魔王なつかれる
一夜明けて、クロウとドラクルが魔女の村に着いた。傷ついた魔族を回復し帰還させた後、ドラクルを護衛に帰ってこない魔王を探しに来た二人。魔女の村の前は凄まじい戦いがあった事が目に浮かんだ。
「ドラクル、もしもの場合は僕は戦いに行く、昔からの友達だからね。」
「クロウ様、あんたが行ったって無駄死にだよ。あんたの気持ちは俺が預かってやるよ。」
二人の勇者の気持ちは一つだった!!!
二人は元門だった所を抜け、魔女の村の中へ突入した。魔女がこちらに気づき向かってくる。臨戦態勢を取る二人。
「ラッセル様のお連れの方ですか?」
「「はい!?」」
魔女に連れられ村の奥へと進む二人。一際大きな家屋の中へ案内された、そこには大きなイビキをかいて寝ているラッセルとその横に女の子が寝ていた。
※
女の子を泣かせた魔王は困っていた。
「あ――― お前強いなぁ、名前なんて言うんだ?」
魔王は腰をかがめ、女の子の目線まで落とした。
「あんじぇりーな。」
「アンジェリーナは強いなぁ、ものすごく楽しかったぞ。」
「おっちゃんに負けたらみんないじめられるって・・・」
「おっちゃん? ・・・お兄さんに負けても別にいじめるつもりはないよ、仲間に・・・ 友達にならないか~ってお誘いするだけ」
「おっちゃん、悪者だってみんな・・・」
「お兄ちゃん遊びにきただけだよ」
「だっておっちゃん・・・」
「お兄ちゃん!!!」
女の子は再び泣き出した。ラッセルは女の子を優しく抱き上げ下に降りた。魔女達に取り囲まれるラッセルは女の子を下に降ろし魔女達の方に向かわせ胡座をかいて座った。
「俺は魔王ラッセルという、おまえらとの戦い楽しかった。仲間にならなくてもいい、たまに戦わないか?」
そう言った魔王は子供のように満面の笑みを浮かべた。
※
「そう言ってまた戦おうってばかり言うんですよ。この人、私たちもどうしていいかわからなくて・・・ あっ、私アンジェリーナ様のお世話をしてます。魔女のシガニーと言います。」
クロウ「なんか家の魔王がすいません。ご迷惑おかけしたみたいで・・・ ドラクル起こしてきて。」
ドラクル「いやですよ~ 殴られるのはクロウ様の役目でしょ?」
クロウ「ドラクル・・・」
結構、消耗したのか深く寝入っている。とりあえず鼻をつまんで口を蓋して・・・
「ぷはぁ・・・ なんだ? 敵襲か?」
はい・・・ 起きました。
「なんだ、クロウか・・・ 大したことないと思うけど小さなケガした魔女がいるから治療して回ってきてくれそれじゃあ、おやすみ・・・」
そう言って魔王は再びイビキをかきだした・・・
「えっと、シガニーさん、魔王様の命令ですので治療しますので、案内していただけますか?」
「はい・・・」
昼頃、魔女の治療をしながら回っていると女の子を肩車しながら魔王がやってきた。
「まーお、まーお、この人誰?」
ラッセル「アンジー、こいつはクロウって言って魔王軍で2番目に偉い人だぞ~」
アンジー「こいつ倒せばあんじーが2番?」
ラッセル「戦いだけじゃだめなんだよ・・・ アンジー・・・」
クロウ「魔王様が言っても説得力ないでしょ・・・ なんでそんなに仲良くなってるんですか?」
ラッセル「クロウ聞いてくれよ。あんじーめっちゃ強いの、四天王より強いかもだぜ?」
楽しそうに笑う魔王とアンジーを見て頭を抱えるクロウ、治療も終わり広場に魔女達に集まってもらう。
魔王があぐらを書いて座った所へアンジーが寄ってきて魔王の上に座り魔王を見あげてニヘッと笑う。皆からため息が漏れる中、クロウの説明が始まる。
「我々魔王軍は魔界統一はしたいなぁと思ってますが、別に他の方と敵対したいわけではありません。自分らが攻められるのも嫌ですし、あらかじめ対応はしておきたいと思っていたところあなた方魔女と出会うことになったというのが本音です。出来れば魔王軍に入っていただきたいと思っているのですが、無理にとはいいません。ただ、あなた方の強さを認めたうちの魔王とたまに遊んでくれるとありがたいなって思ってます・・・」
「まーおと遊べるの? あんじーが遊ぶ~♪」
魔女達からため息が漏れる。
シガニー「クロウ様、それは今決めないといけませんか? 魔王軍に入ったら何をするんでしょう?」
クロウ「いえ、適当で大丈夫ですよ。なにかあったら手伝ってほしいなぁって位です。魔女の方々なら魔王城まですぐ来れるでしょうし、一度雰囲気見てから決めてくれればいいですよ。」
魔女達で相談が始まる。クロウは魔王の所に近づいた。
「魔王様、とりあえず魔王城に帰りましょうか。」
ラッセル「俺、温泉入ってみたい♪」
アンジー「まーお帰るの? あんじーも一緒に行く!!」
魔王の服をつかみ泣きだしたアンジーによって魔女の一族の行く末はほぼ決まった。
シガニー「クロウ様、族長と私が魔王城までお供させて頂いてもよろしいでしょうか?」
クロウ「この娘が族長なんですか!?」
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