散歩♪
長かったバタバタも終わり、魔王城は平穏に包まれた。
ラッセルとあんじーは暇つぶし・・・ 場内視察という名目でダンジョンを歩いていた。
うちのダンジョンは上層、中層、下層という風に分かれていた。
前魔王の意向で、上層は弱い奴、中層は普通の奴、下層は強い奴、理由はこうだ、敵が侵入してきたら徐々に体力を削って最後に強い奴でとどめを刺す・・・ よって自分は安心、もし最下層の自分のとこに来てもズタボロだろうという考えだ。
そんな考えだから前魔王セガールの魔族達の評判はすこぶる悪かった。
自分が魔王になってからは取り決めは廃止、どこでも自由に住めということにしてある。
外敵が来たときも自分が喜んで門を守りに行くので被害は少なくなった。
ぷるるん ぷるるん
「おぅ、おまえら元気にしてるか?」
緑や赤のスライム達が魔王の元へやってくる。
こいつらも前魔王の被害者であり、大量にいるからといつも一番最初に戦わされた。
力の弱いこいつらが敵に勝てる訳もなく、ただただ体力を削るために・・・
「まーお、言葉わかるの?」
「いーや、さっぱり・・・」
ぷるるん ぷるるん
おい、そんなにまとわりつかなくても・・・ もがっ・・・
顔の周りまで取りつくスライムを引きはがす。
おまえら実は魔王の地位が目的か?
「危なかった・・・ あいつらスライム算式に増えていくからな、案外強いかもな・・・」
二人はゆっくりゆっくり下へ向かって歩く。
「魔王様、めずらしいですね」
「おぅ、暇でな」
「まおうさまぁ、遊んでぇ~」
「おぅ、ちび!! 今度城の方にこいな♪」
人型魔族やチビ達から声がかかる。
「まーお、人気だね♪」
「そうかぁ? もっと魔王っぽく威張らないといけないな。」
ガシャッ ガシャッ ガシャッ
「魔王様、魔王様」
アーマーゴーストが五月蠅い音を出して近づいてきた。
「おぅ、おまえかいつもありがとな。」
「そんな、恐れ多いです、こちらこそいつも裏切ってすいません。」
そう言って二人は笑った。
「ところで魔王様、実は下の方からすすり泣く声が聞こえてきて、気持ち悪くて気持ち悪くて夜も眠れません。どうにかして頂けませんか?」
「気持ち悪くてってお前らが? 大体夜寝ないだろ? まぁ、心当たりはあるな・・・ あっそうだ、おまえら夜あんまり上にこないようにしてくれるか?」
「はて、なんででございます?」
チョイチョイっとあんじーを呼ぶ。
「マスク取ってくれるか?」
アーマーゴーストは言われるままにマスクを外した。
下から出てきたのは骸骨化した顔、驚いたあんじーは魔王の左足にしっかりとしがみついた。
「まぁ、こういう訳だ・・・」
「あはは、こうやって驚いてくれるとうれしいので、会いに行きたいのですが、魔王様のご命令ですし我慢しましょう。」
「すまんな。」
魔王とあんじーはその場を後にする。
すっかり怖がってしまったあんじーを肩車し下に降りる。
「なぁ、あんじー、あいつ見た目は怖いけどいい奴なんだぜ」
「・・・怖い・・・」
「まぁ、怖いよな・・・ 悪さしたら怒ってやるからさ」
「・・・うん・・・」
「さぁ、着いた。」
ラッセルはアンジーをおろし、大きな扉をノックした。
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