愛の戦士ヴラドよりの報告書
それは、ある一通の便りから始まった。
「あー、皆に集まってもらったのは他でもない・・・」
珍しく沈んだ声のラッセル。
「ドラクル、体の具合はどうだ?」
「はい、問題ありません。先日はみっともない姿をお見せしました」
「いい、俺もクロウの一言がなければやばかった」
「ジャン、城で何かかわったことは?」
「はい、何事もなく・・・ 一度、セガール殿が上がってきて私の顔を見て舌打ちして帰って行きました」
「・・・・・・・・・そうか・・・あいつは・・・」
本題にはいろう・・・ これだ・・・
ラッセルが手に持つ真っ白い封筒は、黒いものを放っていた。
見ただけで呪われそうなその物体。
「魔王様、それはいったい?」
「これはヴラドからの報告書だ・・・」
「なぜ、そんな魔力を放つ状態に?」
まずは1枚目からだ。
人魚族の生態についてのご報告
人魚族は完全に乾燥することにより陸の上で生きることが可能です。
その折、尾びれは足となり陸上歩行が可能なのですが声を失います。
人魚族同士の頭の中での会話はできるとのことです。
なぜこの能力を得たのか? 海飽きた、やってみたらできた・・・ と・・・
人魚族は水に接しているときしか魔力を使えません、水の中にある魔力を自由に扱えます。
その魔力は魅了と精神を削る事に特化しております。
陸に上がった人魚は完全に無力化します。
現在は、魔王さまのお名前をダシにして制御しております。
人を魅了する人魚に全く影響されない我が王に、人魚を殴る凶悪な顔に魅了されたと・・・
元来、海の中で自由に生活し相手を魅了し自由気ままに食らう種族、魔王様はさぞ異質に見えたのでしょう。
人魚達は皆、こう言っております、魔王様に会わせろとこの身を献上すると・・・
ちなみに人魚の肉を食うと不老不死になれるとかいう噂もありますが、どういたします?
ヴラドらしい文書で、人魚のことがよくわかる。
「魔王様、何か問題でも?」
「あっうん、これはいいんだ、えと・・・ 本当は内緒にしなきゃいけないのかなって思ったりするんだけど・・・ 2枚目読むね。」
2枚目の紙を開く。
拝啓 魔王様
魔王様いかがお過ごしでしょうか?
魔王様の心優しき配慮にて、多々なるチャンスを頂きまして何度感謝しましても足りぬ所存でございます。
これからも微力ながら魔王軍の為に精一杯働いて行きたいと思っております。
さて、先ほども申しましたが度重なる配慮もいただいたものの、私の微力さ故にまた魔王様のお知恵をお借りしたいと思いこの文をしたためております。
魔王様はお気づきかと思われますが、私は、エリザベートに特別な感情を抱いております。
しかし、戦いばかりの人生、どうしていいかもわからず困り果てております。
目線を送ったり、話しかけるとき肩に触れたりといろいろやっているのですが・・・ 避けられてるような気がいたします。
どうか!! どうか!! 魔王様のお力をお知恵をお貸しください。
差し出がましいお願いだとは重々承知しておりますが、魔王様しか頼れる人がいないのです!!
手紙にはそう紡がれていた・・・
「なぁ・・・ 俺はどうしたらいいと思う?」
読んでいただいてありがとうございます^^




