだろ?(棒読み)
うん
あいつの決断力の速さは凄いからな、俺にも何回もチャンスだと思ったら攻めてきただろ?(棒読み)
うん
あれは中々出来ることじゃないんだぜ~ ただ、ちょっと問題があってな(棒読み)
なあに?
カタカタッ
もうちょっとだけあいつが他の魔族に優しかったら、俺なんかたちうちできないのに~(棒読み)
そうなの?
戦いでは勝つけど、そういうのでは負けるかもな?
あーあいつがいてくれないと困るな~(扉に向けて)
カタカタカタ・・・ カチャ
「おや、これは魔王様、外が騒がしいと思ったらこんなところで何を?」
あー いたのかセガ―――ル――― セガールが最近見えないから探してたんだよ―――
「それは、申し訳ありません。体調を壊しておりまして・・・」
あ――― それはいけないなぁ、じゃあ、出直すとしよ―――
「いっいえ、もう、なっ治りました。すぐに上に参ります!!」
大丈夫なのか――― 体を壊してはいけない――― 休んでてくれていいんだぞ―――
「大丈夫です!! 私がいないと困ることもあるでしょうし、すぐ出ます魔王様!!」
魔王を置いて上に駆け上がっていくセガール、どこが体調悪いんだか?
あっという間に見えなくなったぞ。
あんじーと二人で降りてきた道を上に上がっていく。
「まーお、おじちゃん嬉しそうな顔してたね。さっきの話本当?」
「嬉しそう顔してたか? ちょっとだけ本当」
「ちょっとだけかぁ、でも嬉しそうだった、みんなまーおの顔見ると楽しそうだった」
そうか・・・ あんじーがそう見えたのなら嬉しいな。
セガールもクロウは弱そうに見えるから負けたのショックだったんだろうな。
これですすり泣きも消えて、上の奴らも楽になるだろう。
最近、のんびりしてきたし、またセガールに留守番させてどっか遊びにいけるかな?
いろんなことを考えながら楽しそうに歩いてたら、あんじーが手を繋いできた。
「あんじー、次はどこに遊びに行こうか?」
「楽しいとこ~♪」
「楽しいとこいいな、遊びに行きてぇなぁ~」
「うん♪」
クロウに話してみるか、あいつ怒るだろうなぁ、いい加減に落ち着いてください!! って。




