魔王、帰還する
門の向こうに立ち並ぶ魔族達、遠征から戻った魔族達が一同に集まっている。その中心には留守を任せたセガールがいた。
「元魔王よ、我が軍門に降るがよし、降らぬならば我が部下達がお前を亡き者としようぞ!!」
またか・・・ そう思った矢先、魔族達の中から銀色の物体が飛んできた。それを受け止めるラッセル。飛んできたのアーマーゴーストの兜部分だった。
「魔王様、おかえりなさい、実はまたなんですけど・・・」
ラッセル「ヴラドとジャンはどうしてる?」
「お二人とも遠征の疲れでお部屋で休まれております。」
ラッセル「おまえらは、また?」
「はい、毎日水掛けられたくなかったら仲間になれと・・・」
ラッセル「知らない奴らも見えるけど?」
「あのリザードマン達はヴラド様が連れ帰りました。魔王様にご挨拶をしにきたのですが、セガール様が魔王として挨拶を受けてましたね。」
ラッセル「わかった、いつもありがとな、今度一緒に飯でも食うか?」
「お言葉だけで充分でございます♪ 僕らご飯食べれないんで・・・」
じゃあ頼むなと言って、ゴーストアーマーの頭を投げ返す。いろんな魔族達へと手渡されながらなにか伝えてるのが見える。さて、どうするか?
魔王の服をつかみながら後ろに隠れるあんじー、大量の魔族が珍しいのかちらちら覗き見ていた。ラッセルはあんじーの目線まで腰を落とした。
「あんじー、あの奥にいるおじさんだけ、死なない程度に攻撃ってできるか?」
「死なない程度?」
「あのおっさんだけな。」
「わかった、やってみる。」
あんじーが箒をかまえると辺りが徐々に寒くなってきた。
セガール「なんじゃこれは? 者どもかかれぇ―――!!」
セガールの合図と共に、ラッセルは手を水平に動かす。その合図を皮切りにわざとらしく倒れ出す魔族達。
セガール「なっ何をした・・・」
ラッセル「ふっ、ちょっと魔力をあてただけさ」
セガール「いつの間にそんな技を・・・」
セガールの周りに光が見え出す、氷の結晶が反射しているらしい。キラキラひかるおっさんそれはもう目をそらしたくなるような姿だった。
結晶は粒を増し、数を増していく。
アンジー「集え氷よ!!」
あんじーの声と共にセガールの下半身が氷にまとわりつかれ動きを封じる。慌てふためくセガールを見て爆笑するラッセル。さて、どうとっちめてやろうかと思って前に出たとき異変に気づいた。あんじーはまだ箒を降ろしていない。氷の結晶から反射以外の光が見えパチッパチッと音を立てる。そして、箒は振り降ろされた。
アンジー「貫け雷!!」
轟音を響かせ、それは落ちた・・・
「ふんぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
あっあれはやばい、皆がそう思った。さようならセガール、あんまりいいやつじゃなかったけど、いいやつじゃなかったから、仕方ないよな・・・
皆が哀れみの目で見ていたとき、ラッセルだけが小さな声で呟いているあんじーに気づいた! 箒をかかげて!?
「ちょっと、ちょっと待てあんじー、もういい、もうこれ以上やるとまずい!!」
アンジー「まーお、あれでいいの?」
「充分、充分すぎるから。」
あんじーをなんとか止めたラッセルはセガールに近づいた。セガールの動きを封じた氷を壊し、ズタボロのセガールを持ち上げる。手厚く埋葬してやろうかと思った矢先、
セガール「まっ まおうさま よっ よきょうは、おっおたのしみいたらけましたか?」
ラッセル「余興?」
そういうことにしておくか・・・ こいつもタフだな・・・
セガール「これエリザベートさまからです。クロウさまはやくなおひて」
報告書を三通渡された。
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