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ジャンからの報告書

クロウ「ラッセルちゃん、ハーピーが帰ってきたよ。」

ラッセル「今日は休むって言って・・・」

クロウ「魔王軍は年中無休だから、有給もないから・・・」


 強引に起こされたラッセルは目をこすりながら玉座の間に、そこには執事姿のセガールが待機していた。その姿は直立し、いままでと違い引き締まった感じがする。心なしか顔も・・・

 

 玉座に座ろうと背もたれに手を掛けたとき、席の上には丸い甲羅のようなものが置いてある。最近、ダンジョン最下層で見た押すとトゲがでる甲羅だ。


ラッセル「おい、これはなんだ?」

セガール「はい、そちらは腰痛予防のクッションでございます・・・」

ラッセル「気を遣ってもらって悪いな、腰痛なんてしたことないけどな。」

セガール「予防は大事でございます。」

ラッセル「セガール、俺よりセガールの方が予防しなきゃいけないんじゃないのか?」

セガール「私も見た目より若いつもりですが、はっはっはっ」

ラッセル「座り心地を試してみないか?」

セガール「は・・・? いや、魔王様の椅子に座るなど恐れ多い・・・」

ラッセル「座れ・・・」

セガール「はい・・・」


 けたたましいおっさんの悲鳴が魔王城に響き渡った・・・

 漫才は終わったの? そう言いながらクロウが報告書を持ってきた。漫才ってなんだよ!! 私はクロウの後ろについてきたハーピーの頭を軽く撫でて労をねぎらう。ハーピーは照れくさそうに首をかしげた。報告書を広げ目を通す。


 ジャンからの報告書


 砂しかありません!!! 熱いです!! 夜は寒いです! 


 仲間が大分弱ってます。砂の中を移動する魔物に何人かやられました。水と食料もごっそりと・・・ 今のところなんとか対応出来ましたがいつまでもつか・・・


 水があるところにつきました。ここには魔物も入ってこれないようです。ここで体力の回復を待ち次第帰還します。


 追伸 魔王様、もし私が帰ったらある人に伝えたいことがあるんです。でも、ここで魔王様に伝えるのもおかしな話ですよ。無事戻れたら相談にでも乗ってくれませんか?


「クロウ、ジャンのやつ死にそうなんじゃね?」


 そう言って報告書をクロウに渡す。クロウは報告書を一読する。


クロウ「報告書が曖昧すぎてよくわからないね。あいつ誰か好きな人でもいるのかな?」

ラッセル「なぁ、びっくりだよなぁ~」

クロウ「残った奴らで部隊を作って物資をもたせて救援にいかせよう。ハーピー案内できるか?」


 ハーピーは翼をはためかせて鳴いた。その声はさっきのおっさんの悲鳴と違い可愛く澄んだ声だった。


 

読んで頂いてありがとうございます^^

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