魔王の一休み
魔女の村を後にした魔王達一行は魔王城を目指していた。ラッセル、クロウ、ドラクルに加え、魔女の村の族長アンジェリーナ、アンジェリーナのお世話係のシガニーの五人である。
久しぶりに戦いらしい戦いを満喫したラッセルはご機嫌だった。アンジェリーナことあんじーを肩車して森の中を歩く。
ラッセル「ある日~ 森の中~ 強い奴に~ 出会った~ 」
あんじー「ららららんらんらんらんらん~」
クロウ「なに縁起でもない歌、歌ってるんですか。変な奴出てきても知りませんよ?」
ラッセル「喜んで受け止めます♪」
ため息をつくクロウを無視して先に進んでいくと、変わった臭いが立ちこめる場所に出た。森の中岩に囲まれた場所にそれはあった。
ラッセル「ここも温泉ってやつか?」
クロウ「そうみたいだね。」
ラッセル「ちょっと入って見ようぜクロウ♪」
あんじーを降ろしたラッセルは服を脱ぎ捨て入っていった。
シガニー「自由な方ですのね・・・」
クロウ「えぇ・・・ もう少し魔王らしくしてくれるといいんですけど・・・」
のんびりしている男衆の中に森から影が走ってくる。
「まーお、まーお、あたちも入る。」
そう言った影は大きな水音を立ててラッセルのもとへ近づいた。
「こら、あんじー女の子らしくなさい。」
アンジェリーナをしかった女性は布を巻き付け、温泉へ入ろうとしていた。男衆から感嘆の声が漏れる。布越しに伝わる華奢なようで妖艶な姿に目を奪われる。うちの女性魔族アマゾネス達とはえらい違いだ。
シガニー「殿方にそんなに見つめられると恥ずかしいですわ。こういうのは皆さん慣れていなくて?」
皆がつばを飲み込む。
あんじー「しがにーだって慣れてないでしょ?」
シガニー「あっあんじー!?」
あんじー「男の人と一度つきあってみたいって言ってたでしょ?」
シガニー「!?」
慌ててあんじーの口を押さえるシガニー、周りを見渡すとさっきまでの視線と違い皆の目は妙に優しくなっていた。顔を真っ赤にしてシガニーは温泉につかっていった・・・
ラッセル「あんじー、火だしたり氷だしたりするのってどうやるの?」
あんじー「まーお、使えないの? うんとね、魔力出して熱くなれ~とか思うの。」
シガニー「あんじーそれじゃわかりませんよ。魔王さん、魔力をこすり合わせる感じで熱を、広く動かすことで風を、小さく回転させ熱を奪う感じで氷にするんですよ。わかりますか?」
ラッセル「ちょっとわかんないな、城戻ったら教えてくれよ。」
あんじー「まーおには私が教えたげる!!」
ラッセル「頼むな、あんじー、それにしてもこのペースでいくと城まで何日もかかるな・・・ どうすっかな・・・」
シガニー「魔王さん、もしよかったら飛びますか?」
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