ドラクルからの報告書
ジャンの増援部隊も出陣し、魔王は外でチビ悪魔達と一緒に花を摘んでいた・・・
増援部隊について行くと駄々をこねたがクロウにさんざん怒られて、その横で笑うセガールを一発殴って今ここにこうしている・・・
ちび悪魔「魔王たま、どうして泣いてるの? これあげりゅ」
ラッセル「ありがとな・・・ でも、これトゲトゲだらけだから・・・ちょっと痛い・・・」
ちび悪魔「ごめんなしゃい・・・ シクシク・・・」
ラッセル「いやいや全然いいんだよ。嬉しいな~ ばんばん巻いてくれていいんだよ。」
ちび悪魔「ほんと?」
ラッセル「・・・ほんと・・・・・・」
魔王がとげとげだらけのツタでぐるぐる巻きの血だらけになったころ、羽つき魔族が魔王のもとに飛んできた。ドラクルからの報告書が来たと・・・
ちびたちに離れることを謝って玉座の間に向かう。実は数日前にもドラクルからの報告書が来ていたのだ。内容はこうだ、温泉というものを見つけた、みんなで入っている。変わった果物を見つけた、とても甘くて美味しい。
玉座の間についたラッセルはクロウから報告書を受け取った。また変わった食い物でも見つけたかな? そんな事を喋りながら報告書を開いた。
魔王様、ご報告させて頂きます。
その後、我らは東の森の奥深くへ進みましたところ、女性だけの村を見つけました。制圧しようと皆で近づいたところ、彼女らは杖をとり魔力を火炎珠や氷の粒にかえ我らに放ちました。その威力は強力で一進一退の攻防を続けましたが、一人の女が出てきてから戦況は一変しました。その者は、他の者よりも強力な魔法を放ち、我が軍は後退をよぎなくされました。
私がしんがりを受け持ちなんとか退きましたが、多くの者が負傷しております。温泉付近で傷を癒やしておりますが帰還にはしばらくかかるかと・・・ そして、真に申し訳ないのですが、癒やしてる最中に魔女達の襲撃に遭いまして・・・ 衣服を燃やされてしまい困っております。出来れば服を持ってきて頂けないでしょうか?
ラッセルは報告書をクロウに渡す。あいつら今全裸なのか・・・ 今、魔王軍にはジャンの増援部隊へ出発したため戦えるほとんどのものが出払っている。つまり・・・
ラッセル「クロウ、俺がでるぞ」
クロウ「仕方ないね、すぐ、布の用意をするから」
ラッセル「わかった、セガールよ留守を頼むぞ。」
セガール「かしこまりました、魔王城は私が守りましょう。」
半時後、布を持ったクロウが袋を引きずってやってきた。本当に力ないな・・・
クロウ「ラッセルちゃん、これ持って行ってね。気をつけて、いってらっしゃい。」
ラッセル「何言ってんだ? あいつら負傷してんだろ? 回復におまえも行くんだよ。」
クロウ「えっ?」
そう言って片手に袋持ち、片手にクロウを抱え、ラッセルは走り出した! その顔はいままで見たことないくらいに笑っていた! ラッセルは走り出した! その速さは四足歩行の獣より速く!!
ラッセル「ふははははは!!!」
クロウ「助けてーーーー!」
高笑いと悲鳴を残し、その姿は瞬く間に木々の中へ消えていった。
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