魔王様は、イライラ中
ラッセルはイライラしていた。
大きく息を吸い、力いっぱい吐き出す、貯まっていた砂は綺麗に門の前から吹き飛んだ。エリザベートからの報告書で八つ当たりして壊した石の掃除をしていた。指で門の縁をなぞるクロウ。
「ラッセルちゃん、ここまだ汚れてるよ。」
なんで魔王が参謀に監視されながら掃除しなきゃいけないんだ・・・ もう一度大きく息を吸って、吐き出した突風が起こり砂が吹き飛ぶ。
ラッセル「あの後、エリザベートなんて書いてあった?」
クロウ「あー なんかいい男で、どうしたらいいかわからないって、こっちがどうしたらいいかわかんないよねー」
ラッセル「本当になぁ」
二人はため息をついた。
「まーお、まーお」
あんじーが小走りにラッセルに飛びついた。受け止め片手にひょいっと乗せる。
「あんじー、よく寝れたか~ お城で困ったことないか?」
「うん、大丈夫、でも、ちょっと怖い、おばけでそう。」
「ごめんな、お城にはおばけいっぱいいるぞ・・・ 悪さしないように言っておくからな。」
「うん」
「あんじー、魔法教えてくんない?」
「うん♪」
楽しいことをしよう。エリザベートの人生だ好きにさせればいい、俺は俺の生き方を行くだけだ。
「まーおさん、あたちの事は先生と呼ぶように」
そう言って始まった魔法の授業、シガニーもやってきてクロウと二人、後ろであんじー先生の授業を眺めている。
あんじー先生の教え方
魔力をぐぐっとして、魔力にぽっと火がついてぶわーってやれば広くて、ぎゅぎゅってやればどかっといって
シガニーのフォロー
初歩の火の魔法は、魔力をこすり合わせる感じで熱を起こし、魔力を燃料のように火をつけくべて維持するそのまま広範囲に魔力を広げれば辺り一帯に火を放つ、魔力を凝縮した場合火力があがりそれを放てば威力のある火球となる。
魔力を放出し、ぐぐっとこすり合わせるつもりの魔王、膨大な魔力はあっても緻密なコントロールは難しい。練習しだしてから三時間がたった。
あんじー「魔力にしゃべりかけてやるといいの。ちからよ、すりあわせ、あつまれ、火よ灯れ!」
あんじーの箒の先にゆらゆらと浮かぶ小さな火。
ラッセル「力よ、あつまれ~ 灯れ~!!」
ぽっ、ロウソクが灯ったような火をつけることに成功した。手のひらの上で小さな火がすーっと消えていった。腰を落とした魔王の頭をあんじーが撫でる。やっとできた!!
シガニー「クロウ様、お上手です、すごいですね。」
クロウ「いや、それほどでも♪」
後ろを振り返ると、クロウが三つの火球を体の前で回していた。なんかむかつく・・・
クロウに近づき頭を殴る。
クロウ「何するんだよラッセルちゃん、八つ当たりでしょ。」
ラッセル「うっさい!!」
シガニー「ラッセルちゃん? お二人は仲がよろしいんですね。」
ラッセル&クロウ「あっ」
シガニーとあんじーに笑われ、ばつの悪そうな二人、四人は昼食をとるために魔王城の中へ戻っていった。
魔界の風が吹きすさぶ中、体をすっぽりと衣で纏った者が魔王城を目指し歩いていることを魔王はまだ知らない。
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