遠征部隊 出発
門の前に並ぶ大量の魔族達、何百という魔族達がひしめきあっている。
ラッセルは魔族の先頭を眺めると、白い板を持った魔族が4人、四天王の後ろをうろちょろしている。なにか書いてあるな? 南の島行・・・ 遠くてよく見えないな、見に行こうかと前に進んだところをクロウに止められる。
「ラッセルちゃん、魔王はどっしりとして動かない!!」
「おぉ・・・ なぁ、クロウあの白い板はなんだろう?」
「軍団をまとめるために使ってるんだよ、きっと・・・ 出発するみんなに声を掛けなきゃいけないんだよ。考えてる?」
「おぉ・・・ 魔王ってめんどくさいな・・・」
魔族達が徐々に整ってきたような感じを受けると共に、ヴラドがラッセルの眼前に歩いてきて膝を落とす。
「魔王様、出立の準備が整いました。」
「そうか・・・聞け皆の者・・・!!」
ラッセルが声を上げた瞬間、皆の視線が集まる。
「え~ 本日は日柄も良く・・・ 遠征に赴かれる皆様には・・・ え~い、わからん!! 今から旅立つお前らのことを誇りに思う!! 無事、帰れ!!」
少しの静けさの後に歓声があがる。
ヴラド「皆、出陣!!」
4っつの軍団が各々の方向に動き出した。騒がしかった魔王城前に静寂が訪れた。エリザベートの軍団の女性魔族達がえらく楽しそうにしてたのが気になる・・・
城に戻り玉座に座るラッセル、隣にいるクロウから説明を聞く。各軍団にハーピーを連絡手段として同行してあって、何日かおきに将軍達に報告書を提出するようにしてあるらしい。魔力とかで連絡する術はないのかと聞いてみたがうちのダンジョンでそんなこと出来る奴がいないらしい・・・
現状の魔王城の戦力はスライムやちび悪魔たち、数人の戦士達、攻め込まれたらちょっとまずいような戦力らしいが、四方に進んだ軍団をかわしてこちらを攻め込むのも大変だろうし、とっておきの魔王がいるから大丈夫と言われては悪い気がしない。
玉座に座り続けて30分・・・
「クロウ、そろそろ増援とか出した方がいいんじゃないかな? 困ってるかもしれないし・・・」
「だめです。」
一時間経過・・・
「魔王の感がドラクルが危ないと訴えている!!」
「気のせいです。」
二時間経過・・・
ちび悪魔「魔王たま、魔王たま、お花の冠つくったよ~」
ラッセル「ありがとな~ とげとげだらけでかなり痛いけどうれしいよ~ 作るときケガしなかったか?」
クロウ「魔王様!?」
頭から血を流しながら楽しそうに笑う魔王がそこにはいた。
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